4月4日は二十四節気の「清明」。暦便覧に「万物発して、清浄明潔なれば、此の芽は何の草としれるなり。」とあるように、万物が芽吹き、桜花が咲き、動植物が一斉に動き出す時期を迎えました。中国や東南アジア地域の多くの国々では「墓掃除の日」とされており、日本でも沖縄県でそうした風習があるようです。例年であれば、今週末には桜満開の下で、職場やサークル、家族連れなど、たくさんの人々がお弁当を広げて「お花見」を楽しむ光景が日本中で見られるはずですが、新型コロナウィルス感染の懸念から、「外出自粛」とされ、大半の皆さんは車中や映像での花見気分となりました。ところで、昨日の安倍首相と岸田自民党政調会長の会談で、急激な景気減速による一般家庭の収入対策として、1世帯あたり30万円の現金給付の実施が合意されたと報道されています。学校の臨時休業やイベントの中止、外出自粛などによって直接的に影響を蒙る業種の落ち込みは甚大で、景気減速によって生産調整が必要になるいわば間接的に影響を受ける業種と同列視し、「公平」という物差しで救済措置を講じる政府·与党の方針は疑問で、一般家庭にカネをバラ撒いても「死に金」で、愚策です。コロナウィルスの拡散防止には「自粛要請」ではなく、一定期間、強制力のある「禁止命令」が必要で、制限対象の損失を補償して、行為制限を徹底させる法的措置が不可欠だと思います。ダラダラと自粛を続ければ、感染が拡大、長期化し、企業の体力が消耗することは必至で、働く職場がなくなれば、失業給付や起業支援など、新たな財政負担の必要が生じます。
令和2年度がスタートしました。通常は日本中の職場で行われる4月1日の辞令交付式が、新型コロナウィルスの感染拡大によって取り止めになったりWebや所属で実施されるなど、その姿が大幅に変わりました。新型コロナウィルスの感染拡大による経済への影響はすでにリーマンショックを超えたと言われ、事業がピンチに陥っている向きも多いと感じますが、「人生はドラマ。ピンチはチャンス。」と説く経営コンサルタントの清水英雄さんの「あきないの詩」を紹介します。
「あきない」
本物とはあきないもののことであろう
いい絵は見飽きない
いい音楽は聞き飽きない
商売のことも あきない という
どうして あきない なのだろう
それはおもしろくて しかたないから
あきない なのだ
いつもおもしろいから 笑い顔
笑顔が 絶えないから 商売は「笑売」となる
笑顔で いつも活発だから「勝売」となる
ところが あきない 商売を
おもしろくない と思っていると
その商売は すぐあきる
いつも 不平不満や愚痴が出て
心が 次第に傷ついて「傷売」となる
こんなお店には
そのうち 誰もよりつかなくなり
「消売」となって 消えてしまう
「笑売」をしているのか「傷売」をしているのか
「勝売」をしているのか「消売」をしているのか
あなたはどちらの商売を しているのだろう
新型コロナウィルスの感染が東京都内を中心に拡大傾向にあり、先週末には都内はもとより、隣接する千葉、埼玉、山梨、神奈川の知事が往来自粛を呼びかける異例の事態となりましたが、昨日は、コメディアンの志村けんさんがコロナウィルスによる肺炎で急逝するなど、感染が収まる気配はありません。大阪市ではライブハウスで、東京都や大分県では病院、千葉県では障がい者の支援施設でクラスター感染が報告されましたが、京都市では卒業旅行で海外に渡航した大学生が検疫をスルーして帰国し、卒業イベントで接触した参加者によって感染が全国に及んだ例や海外からの帰国者がPCR検査を拒否した上、保健所の待機要請を無視して外出しているなどは「自由」の意味をはき違えている「極めて幼稚な所作」です。クラスター感染が拡大すれば、中国·武漢やイタリア、アメリカ·ニューヨークのような医療崩壊によって社会機能がマヒし、結果として自らに跳ね返ってくることは必至です。ところで、日本の株式市場はヨーロッパとともに新型コロナウィルスの感染拡大によって大きく下落していますが、アメリカでは一時的には下落したものの、ほとんどもとの水準に戻りつつあり、独歩高と言っても良い状況です。しばらく続いてきた通貨の量的緩和によって実態経済の数倍に膨張しているマネー市場が制御不能に陥る寸前と見るエコノミストも出現しており、理性を超えた我欲の支配する社会の終焉近しを予感させます。