11月11日、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加11カ国は、「米国を除く11カ国による新協定(TPP11)の発効で大筋合意した」と閣僚会議の共同議長を務めた日本の茂木敏充経済再生担当相とベトナムのアイン商工相が発表し、日本を含む参加各国は年明けに予定されている協定署名に向けた国内手続きに入ると報道されました。新協定案は、農産品などにかけられる関税の廃止・削減については米国を含む12カ国の合意内容を維持する一方で、米国の離脱を受けて貿易や知的財産ルールなど20項目を凍結し、米国がTPPに復帰した場合に凍結項目を解除する内容となっており、過半数(6か国)の批准手続きが進めば2019年にも発効すると見込まれています。トランプ大統領の離脱方針によって米国が参加しないとは言え、世界経済の1/8を超える規模の自由経済圏の発足は、高齢化や人口減少などによって労働力の不足が顕在化し経済成長が鈍化している日本にとってビジネスチャンスであると同時に、対応を誤ると富を根こそぎ奪い取られる可能性もあります。とりわけ、関税自主権の不行使によって農林水産業は販売価格の下落が予想され、採算性の確保が一層厳しくなることから、政府には、目先の損得ではなく、中長期的な視野に立った国内対策を講じて、農山漁村を守ってほしいと思います。  
  117日は二四節気の「立冬」。『暦便覧』には「冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆれば也」とあるように、野山の紅葉が鮮やかとなる時期となり、巷では、「初霜」「初雪」「初冠雪」「予算編成」「年賀ハガキ」「インフルエンザワクチン」など、歳末の到来近しを意識させる形容も多くなりました。ところで、予算編成と言えば、116日には、出雲市の長岡秀人市長など宍道湖西岸国営緊急農地整備事業促進協議会の役員や島根県、出雲市の関係者9人が、財務省に大鹿行宏主計局次長、前田努主計官を訪ね、平成30年度予算の土地改良事業予算確保を要請するとともに、農林水産省では齋藤健農林水産大臣、室本隆司農村振興局次長に面会し、平成30年度に事業着手が有力視されている宍道湖西岸地区の土地改良事業の予算配分を要望しました。また、宍道湖周辺で渡り鳥の鳥インフルエンザ感染が報道され、島根県は畜産振興課や鳥獣対策室、薬事衛生課など関係各課での監視を強化するとしていますが、養鶏事業者の皆さんには気が抜けない時期となりました。11月に入ってから朝夕の冷え込みが強くなり、日中の気温差が大きくなっていますから、体調管理には十分に注意しましょう。  
  115日、日御碕小学校体育館で日御碕剣友会(吉田明弘会長)の創立60周年記念式典が開催されました。日御碕剣友会は昭和32年、当時の大社警察署日御碕駐在所に勤務した宍道平吉警部補(教士7段)が主宰した少年剣道教室に端を発し、以来、多くの名剣士、高段者を輩出している県内屈指の名門剣道道場です。この日は、多くの住民が参観する中、式典に続いて小学、中学生から一般までの剣士による紅白試合などが行われました。また、60周年を記念して、宍道教士のご子息である宍道正年氏の執筆による「日御碕剣道の生い立ち」が上梓されました。この著作は宍道氏と日御碕剣友会の共同出版で、創成期から現代に至る記録を詳しく紹介した580ページからなる労作で、希望者には1冊3000円で頒布可能とのことです。先年、日御碕小学校は大社小学校に統合となり、地域の少子化もあって、日御碕剣友会の小、中学生の剣道愛好者は数えるほどとなっていますが、日御碕に鎮座する神宮のごとく、70年に向けて伝統の灯をともし続けてほしいと願っています。