8月23日、島根県議会は全員協議会が開催され、会議の冒頭、丸山知事は、森英恵さんに弔意を表し、コロナ対策について「BA5の新規感染が人口10万人あたり1,000人を超えており、逼迫する保健所業務の一部を本庁で代行する関係で、事務事業に遅延を生じており、法的位置づけの変更などの政府対応を注視している」などと述べ、令和3年度島根県普通会計決算の概要などが報告されました。令和3年度の歳入総額は5,886億円余、歳出総額は前年比6.7%増の5,556億円余で、令和4年度への繰越財源185億円を差し引いた実質収支は145億円の黒字となり、新型コロナ対策にかかる国の交付金や国土強靭化に伴う国庫負担公共事業の増加により、実質公債費率5.3%(前年5.5%)、将来負担比率159.8%(176.8%)、経常収支比率83.9%(90.0%)、県債発行残高9,148億円(9,189億円)と財政健全化の指標は大きく改善していますが、県立病院や企業局などの公営企業会計を含めた決算については、9月8日から開催される9月定例議会で決算特別委員会を設置して審査する予定です。全員協議会終了後に開催された農林水産商工委員会(田中明美委員長)では、「しまねプレミアム飲食券」の追加発行に対する疑問が提起され、4月から4か月の販売が見込み数の1/3に止まっている実態と、飲食店の利用人数の制限による感染防止効果と飲食需要低落による経済損失についての考察が不明確との強い意見があり、行楽や婚礼が本格化するシーズンに向け、飲食店の利用制限継続は関係業界に壊滅的なダメージを与えかねないとの指摘もありました。また、地域別最低賃金の改定に関し、きちんと価格転嫁ができる仕組みを構築すべきとする意見や日比谷しまね館を活用した対外発信や島根大学と県内金属産業が取り組む先端金属素材グローバル事業に期待する意見がありました。
8月19日、衆議院厚生労働委員会で新型コロナウイルスの第7波となる感染拡大に関わる閉会中審査が行われました。連日20万人を超える新規感によってジワジワと上昇する病床使用率の問題をはじめ死亡者数の増加や社会経済状況の復元などについて議論されると思いきや2時間30分強の委員会では、加藤勝信厚生労働大臣の旧統一教会の関連団体との関わりにかなりの質疑時間が費やされ、政府のコロナ対策については、医療機関がすべての感染者を届け出る『全数把握』の見直しが提起された程度でした。確かに、TVは朝から晩まで旧統一教会と政治家の関係について取り上げていますが、旧統一教会問題は正すべき問題の1つではあるにせよ、コロナや諸物価高騰、ウクライナ紛争、中台の緊張などに先んじて議論すべきとする国民はさほどに多くはないように感じるところであり、統一教会問題を質すために臨時国会を開く必要があると考える国民(有権者)はごく少数ではないかと思います。せっかくの閉会中審査では『コロナ対策の何をどう変えていくのか』という方向が質されず、加藤厚生労働大臣は、新型コロナ感染者の全数把握の簡素化を含めた見直しに言及したものの、当面は、死亡増加や夏休み明けの感染動向を注視するとし、感染症法に定める新型コロナの位置づけ(規定)を季節性インフルエンザと同じにした場合のワクチン接種の有料化を示唆した程度で、残念ながら、『秋に向けてどうするのか』は全く聞こえてきませんでした。
最低賃金は、最低賃金法に基づいて雇用主が労働者に支払う1時間当たり賃金の最低額として国が定めたもので、都道府県ごとの「地域別最低賃金」と特定の産業に従事する労働者を対象とした「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。このうち、「地域別最低賃金」は、地域によって物価や労働者の賃金などが異なるとして都道府県をABCDの4ランクに分類しており、現在、Aランクは6都府県、Bランク11府県、Cランク14道県、Dランク16県で、島根県はDランクとされています。令和3年度の最低賃金の全国加重平均額は930円(島根県824円)ですが、8月2日の第64回中央最低賃金審議会で厚生労働省から示された地域別最低賃金額改定の目安は30円~31円であり、8月9日に開催された島根地方最低賃金審議会(富田眞智子会長)では、島根労働局長に対し「4%にあたる33円の引上げで1時間あたり857円とする」旨の答申を賛成多数で決定したとのことです。2002年の島根県と東京都の最低賃金は609円と709円で全国の加重平均は664円、対東京では85.8%、対全国91.7%の水準でしたが、2022年では、東京が1,072円で79.9%、全国は961円で89.1%と、2005年ごろから格差は拡大してきています。最低賃金を法律で決定するのであれば、賃金の上昇分を価格転嫁できる制度を法律で規定すべきであり、「地方創生」と言うならブロック制を廃止して賃金格差を是正する手立てを国がきちんと講ずるべきです。とりわけ、生産品の価格決定権を持たない地域の農林水産業はコストの上昇に抗うことができずに離業を余儀なくされている現実があり、格差の放置が地方の衰退を加速させています。