財務省が9月1日に発表した2022年4~6月期の法人企業統計調査(資本金1,000万円以上の企業が対象)によると、金融・保険を除く全業種の経常利益は、四半期ベースの過去最高益を4年ぶりに更新して前年同期比17.6%増の28兆3,181億円で、コロナ禍で落ち込んでいた経済活動の回復に加え、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源高や円安の進行が企業収益を押し上げたことが要因とのことです。また、2021年度末の企業の内部留保も前年度比6・6%増の516兆4750億円で、10年連続で過去最高を更新し増加率は80%に達したとのことで、業種別では、製造業が10・9%増、非製造業4・4%増、規模別では、資本金10億円以上が5・9%増、1千万円未満3・6%減となっており、アベノミクスによる金融緩和で輸出が多い製造業の大企業が円安の恩恵をうけたことがわかります。ゼロ金利の量的緩和を続ける日銀の国債保有残高が500兆円を超えていることを考え合わせると、市場に出回ったはずの通貨の多くが設備投資や人件費に向かわずに企業の内部留保に回り、いくら企業収益が増加しても景況感にはつながっていないと考えられます。つまり、日本の企業が生産し、海外で販売する製品価格は円安によって実質的な値上げとなっているため、企業は国内価格を据え置いても為替差益によって一定の利益が確保でき、反面、中小企業は製品価格が上がらないため、人件費などの経費上昇を吸収できていないことが如実に表れており、それは1次産業や地方の苦衷も同様で、アベノミクスと地方創生に欠けている要素が浮かび上がります。