岸田文雄首相は3月17日の記者会見で、「男女で育休を取得した場合の給付率を引き上げる」とし、休業給付を時短勤務にも適用する方針を示し、非正規雇用やフリーランス、自営など給付の対象とならない人の育児に伴う収入減に対する支援制度の創設にも言及しました。首相が述べた「男女で育休」とは、子どもが生まれた後、男性が8週間以内に最大4週間まで育休とは別に休業できる「産後パパ育休」と女性の育児休業制度を指し、現行、賃金の67%の育休手当の給付率を休業前の“手取り10割”とするものですが、育児休業の対象は雇用保険加入を条件としているため、対象外となる人への支援が、育休期間中に免除となっている年金や医療保険の支払免除などと同様の内容となるのかに注目したいと思います。ところで、育児休業での育休手当の支給は、原則、子どもが満1歳になるまでの期間とされていますが、国の調査では、保育所や小学校に通う子供を持つ家庭において、親が子供と過ごす時間が年々短くなってきていることが明らかになっています。できれば、「子どもが12歳に達するまでの間、育休手当を付加した1日あたり2時間程度の育児休業の導入」を実施し、不足する職場の働き手に65歳以上の高齢者を充て、賃金にかかる所得税を非課税にした上で、育休を付与する事業者に国が一定の給与・賃金の支援を講ずるくらいの制度設計が『異次元の育児支援』ではないかと考えます。

 3月14日、東京では平年より10日も早い桜の開花が発表されました。桜前線は南から北上するものと思っていましたが、温暖化で休眠打破が一様ではなくなり、近年は東京が先で、のち南から西へ移動するようです。ところで、参議院の懲罰委員会は、政治家女子48党(旧NHK党)のガーシー参院議員について、全会一致で「除名が妥当」と決定しました。ガーシー議員は、昨年7月の参議院選挙で当選してからもドバイなどに滞在を続け、国会への登院を拒否し続けており、「職責を果たそうとしない態度は国会議員の身分を放棄するもの」などとして懲罰の対象となり、3月8日の本会議で「陳謝」が求められていましたが、結果的にこれを拒否したため、国会議員の身分を失うことになりました。ガーシー議員は、「国会に出ないのは選挙公約」として、リモートでの議事参加などを求めていると報道されていますが、候補者としての政見が支持されて当選し、議員資格を獲得したのであれば、掲げた政見を実現するために必要となる法律や国会規則を改正するための努力を自らが実践すべきで、国会議員1人あたり、歳費や文通費、秘書給与、政党交付金など、年間1億円近いお金が議員活動に必要な経費として支払われるのはそのためです。今回の仕儀は、『身勝手な個人の理屈』が、国会議員の身分を与えられた刹那、『身勝手な論ではなくなる』ことに、政治家のみならず私たち有権者もしっかりと向き合う必要があることを示していますが、さきに報道された『比例名簿に登載された候補者の1年交代の是非』など、政治の場に『想定外の価値観』が持ち込まれてきたことには少なからず戸惑いを覚えます。

 3月7日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、大型基幹ロケット「H3」の初号機打ち上げに失敗しました。極めて残念ですが、昨年10月の小型固体燃料ロケット「イプシロン」6号機の打ち上げ失敗や三菱航空機の国産ジェット機開発の中止は、日本の科学技術の総合力が危機的な低落傾向にあることを如実に示しており、JAXAによる原因の徹底究明はもとより日本の産学官をあげて産業技術の再建に向けた取り組みが不可欠となってきています。当初、2020年とされた「H3」の初号機の打ち上げは、大型化と「コストダウン」が求められた新型のメインエンジン「LE-9」の開発が難航し、2度の延期を余儀なくされてきましたが、その間も国際的な競争は加速度的に進行していることは明白です。報道では、世界で去年1年間にロケットの打ち上げに成功した回数は177回で、アメリカが83回、中国が62回とのことで、アメリカの90%は民間企業が主導したとあり、また、中国は宇宙ステーションを完成させるなど、どんどん進化を見せているとあります。技術立国を掲げて世界をけん引してきた我がニッポンですが、ここにきて『円安』や『海外生産』など安直な目先の利益追求のツケが見えてきたように感じます。