3月5、6日、島根県議会は総務、文教厚生、農林水産商工、建設環境の4つの常任委員会が開催され、農林水産商工委員会(岩田浩岳委員長)では、「令和7年度島根県一般会計補正予算(第11号)」や「令和8年度島根県一般会計予算」など予算案11件と「島根県家畜保健衛生所条例の一部を改正する条例」および「直轄特定漁港漁場整備事業に対する県の負担について」など一般事件案4件について審査を行いました。審査過程で出された主なる意見では「コメ生産の基本方針」や「中東情勢が与える燃油や資料、肥料への影響」「農林水産にかかる公共事業の執行状況」「石見地域の観光誘客」および「島根のブランド戦略の方向」などについてあり、全会一致で原案の通り可決しました。所管事項の調査では、農林水産部から「2月8日の大雪にかかる被害状況」「令和6年度の農業産出額」「水稲新品種『島系84号』の導入」「野生イノシシの豚熱検査体制」「漁港臨港道路の照明柱点検」など、商工労働部からは「令和7年の観光動態速報」「石州瓦の産地再生計画」「安来市切川地区の工業用地造成事業の進捗状況」「企業立地計画の認定状況」および「三菱マヒンドラ農機の清算に関わる県の対応」などについて説明があり、委員からは三菱マヒンドラ農機の事業停止について、詳しい情報提供の必要性や従事者の雇用確保、影響を受ける下請けや関連事業体への支援などについて意見があり、石橋商工労働部長は「定例会最終日となる3月12日午前に常任委員会を開催し、県の支援策を示したい」と述べました。

 3月2日、島根県議会2月定例会は本会議が開催され、一般質問(一問一答方式)が行われました。この日は岡本淳議員、森山裕介議員、中村絢議員(自民党ネクスト島根)、須山隆議員、角智子議員(民主県民クラブ)、大国陽介議員(共産党)の6人が質疑を行いました。岡本議員は、「山陰道の経済効果」「島根県立大学」「林業振興」などについて、森山議員は、「人づくりプロジェクト」「空き家対策」「フリースクールの支援」、中村絢議員は「遊漁船の安全対策」「漁港の統合・再編」「国立公園ステップアッププログラム」などについて、須山議員は、「財政見通し」「漁港の再編・統合」「高校教育振興事業」などについて、角議員は、「福祉の重層支援」「高校進学」などについて、大国議員は、「国民健康保険」「道路標識等の維持管理」「学校給食費の負担軽減」などについて、知事、関係部局長、教育長および警察本部長の見解を質しました。丸山知事は、漁港の統廃合について「県内83漁港について老朽化や利用減が著しい1種漁港について管理者である市町村の意向を踏まえて検討する」と述べました。野間総務部長は、島根県立大学について「令和7年度の県内出身入学者は53.8%で、看護栄養学部については新たに指定校推薦枠を設ける」とし、国スポ・前スポの開催経費について「施設整備160億円、開催費用110億円、選手強化49億円の319億円を見込む」、周山健康福祉部長は、国保料について「令和7年度の加入者は107,501人で、保険料の平均は1人当たり91,683円」、山本農林水産部長は、島根県林業士について「平成30年から令和7年末までの知事認定は准林業士184人、初級201人、中級115人、上級35人」、県内漁港について「1種漁港55施設のうち、登録漁船が5隻以下が4港で50年以上整備されていない施設が10港」、野津教育長は、高校教育振興事業について「文科省は都道府県ごとに3校を指定し、1校当たり20億円を手当するが、5月までにエッセンシャルワーカーの養成で専門高校、理数系人材養成で普通高校、多様な教育実践で僻地、離島の高校を選抜、申請する」、フリースクールの支援について「憲法89条の規定により義務教育を主宰する市町村の関与が無い団体に財政支援を行うことは難しく、困難を抱える若者の居場所づくり支援事業などの活用を考えてはどうか」などと答弁しました。

 衆議院で過去最大を更新する一般会計総額122.3兆円の令和8年度予算の審議が始まりました。予算のフレームは、国債費が31.2兆円、地方交付税21兆円で、一般歳出70.1兆円の主なものは、社会保障関連経費が39兆円、防衛費9兆円、物価高騰対策や公共事業、教育、産業振興などの経費が22.1兆円となっています。過去、衆参両院での予算委員会での質疑は、安倍内閣では森友問題、岸田内閣では派閥のパーティ券問題、石破内閣では商品券や政治資金問題などに多くの時間が費やされ、ゼロ金利政策や財政支出の有用性などの議論が後回しにされ、生産性向上に関わる投資よりも給付の拡大を求める意見が圧倒的に多くあり、その結果が、実質賃金の停滞や社会保険料の増嵩となって若年世代を苦しめていると思います。一昨年の衆議院選挙は自民党の不明朗な政治資金報告に対する怒りが爆発した結果ですが、昨年の参議院選挙は政党の政策提案に対する国民の評価であり、今年の衆議院選挙は、「国政の方向を給付から投資へ抜本的に変更したい」という高市首相のメッセージを国民が受け入れたもので、マスコミ世論と一致した従来の結果とは明確に異なります。こうした中、高市早苗首相が衆院選の当選祝いとして自民党の全衆院議員にカタログギフトを贈ったことが大きく報道され、衆参の本会議や予算委員会の場で追及されています。首相の行為は必ずしも善行とは思えず、世論の反発は必至ですが、先ごろまで、衆議院の議員会館のほとんどの部屋は高価な胡蝶蘭で埋まっており、国会で庶民感覚云々と言われても五十歩百歩としか映りません。国民は高市政権が肥大化する一方の社会保障給付をどのように調整し、成長投資に楫を切るのかを固唾を呑んで見ており、円安や物価高を含めて、国会はこれらに応える議論を展開していただきたいものです。