6月1日、宍道湖西岸地区国営緊急農地再編整備事業促進協議会(会長:飯塚俊之出雲市長)の役員が農林水産省に山下雄平副大臣をはじめ松本平農村振興局長、青山健治農村振興局次長、石川英一整備部長、登り俊也農地資源課長など、財務省では中山光輝主計局次長および宮下賢章主計官(農林水産係担当)に面会しました。意見交換では、飯塚出雲市長が令和8年度の予算配分に対する謝辞を述べ、多久和卓志宍道湖西岸土地改良区理事長が布﨑、論田の排水機場の進捗状況、坂本満JAしまね出雲地区本部長がブロッコリーや小豆、玉ねぎなどの高収益作物生産の現状について説明し、農地の大区画化と汎用化に欠かせないフォアス(地下灌漑システム)の整備促進を強く要望しました。財務省の中山次長は「コメ主体の日本農業の構造改善のモデルになるよう引き続き努力されたい」とコメントし、山下副大臣は「人口減少や高齢化が進行する地方の農業生産の安定には、生産性向上に結び付く圃場の大区画化や機械化による省力化が必須の要件と考えている」と述べました。政府は重点17分野に食料安全保障を実現する観点から国内での農林水産物の生産拡大を掲げており、農水省は令和7年から5年間を農業の構造転換を集中的に推し進める期間としていることから、今夏の骨太方針に農村整備および土地改良の必要性明記を期待するところです。
5月31日、出雲市唐川町で恒例の新茶まつりが開催され、雲ひとつない五月晴れの下、香しい新茶と新緑を堪能しました。古刹の鰐渕寺に隣接する唐川地区では14世紀末にお茶の生産が始められたと伝えられ、江戸時代には「唐川番茶」が松江藩の特産品とされるなど、古くから「お茶の里」として知られており、集落の家並に点在する整然と手入れがされた茶畑の景観は、第17回しまね景観賞ではグランプリに選定された美しい風情が広がっています。今年は春先の霜の害もなく、主品種のヤブキタは上々の出来とのことで、唐川親交会(錦織憲一会長)が主催する35回目の新茶まつりは、唐川館広場に150kgの新茶や農産品、茶もち、茶そば、お茶ソフトクリームなどのテントが並び、普段は静かな山里は終日にぎわいの人波で溢れました。ところで、能登半島に位置する石川県羽咋市で、国の特別天然記念物トキ8羽が本州で初めて放鳥されたと報道されました。石川県は、トキの放鳥を能登半島地震からの復興のシンボルに位置付けており、澄み切った青空に放たれた8羽のTV映像は感慨深いものがあります。仄聞するところでは、来年には、現在、佐渡市の佐渡トキ保護センターで野生復帰の訓練をされているトキが出雲市でも放鳥されるとのことで、大空にはばたく勇姿を楽しみにしています。
総務省は昨年秋に行われた国勢調査の速報値を公表し、2025年10月1日の 日本の総人口は123,049,524人で、5年間で300万人超が減少し、人口の30%強が東京都、埼玉県、神奈川県および千葉県の首都圏への集中傾向が続いていることが明らかになりました。国勢調査の数値が公表されるたびにクローズアップされるのが「いわゆる一票の格差」で、衆・参の選挙区が云々されるのが通例となっており、2015年には参議院で10増10減および「鳥取・島根」「徳島・高知」の選挙区を合区する公職選挙法改正案が可決されました。都道府県代表と職能的代表で構成する参議院の存在意義や2院制の基本理念よりも、「違憲回避」の技術論を優先させ、当面の暫定措置とされた隣県合区ですが、10年を経過して、なお、解消の目途は見えません。本来、国勢調査は国のあり様を明らかにすることが目的のはずで、首都圏への人口集中による弊害は都道府県の人口格差からくる国会議員の定数のみならず、社会インフラや住民サービスにまで及んでいる現状を一顧だにせず、国勢調査=議員定数是正の世論形成は「木を見て森を見ず」の典型のように感じます。地方の疲弊は国力を低下させる因であり、国会は首都圏に集中する産官学を地方に分散させる方途を早急に示すべき責務があるはずで、一極集中の是正を法律で義務付けすることが一票の格差是正の処方箋であることは言うまでもありません。