東京都議会に舛添要一知事に対する不信任決議が提出され、本会議での上程・可決が不可避の情勢となっている。高額な海外出張旅費の公費支出に疑問が呈されたことに端を発し、都心から離れた湯河原の別荘での静養や政治資金の私的流用など、次々と発覚する「不適切事案」に対する自らの弁明に立ち往生した挙げ句の結末である。舛添知事は「不信任可決による辞職や議会の解散は目前に迫ったリオ五輪や2020年東京五輪の日程と知事や都議会議員選挙が重なる可能性があり、9月まで進退を猶予して」と懇願されたが、都議会はこれを拒否した。出張旅費については予算や決算の審査で都議会が直接その是非について言及できるとしても、今回の騒動の大部分は、舛添知事が政治資金の支出や使途についてマスコミを含めた第三者から「不適切」と指摘されたことに対し、自らが非を認めて返還または訂正することなく、指名された弁護士が『不適切だが、違法性はない』とする第三者の指摘と異なる所見を示したことに世論が沸騰したことにある。「菜根譚」には、成功するためには『人生の原理原則を教える師』『良き幕賓』『直言する部下』を持つことが必要と書かれているが、舛添知事は、舌鋒鋭く問題点を指摘し、適切な助言を示唆する国際政治学者として評価され、颯爽と国政・都政で輝きを放ちながら、五輪を目前にした退場は極めてお気の毒で惜しい気もするが、第三者の指摘を見誤ったツケはあまりに大きく、取り返しのつかない仕儀となった。

 6月10日、島根県議会5月定例会は総務、文教厚生、農水商工、建設環境の4常任委員会が開催され、9日の本会議で付託された議案および陳情・請願と継続審査案件や所管事項調査などが行われました。建設環境委員会(加藤勇委員長)では、付託議案審査と土木部、企業局および環境生活部の所管事項に対する質疑が行われました。土木部では熊本地震災害への県職員の派遣状況や5月4日に邑南町の県道における落石死亡事故にかかる経過、RAEM-Lightによる高速道路のストック調査結果、浜田港拠点化形成研究会などについて報告され、道路法面等の所有者および管理者責任の範囲や災害防除工事予算の推移などについて意見がありました。企業局では経営計画の実績や小水力発電施設の新規開発などについて報告されました。環境生活部では県や市町村が設置する審議会等の女性参画率や三隅発電所2号機建設変更計画、県民会館のアスベスト除去工事などについて報告され、審議会等への女性参画率を40%とする県の方針に異論があり、県民会館の駐車場確保を図るべきとする意見がありました。継続審査とされていたへイトスピーチ法制関連の陳情については、国会で与野党合意による立法措置がされたことから「不採択」となりました。

 6月8日、島根県議会5月定例会は本会議が開催され、一問一答質問(2日目)が行われました。この日は小沢秀多議員、加藤勇議員(自民党議員連盟)、岩田浩岳議員(民主県民クラブ)、成相安信議員(無会派)の4人と園山繁議員が6月3日の一般質問の補充質問を行いました。小沢議員は教科書謝礼問題について、加藤議員は大規模災害発生時の県の対応、中小企業の事業継承などについて、岩田議員は大規模災害の防災体制について、成相議員は財政問題、農協改革などについて、園山議員は地域医療について、それぞれ知事や担当部局長、教育長および病院事業管理者の見解を質しました。溝口知事は教科書会社が検定中の教科書を教員らに見せて謝礼を渡していた問題について「教科書採択の公正性に疑念を持たせるもので遺憾」とし、鴨木教育長は「検定中の教科書を閲覧した島根県の教員は44人で、うち26人が10,000円から20,000円の謝礼や交通費を受領していた。極めて不適切ではあるが、教育公務員法で定める例外規定の範囲内で、処分事案にはあたらない」と答弁しました。藤間健康福祉部長は近年の診療報酬改定の傾向について「高度急性期医療に対する入院日数の制限などから医療費の増嵩を抑制する方向は明確で、病院と開業医、介護施設などとの連携強化が課題」とし、中川病院事業管理者は入札事務や医療機器の管理が不適切との包括外部監査人の指摘について「重く受け止める」としながらも、具体的にはUSBメモリーの管理に触れたのみで、監査報告書の内容にはほとんど言及しませんでした。