10月12日、ラグビーのW杯イングランド大会の1次リーグB組最終戦で、日本は米国に28―18で勝ち、3勝1敗の勝ち点12(3位;予選リーグ敗退)で大会を終えました。W杯の予選リーグで3勝を挙げて準々決勝に進めなかったのは史上初めてだそうですが、優勝候補の南アフリカから34―32で歴史的金星を挙げた日本の躍進は、「ラグビー界の勢力地図を変えた」とまで言われ、過去、W杯で1勝の日本を率いたエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)に注目が集まっています。南ア戦前夜に「初戦で戦える国だということを証明したい。準備はやり尽くした。あとは微調整」と語ったとあるジョーンズHCは、03年大会で母国オーストラリアを決勝へ導き、07年大会ではチームアドバイザーとして臨んだ07大会で南アフリカを優勝させるなど、過去にも大きな実績を残しており、今回の日本の台頭でその評価は揺るぎのないものになりました。残念ながら、ジョーンズHCはW杯後、南アフリカのスーパーラグビーでストーマーズの指揮官に就任することが決まっており、19年に日本で開催されるW杯の指揮を執る可能性は低いのですが、「8強の可能性」を現実のものにした手腕はまさに『名将』『伯楽』と形容して然るべきと思います。さくらジャパンの活躍でラグビー人気が沸騰することは必至で、次は、11月に香港で開催されるリオ五輪7人制ラグビーのアジア 予選(参加12カ国の1位が出場権)に注目が集まります。
10月8日は二十四節気の寒露。寒露とは、冷たい露の結ぶ頃という意味で、『暦便覧』には「陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすれば也」とあります。夜露が凍りそうになるほど寒くなると形容されるように、暦の上では晩秋となりました。実際は、秋の長雨が終わって、菊の花が咲き始め、コオロギが鳴きやんで、雁が渡ってくる頃となり、「天高く馬肥ゆる秋」と言いますが、いよいよ秋本番を迎え、食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、行楽の秋などと言われるように、外出の機会が増え、人々がエネルギッシュに行動する時期でもあります。ちなみに、10月6日には紀ノ国和歌山国体が終了しました。島根県勢は天皇杯(648.5点)、皇后杯(347点)ともに44位で、カヌーや陸上、飛び込み、ホッケーなどの活躍はありましたが、隣県に大きく遅れをとる結果に終わったのは少し残念です。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の締結交渉に参加している日米など12カ国は大筋合意に達し、安倍首相は記者会見で「TPPは私たちの生活を豊かにする。内閣は全閣僚による対策本部を設置して、国内対策にあたる」と述べました。TPPに参加するアジア太平洋地域の世界経済に占める割合は約4割にも上るだけに、自由競争の拡大による影響は決して楽観できるものではなく、とりわけ、農業関係者の懸念は大きなものがあります。10月6日に出雲市内で開催された農政懇談会でも今後の日本農業の行末に対する不安が示されました。通常であれば、新聞、テレビの報道はTPP関連のニュースで埋まるはずですが、ノーベル医学・生理学賞、同物理学賞と連日の日本人研究者による受賞決定にかき消されてしまった観があります。日本の農林水産業の生産にかかる政策経費の財源は輸入農林水産品にかかる関税によるところが多く、自由貿易の拡大によって国内対策の強化が必要になる一方で、関税の大幅引き下げにより必用な財源が確保できなくなる可能性が強いだけに、「国が責任を持つ」と言われても、楽観視できる状況にはありません。