赤羽国土交通大臣は「Go Toキャンペーン」の開始時期を前倒しして7月22日からとし、参加者には3密回避や衛生対策など「旅行時のニューノーマル」を、割引対象とするホテルなどの施設は人数制限や利用者の検温などの感染防止対策を義務付ける方針を示しました。「Go Toキャンペーン」は、国が、新型コロナウイルス感染による行動自粛で落ち込んだ需要回復を図る目的で、旅行や飲食にかかる費用を割引やクーポン券の発行によって支援する総額1.7兆円におよぶ消費喚起対策で、観光や運輸関連事業者からは早期実施を期待されています。しかし、比較的軽症・無症状が多いとされる20~30代が多数を占める大都市部の感染が、既往症や高齢者が多い地方に拡散する可能性が懸念されるところであり、実施時期の前倒しよりも感染拡大を防ぐ対策(準備)が先決だと思います。7月14日の全国の新規感染者数は、大都市圏を中心に前日より72人多い333人で、島根県の丸山知事は現状での首都圏との交流は時期尚早とする見解を述べ、東京都の小池知事も「不要不急の他県への移動はお控えいただきたい」と呼びかけるなど、大都市周辺でのクラスター収束の兆しが見えない中での実施には小首を傾げざるを得ません。速報では、東京都新宿区の「新宿シアターモリエール」の舞台を鑑賞した島根県内の女子大生の感染が判明したとのことであり、拙速な政策判断によって都市部から地方への感染拡散が現実のものになることを危惧するところです。

 

 

 藤井聡太7段は2016年に中学2年生(史上最年少の14歳2か月)で棋士(プロ入り)となり、現在は名古屋大学教育学部附属高等学校に在籍する現役高校生です。5歳で愛知県瀬戸市内の将棋教室に入会し、師範から渡された500ページ近い『駒落ち定跡』を読み書きができないまま符号を頼りに読み進め、1年後には完全に理解・記憶したという天才少年は、2012年9月に小学校4年生で新進棋士奨励会(奨励会)に入会し、中学1年生で3段となり、厳しい奨励会3段リーグを1期で突破しました。日本将棋連盟によると、中学生で棋士となったのは、加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、渡辺明、藤井聡太の5人だけで、藤井7段は、デビュー戦となる第30期竜王戦第6組での加藤一二三9段との対局からの29連勝や朝日杯将棋オープン優勝、7段昇段、3年連続の勝率8割達成、17歳10か月でのタイトル挑戦など「史上初」や「最年少記録更新」と形容される活躍を続けています。大相撲解説の北の富士勝昭さんは「勝ちが報道される間は『まだまだ』、負けが特報されて『一流』」と述べていますが、昨日の棋聖戦第3局の敗戦が豪雨警報同様にニュース速報で報道される様は、藤井7段が一流になった証しだと感じます。一方、現役最年長棋士の桐山清澄 9段(72歳)は棋聖、棋王のタイトル経験者ですが、名人戦順位戦C級2組で陥落となり、年齢制限(65歳)による引退となったものの、大阪市で行われた第33期竜王戦第5組残留決定戦に勝利し、現役続行を決めたと報道されました。「自力で勝ち取った現役の座」の一手こそ衆議院選の比例名簿登載を目論む自民党長老の皆さんにご教授いただきたいと思います。

 

森上浩平島根県東部農林振興センター所長には、74日、急逝され、7日午後に告別式が執り行われました。60歳でした。森上さんは島根県の農業改良普及員として園芸作物の指導にあたり、平成174月から県庁農林水産部の政策推進室に戦略スタッフとして勤務して以降は営農施策の立案と実践に力を尽くされました。

温厚篤実で粘り強い性格から人望厚く、全国に先駆けて平成20年から取り組んだ「美味しまね認証」や平成24年からの「有機農業の推進」の成果は燦然と輝く島根農政の金字塔で、コメづくりから水田園芸に営農改革を進めるリーダーとして、農畜産振興課長、農産園芸課長、農業経営課長、西部農林振興センター所長、東部農林振興センター所長と、次から次へ与えられる枢要な役割と職責を、それこそ、命がけで果たされました。

  いま、出雲市の東部を流れる斐伊川下流域の宍道湖に面した地域約460㌶余では、一昨年から宍道湖西岸国営緊急農地整備事業が始まり、水はけが悪く、ほとんど水稲単作地域であった農地は、10年をかけて多様な作物の植え付けが可能となるように作り変えが進みます。

 ともに、島根県農業の衰退を憂い、構造転換の必要性を言い、取り組みを進めた事業の着手段階での早世は残念ですが、今は、天上から事業の順調なる進捗を応援、見守っていただきたいと願うところです。

 ここに、島根県の農業振興に大きな足跡を残された森上浩平さんの偉業をたたえるとともに生前のご交誼に感謝申し上げ、心からご冥福をお祈りいたします。 合掌