会計検査院は林野庁に対し間伐材の販売で欠損が生じている国の森林整備事業の見直しを求めたと報道されています。国内の人工林は「伐り時」を迎えていますが、木材価格の低迷で山林は放置され、樹木の成長によって足許に陽光が届かなくなり植生が崩壊、山は痩せ、河川の水生瀬物は減少、降雨による災害の多発などが生じてきています。用材とならない幼木を間伐(間引き)することは山林の管理に不可欠ですが、活用範囲が狭く、間伐材の多くは「伐り捨て間伐」として山林に放置されてきました。近年、CO2削減の必要性もあって、集成材や合板、バイオマス発電などの政策対応により間伐材は搬出されるようになりましたが、採算性が低く財政支援が不可欠であることなどから森林環境税が創設されました。会計検査院の指摘は、「国有林を管理する全国の森林管理署・支署が行った間伐材販売の赤字を改善せよ」とするものですが、森林の循環利用を前提にする林業の現状は、建築用材となるA材生産でギリギリの採算とされており、作業用路網の整備や樹種転換、施業の機械化などの「革命的な生産性の改善」がなければ成立しない状況で、林野庁は、費用対効果の指摘に対し、生態系や自然環境の保全などの利益を計数化して、きちんとした反論を行う必要があります。