鳥取県で部活動の練習試合などの引率に教職員が自家用車やレンタカーを使ったとして83人が処分されたと発表されました。学習指導要領で「部活動は学校教育の一環」と位置付けられていますが、教育課程には含まれていない(課外活動)ため、教育委員会が定める学校管理運営規則に部活動に関する規定がないところもあります。現状は学校教育法第37条第11項の「教諭は児童の教育をつかさどる」とする規定を根拠に学校長が教員に部活動顧問の職務分掌を命じているのが実態ですが、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)では、教員に時間外労働を命ずることができる超勤4項目に部活動は含まれていないため、部活動顧問の教員には、勤務時間を過ぎても時間外手当を支給されることはなく、無報酬で業務と責任だけが負わされています。子供たちが部活動を通じて体験できる様々な事象は日本の教育にとって不可欠な要素であり、教員にとっても部活動に関わることは指導力や人間形成を高める上で効果があるとされていますが、外部指導者を有償で部活動の指導に招聘する制度が採用されながら、「顧問教諭は善意の奉仕」とする状況は改善すべきです。学校単位で取り組む部活動は生徒数の減少で縮小や近隣学校との協調を余儀なくされてきており、交通インフラが脆弱な本県にとっては自家用車が唯一の移動手段である地域もあり、画一的な物差しで処分を行った隣県の愚を繰り返してはなりません。
会計検査院は林野庁に対し間伐材の販売で欠損が生じている国の森林整備事業の見直しを求めたと報道されています。国内の人工林は「伐り時」を迎えていますが、木材価格の低迷で山林は放置され、樹木の成長によって足許に陽光が届かなくなり植生が崩壊、山は痩せ、河川の水生瀬物は減少、降雨による災害の多発などが生じてきています。用材とならない幼木を間伐(間引き)することは山林の管理に不可欠ですが、活用範囲が狭く、間伐材の多くは「伐り捨て間伐」として山林に放置されてきました。近年、CO2削減の必要性もあって、集成材や合板、バイオマス発電などの政策対応により間伐材は搬出されるようになりましたが、採算性が低く財政支援が不可欠であることなどから森林環境税が創設されました。会計検査院の指摘は、「国有林を管理する全国の森林管理署・支署が行った間伐材販売の赤字を改善せよ」とするものですが、森林の循環利用を前提にする林業の現状は、建築用材となるA材生産でギリギリの採算とされており、作業用路網の整備や樹種転換、施業の機械化などの「革命的な生産性の改善」がなければ成立しない状況で、林野庁は、費用対効果の指摘に対し、生態系や自然環境の保全などの利益を計数化して、きちんとした反論を行う必要があります。