政府は9月27日に実施する安倍元首相の国葬の費用として、2022年度予算の予備費から約2億5000万円の支出を閣議決定しました。主たる支出の内訳は、会場の設営費やセキュリティー対策強化などの費用に約2億1,000万円、会場や輸送用バスの借り上げ料などに約3,000万円とされています。松野官房長官は、国葬に対する賛否を意識してか、国として弔意表明を行う閣議了解は行わず、地方公共団体や関係機関に対しも弔意要望を行う予定はないと述べたようですが、それでは国葬とする意味がありません。立憲民主党の議員などから会場周辺の警備費用が含まれていないとして「政府の見積もりは過少」との指摘がありますが、仮に、葬儀の形態を国葬ではなく、中曽根元首相と同じように内閣・自民党合同葬としても、多くの外国からの賓客や皇族などの参列が予想される会場周辺や空港などの警備体制に大きな相違が生じるとは考えられません。さらに、葬儀費用の政府支出が半分にしたところで、自民党の収支の多くが政党交付金で賄われていることを考慮すれば、実質的なお金の出所のほとんどが国庫であることは明白で、批判のための理屈のほとんどは不合理なものです。岸田首相は7月14日の記者会見で安倍晋三元首相の追悼を「国葬」とした理由を「東日本大震災の復興、日本経済の再生、国際協調の推進などの功績は偉大で、海外首脳から哀悼の声が相次いでいる」と述べており、一国の総理として下した決断の『腰砕け』は極めて残念に思います。

 長い夏休みが終わり、先週から今週にかけて多くの学校で2学期がスタートしました。今年は6月下旬から新型コロナウイルスのオミクロンBA-5の全国的な感染拡大で、窮屈な思いをした人たちも多かったと思いますが、まん延防止や緊急事態など『移動の制限』や『イベントの自粛』を求める措置が執られなかったこともあって、スポーツや文化活動の全国的な大会が有観客で行われ、若者の躍動する姿が見られたことは幸いでした。ところで、島根県の丸山知事は、県内のコロナ感染が依然として高止まり傾向にあるとして、夏休み明けの学校での集団感染を防止する観点から、県教委と市町村教委に対し、8月29日から9月11日までの2週間、「部活動の一時停止」を要請しました。ただ、10月初旬からの国民体育大会や秋の新人大会などを控えた活動については所属長(学校長)の判断としており、全県すべて(県立学校と市町村立学校)に徹底するか否かは不明です。また、同時に、飲食・観光事業者に対する消費喚起対策として「しまねプレミアム飲食券」と「再発見!あなたのしまねキャンペーン」について期間の延長と対象施設の拡大などを実施するとし、週明けの対策本部会合で「飲食店の利用人数を4人以下とする制限の解除を検討する」と述べたとあります。秋の行楽や結婚シーズンを前にしての制限解除は、関係者が待ち望んでいる措置であり、1日も早い実施が待たれるところです。

 8月23日、島根県議会は全員協議会が開催され、会議の冒頭、丸山知事は、森英恵さんに弔意を表し、コロナ対策について「BA5の新規感染が人口10万人あたり1,000人を超えており、逼迫する保健所業務の一部を本庁で代行する関係で、事務事業に遅延を生じており、法的位置づけの変更などの政府対応を注視している」などと述べ、令和3年度島根県普通会計決算の概要などが報告されました。令和3年度の歳入総額は5,886億円余、歳出総額は前年比6.7%増の5,556億円余で、令和4年度への繰越財源185億円を差し引いた実質収支は145億円の黒字となり、新型コロナ対策にかかる国の交付金や国土強靭化に伴う国庫負担公共事業の増加により、実質公債費率5.3%(前年5.5%)、将来負担比率159.8%(176.8%)、経常収支比率83.9%(90.0%)、県債発行残高9,148億円(9,189億円)と財政健全化の指標は大きく改善していますが、県立病院や企業局などの公営企業会計を含めた決算については、9月8日から開催される9月定例議会で決算特別委員会を設置して審査する予定です。全員協議会終了後に開催された農林水産商工委員会(田中明美委員長)では、「しまねプレミアム飲食券」の追加発行に対する疑問が提起され、4月から4か月の販売が見込み数の1/3に止まっている実態と、飲食店の利用人数の制限による感染防止効果と飲食需要低落による経済損失についての考察が不明確との強い意見があり、行楽や婚礼が本格化するシーズンに向け、飲食店の利用制限継続は関係業界に壊滅的なダメージを与えかねないとの指摘もありました。また、地域別最低賃金の改定に関し、きちんと価格転嫁ができる仕組みを構築すべきとする意見や日比谷しまね館を活用した対外発信や島根大学と県内金属産業が取り組む先端金属素材グローバル事業に期待する意見がありました。