環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の締結交渉に参加している日米など12カ国は大筋合意に達し、安倍首相は記者会見で「TPPは私たちの生活を豊かにする。内閣は全閣僚による対策本部を設置して、国内対策にあたる」と述べました。TPPに参加するアジア太平洋地域の世界経済に占める割合は約4割にも上るだけに、自由競争の拡大による影響は決して楽観できるものではなく、とりわけ、農業関係者の懸念は大きなものがあります。10月6日に出雲市内で開催された農政懇談会でも今後の日本農業の行末に対する不安が示されました。通常であれば、新聞、テレビの報道はTPP関連のニュースで埋まるはずですが、ノーベル医学・生理学賞、同物理学賞と連日の日本人研究者による受賞決定にかき消されてしまった観があります。日本の農林水産業の生産にかかる政策経費の財源は輸入農林水産品にかかる関税によるところが多く、自由貿易の拡大によって国内対策の強化が必要になる一方で、関税の大幅引き下げにより必用な財源が確保できなくなる可能性が強いだけに、「国が責任を持つ」と言われても、楽観視できる状況にはありません。