10月19日、松江市内のホテルでハンセン病の国立療養所で暮らす島根県出身者の里帰り事業が開催されました。里帰り事業はハンセン病で療養施設に強制収容された人たちの支援を行い、本年5月に亡くなった出雲市の日蓮宗蓮詔寺住職米田淳雄さんによって昭和42年から島根県の支援によって始められ、現在は、島根県藤楓協会(小村明弘会長)が主要事業として行っています。この日は、香川県の大島青松園、岡山県の長島愛生園、邑久光明園、東京都の多磨全生園の4施設の入所者や施設職員など11人が参加し、島根県の関係者や藤楓協会の役員などとの夕食会が行われました。参加者は里帰り事業に尽くした米田さんに黙祷を捧げ、「米田さんがいなければ私たちが島根県に帰ることはできなかったでしょ樹木希林う」と語る療養者代表のスピーチもありました。今年は ドリアン助川の小説を原作に河瀬直美監督が樹木希林を主演にしてハンセン病の元患者を描いた映画「あん」が公開されましたが、療養所で暮らす人たちの高齢化もあって、ハンセン病にかかわる事象の風化が進行していることを危惧しています。

 10月19日、松江市内のホテルでTPP交渉に関する国政報告会が開催されました。この会合は島根県農政会議(石倉茂美会長)、TPP反対ネットワーク島根(平塚貴彦代表)、JAしまね(萬代宣雄組合長)の3団体が、TPP交渉の大筋合意をうけ、農業分野での重要5品目の例外措置厳守を求めた国会決議との整合性について島根県選出の国会議員の所見を求めるとして開催されました。竹下亘衆議院議員は「政府は『重要5品目の国会決議遵守』を前提に交渉にあたったが、結果について関係者の評価が厳しいことは承知している。今後は日本農業を守るために懸命の努力を払うことを約束する。」とし、青木一彦参議院議員は「安倍内閣の全ての閣僚で構成するTPP対策本部と自民党本部の対策委員会が両輪となって国内対策にあたるが、中山間地域については地域政策として農村対策を講ずるべきと考えている」と述べ、島田三郎参議院議員は「TPP交渉の内容の詳細について十分承知していないが、今後、国会の批准手続きでは『島根の代表』として行動する」としました。参加者からは「TPPは米国の対中貿易戦略であり日本の国情を破壊させる危険性がある」「民主党政権のTPP参加に反対した自民党がTPP推進を掲げたことは裏切りだ」「自民党の国政の進め方は強引で暴力的だ」「国会議員が官邸の言うがままになっている」「TPP参加が国益と判断するなら責任を持って利害得失を説明せよ」など強い意見があり、今後も関係者で意見交換を継続すべきとされました。

 10月17日、出雲市の美談地区で平成20年から進められてきた農村基盤整備事業の完工式が盛大に執り行われました。過去、斐伊川下流の美談地区は水利に恵まれ、水稲栽培の適地とされてきましたが、地下水位が高く、多様な農作物生産が難しく、近年の農業情勢からは、耕作者の高齢化や遊休農地の増加が懸念されてました。そのため、平成19年に136人の農家全員が加入する美談営農組合を設立して作業の共同化や効率化を進める一方で、美談地区基盤整備事業推進協議会を設置し、県営事業により農地の大規模化、多機能化を図る、64.3㌶の農地整備事業(経営体育成型)が企図されました。総事業費1453百万円を投じた事業は、1区画約1㌶の圃場にパイプラインによる用水と暗渠排水を整備したもので、平成24年2月に法人化された農事組合法人みだみ営農組合によって生産活動が行われており、事業着手前に8500万円程度であった生産額は倍増しています。雲ひとつない秋晴れの下、樋門近くの親水公園で行われた完工式で挨拶した阿式功悦会長は「島根県、出雲市、JAなど多くの関係機関の皆さんのご支援により事業の完工を見たことは感慨無量」と述べ、永井島根県出雲県土整備事務所長や野口出雲市副市長などによって、大きな自然石に溝口善兵衛島根県知事が「美談の礎」と揮毫した完工記念碑が除幕されました。