9月8日、第482回島根県議会9月定例会が開会し、初日の本会議では、会期を10月11日までの34日間と決定した後、「令和4年度島根県一般会計補正予算(第4号)」など予算案17件と「職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例」など条例案7件、「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」など一般事件案9件の35議案を上程し、うち、「職員の互助会に関する条例および会計年度任用職員の報酬、費用弁償及び期末手当支給条例の一部を改正する条例」と「職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例」の2件については即決しました。丸山知事は議案の提案説明にあたって、「コロナの感染対策と県内経済の回復の両立を図るとともに諸物価高騰にかかる農林水産業や県内産業への適切な支援に取り組むため、総額372億円の補正予算を編成した」とし、6月30日付で退任した島根県芸術文化センターの澄川喜一センター長への謝辞と8月26日に逝去した石橋大吉元衆議院議員の追悼を述べました。また、この日の本会議では令和3年度決算の審査を行うための決算特別委員会(中村芳信委員長)の設置が決めたほか、本会議の終了後には全国都道府県議長会のリモートによる議員研修が行われ、上智大学の三浦まり教授が「都道府県議会議員を対象としたハラスメント防止研修」とする講演を聴講しました。

 9月5日、静岡県牧之原市の認定こども園で、送迎バスに取り残されていた3歳の女児が熱中症で死亡したと発表されました。送迎バスは18人乗りのワゴン車で、6人の児童を乗せて園に到着後、男性運転手と女性添乗員が児童の降車確認をしなかったため、女児は約5時間、車内に取り残されたと見られています。類似の事故は、昨年7月にも福岡県中間市で5才男児が死亡する事件が発生しており、「考えられないケアレスミス」には開いた口が塞がりません。幼稚園や認定こども園では、喜怒哀楽を言葉で表現できる4,5歳の子供を対象に通園バスや公共交通機関を利用した登降園が見られますが、通常、保育園の1日は、子どもの登園時の健康観察や家庭での様子を保護者と保育職がやり取りすることで始まり、子どもが保育園で過ごしたあり様を保護者が垣間見る「お迎え」で終わります。保育園が保護者による送迎を基本としているのは、朝夕、ほんのわずかな時間ですが、『子の保育をともにする両者の極めて貴重な毎日の一瞬』であり、乳幼児期に子の保育に直接かかわらない添乗員を介しての送迎は、保護者の負担軽減には有効だとしても、必ずしも子の利益につながるとは思えません。『ありえない事故』が起こり得ることを考えれば、乳幼児期の送迎は事情がある場合を除いて再考すべき事案だと思います。

 

 財務省が9月1日に発表した2022年4~6月期の法人企業統計調査(資本金1,000万円以上の企業が対象)によると、金融・保険を除く全業種の経常利益は、四半期ベースの過去最高益を4年ぶりに更新して前年同期比17.6%増の28兆3,181億円で、コロナ禍で落ち込んでいた経済活動の回復に加え、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源高や円安の進行が企業収益を押し上げたことが要因とのことです。また、2021年度末の企業の内部留保も前年度比6・6%増の516兆4750億円で、10年連続で過去最高を更新し増加率は80%に達したとのことで、業種別では、製造業が10・9%増、非製造業4・4%増、規模別では、資本金10億円以上が5・9%増、1千万円未満3・6%減となっており、アベノミクスによる金融緩和で輸出が多い製造業の大企業が円安の恩恵をうけたことがわかります。ゼロ金利の量的緩和を続ける日銀の国債保有残高が500兆円を超えていることを考え合わせると、市場に出回ったはずの通貨の多くが設備投資や人件費に向かわずに企業の内部留保に回り、いくら企業収益が増加しても景況感にはつながっていないと考えられます。つまり、日本の企業が生産し、海外で販売する製品価格は円安によって実質的な値上げとなっているため、企業は国内価格を据え置いても為替差益によって一定の利益が確保でき、反面、中小企業は製品価格が上がらないため、人件費などの経費上昇を吸収できていないことが如実に表れており、それは1次産業や地方の苦衷も同様で、アベノミクスと地方創生に欠けている要素が浮かび上がります。