7月6日、厚生労働省は6月22日の薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会で見送りとした塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症経口薬「ゾコーバ」について、「緊急時薬事承認」の可否を判断する専門家会議を7月20日に開催すると発表しました。国は新型コロナウイルス感染症治療薬の迅速な臨床使用のために医薬品医療機器法を改正して「緊急時承認制度」を創設し、令和3年度末に塩野義製薬の「スコーバ」と興和の「イベルメクチン」を対象にした予算の支出を決定するなど、コロナの国産外来経口薬について迅速な使用を可能とする制度を5月20日から施行しましたが、専門家会合は「ウイルス量の減少などの有効性は確認できても、臨床症状の改善を示すデータが希少」と指摘するなど、審査の慎重姿勢は不変で『速やかな承認』に「待った」をかける難しい状況です。現状は、特例承認されたファイザー、モデルナのワクチン、臨床では「ゼビュディ」と「レムデシビル」、「モルヌピラビル」が投与され続けており、莫大な国富の流出がなお続いていますが、ここにきて、オミクロン株の新たな派生型「BA・5」による感染が急拡大し、塩野義製薬が中国での承認申請を目指すとしたことなどが端緒となって、『暫定的に緊急時承認の可能性が生じてきた』とする観測もあり、薬事審の議論に注目したいと思います。

 7月5日、島根県と松江市は7月4日の検査で過去最多となる755人の新型コロナの新規感染を発表しました。保健所管内ごとの感染者数は、松江226人、出雲410人、県央47人、雲南19人、浜田35人、益田12人、隠岐5人となっていますが、人口10万人当たりの新規感染者数は全国でも突出しており、島根県の対策本部会議は7月7日から松江市や出雲市に加えて全県の飲食店利用について「8人以下・2時間以内」とする制限要請の発出を決定しました。丸山知事は感染力の強い『BA5』への置き換わりによる第7波という認識を示し、県民に感染対策の徹底を呼び掛けていますが、患者となった場合の保健所による「疫学調査」「入院勧告または療養勧告や就業制限、および消毒命令」「健康観察」、濃厚接触者となった場合の「PCR検査」や「待機の要請」および「健康観察」などの行政対応は限界に達しており、健康相談コールセンターの電話はパンクし、感染者や濃厚接触者への連絡にかなりの時間を要するなど、保健行政の現場は極めて厳しい状況を迎えています。出雲市の飯塚俊之市長は「出雲市は緊急事態」と述べ、市民に感染予防の徹底と迅速なワクチン接種、不要不急の外出自粛を呼びかけるとともに保育園や小中学校の休園、休業についての理解を求めましたが、感染が家庭に持ち込まれ、ワクチン未接種の幼児や若年世代から保育園や学校を経て市中にという「感染の連環」を断ち切るには、飲食店のみならず地域と時間を区切った一斉休業の選択も必要になるのかもしれません。

6月3日の深夜に目が覚めてTVをつけたところ、ハンガリーのブタペストで開催されている水泳の世界選手権のライブ中継で「女子シンクロ板飛び込み」で、鳥取県出身の三上紗也可選手(日本体育大学)と金戸凜選手(セントラルスポーツ)ペアの銀メダル獲得が放映され、深夜であることを忘れて釘付けとなりました。三上紗也可選手は、東京五輪金メダリストの入江聖奈選手と小学校・中学校・大学の同級生で、小学生から安田千万樹コーチのもとで飛び込み競技に打ち込み、米子南高を卒業後の2019年に光州世界選手権「女子3m板飛び込み」で5位に入り、東京オリンピックの代表となりました。オリンピックでは決勝には進出できなかったものの、6月2日の「女子3m板飛び込み」では決勝に進み、最終演技まで2位をキープし、難易度の高い演技にチャレンジした最終演技の得点が伸び悩み294.20点で惜しくも7位となっただけに、シンクロの銀メダルは嬉しいと思います。また、続いて実施された「男子高飛び込み」決勝で、東京オリンピック代表で15歳の玉井陸斗選手(JSS宝塚)が、488・00点をマークして銀メダルを獲得しました。玉井選手は決勝の3本目に『前宙返り4回転半抱え型』を完璧に決めて99・90点をマークし、4本目を終えた時点で首位に立ち、5本目でわずかにミスがあったものの6本目の最終演技を着実に決め、中国選手のワンツーフィニッシュを阻止しました。男女ともに飛び込み競技の世界選手権での銀メダルは史上初とのことで、歴史的快挙のライブを視聴できた幸運に感謝するとともに2024年パリオリンピックに向けての期待が高まりました。