3月12日、島根県議会は中山間地域・離島振興特別委員会(園山繁委員長;以下「委員会」)が開催されました。この日の所管事項調査では、隠岐汽船が所有する「フェリーしらしま」の代船について、令和8年をめどに新船を隠岐広域連合が約50億円をかけて建造、所有し、隠岐汽船に廉価(年間5,000万円程度)でリースする「上下分離方式」で対応する基本方針が報告され、委員間協議では、令和3年5月臨時会で設置されて以降の2年間の調査活動に関わる意見交換を行いました。島根県の人口は、昭和30年の929,066人をピークに減少が続いていますが、島根県過疎地域持続的発展方針や島根県離島振興計画の策定に関する意見聴取、県内における空き家や耕作放棄地、鳥獣被害、生活交通確保など諸課題の状況に関する現地調査、県外における先進事例や秀逸事例の視察などの結果から、過疎化・少子高齢化の進行が顕著な中山間地域・離島においては、地域の担い手が不在となり、生活機能の維持が大きな課題となっている地域が少なくないことから、第5期中山間地域活性化計画を着実に実行するとともに、次期計画の策定にあたっては「小さな拠点づくりの推進」や「DXの推進」「中山間地域を支える産業の振興」「多面的機能の維持・保全・発揮」「新しい人の流れづくり」「離島振興」など、6つの視点から次世代の人材の確保・育成や関係人口の拡大などを重点的に進めるべきとする内容の委員会の調査報告を取りまとめました。
2月27、28日、島根県議会は総務、文教厚生、農林水産商工、建設環境の4つの常任委員会が開催され、付託議案と陳情、請願の審査および所管事項調査が行われました。農林水産商工委員会(田中明美委員長)では、「貸付金の返済債務の免除に関する条例の一部を改正する条例」と一般事件案の「直轄特定漁港漁場整備事業に対する県の負担について」および「令和5年度島根県一般会計予算」など予算案12件の議案審査と労働委員会、商工労働部、農林水産部の所管事項の 調査を行いました。予算案に関わる審査では、電気代をはじめとするエネルギーコストや金属材料、飼・肥料、食品などの高騰による事業者の収益悪化や給与、賃金の改定などについての質疑が多く、コロナ禍から需要回復が遅れている飲食業への支援を求める意見や国の『海業の振興』に呼応して疲弊のすすむ海岸地域の漁港を有効活用すべきとする意見、採算が厳しいとされている酪農への政府対応を求めるべきとする意見などがありました。所管事項調査では、商工労働部から「コロナ感染、原油・資材高騰の状況」「全国旅行支援の状況」、農林水産部から「『美味しまね認証』の推進」「第8次島根県栽培漁業基本計画の策定」などについて、それぞれ報告、説明があり、農業産出額については販売額よりも採算性や付加価値重視に視点を移行させるべきとする意見がありました。
2月26日、出雲市の佐香コミュニティセンターで、令和5年3月31日をもって43年間の歴史に幕を閉じることになった社会福祉法人平田保育会が運営する北部保育所(竹内真由美所長)の閉所式が行われ、入所児童や保護者、永年に亘り保育に関わった地域のボランティア団体の関係者など約90人が出席しました。北部保育所は、平田市の幼児教育基本計画に基づいて佐香児童館を発展的に改組し、昭和55年4月に定員90人の認可保育所として日本海を望む丘の上に設置され、多くのボランティアの皆さんに支えられて海岸地域の子育て拠点として『佐香っ子』の育ちを支えてきました。しかしながら、高齢化や漁業従事者の減少などによって出生児童数の減少が続き、平成16年に佐香中学校が平田中学校に統合されたのを皮切りに、平成28年に佐香小学校がさくら小学校に統合となり、保育所は定員を60人、45人、30人、20人に漸減し、近年は、島根県や出雲市の小規模保育園に対する支援を受けながら運営を継続してきました。しかし、令和4年度の入所児童が12人となり、保育の質を確保するためには7人の保育職を充てる必要があるため、地元の理解を求めた上で、令和4年11月の理事会で出雲市に年度末での保育停止を申請することを決定しました。閉所式典で社会福祉法人平田保育会の園山繁代表理事会長は「43年の歴史に終止符を打つ決断に至ったことは慙愧に堪えないが、地域の皆さんには隣接の中部保育所で従前どおり『佐香っ子』の育ちをお支えいただきたい」と式辞を述べ、来賓の飯塚俊之出雲市長は「海岸地域の特徴ある保育園がなくなるのは残念だが、出雲市は今後も中山間地域の振興にしっかりと取り組む」、梶谷善信佐香自治協会会長は「中学校の統合から20年が経過し、小学校に続いて保育所の廃止統合は、地域にとって寂しい限りで残念至極」と挨拶しました。式典では、43年間の保育所の歩みを写真や平田CATVのニュース映像で振り返り、出席者全員で「ほくぶほいくしょのうた」を合唱しました。