東京都議会に舛添要一知事に対する不信任決議が提出され、本会議での上程・可決が不可避の情勢となっている。高額な海外出張旅費の公費支出に疑問が呈されたことに端を発し、都心から離れた湯河原の別荘での静養や政治資金の私的流用など、次々と発覚する「不適切事案」に対する自らの弁明に立ち往生した挙げ句の結末である。舛添知事は「不信任可決による辞職や議会の解散は目前に迫ったリオ五輪や2020年東京五輪の日程と知事や都議会議員選挙が重なる可能性があり、9月まで進退を猶予して」と懇願されたが、都議会はこれを拒否した。出張旅費については予算や決算の審査で都議会が直接その是非について言及できるとしても、今回の騒動の大部分は、舛添知事が政治資金の支出や使途についてマスコミを含めた第三者から「不適切」と指摘されたことに対し、自らが非を認めて返還または訂正することなく、指名された弁護士が『不適切だが、違法性はない』とする第三者の指摘と異なる所見を示したことに世論が沸騰したことにある。「菜根譚」には、成功するためには『人生の原理原則を教える師』『良き幕賓』『直言する部下』を持つことが必要と書かれているが、舛添知事は、舌鋒鋭く問題点を指摘し、適切な助言を示唆する国際政治学者として評価され、颯爽と国政・都政で輝きを放ちながら、五輪を目前にした退場は極めてお気の毒で惜しい気もするが、第三者の指摘を見誤ったツケはあまりに大きく、取り返しのつかない仕儀となった。