1月9日、宍道湖漁協の元組合長の坂本清さんがお亡くなりになりました。半世紀以上にわたりヤマトシジミをはじめエビ、コイ、フナ、ウナギ、シラウオ、アマサギなど多種の漁獲実績を誇る宍道湖漁業を代表する漁師であり、宍道湖の水環境を守るために宍道湖淡水化事業反対運動の先頭に立って1万人集会や大規模な漁船パレード、東京・銀座でのシジミの無料配布、2億5千万円の小切手返還などに参加された姿を思い起こします。淡水化中止の決定後は組合長として、ヤマトシジミの漁獲量を安定的に維持するための操業規制の徹底を図り、宍道湖の汽水環境保全に力を尽くすとともに、関係者を説得してラムサール条約への登録や斐伊川治水への協力を約定するなど、卓越した指導力を発揮されました。小生とは遠縁でもあり、永年にわたって親しくお付き合いをしてきましたが、2014年に叙勲の栄に浴された折、「国に反旗を翻したものに勲章を与えるとは時代も変わったものだ」とした満面の笑みが今も目に浮かびます。農業は子が、宍道湖漁業は孫が引き継ぎ、後顧に憂いを残すことなく、安心しての87才での旅立ちと思いますが、今後は、天上から宍道湖の行末を見守っていただきたいと願っています。合 掌
1月6日の午前10時18分に島根県東部を震源とする最大震度5強(マグニチュード6.2)の地震が発生しJRや一畑電車が運休するなど、住民生活に少なからぬ影響が発生しました。今回の地震では、震源地に近い安来市を中心に断水や通行止め、家屋および公共施設の一部損壊などの被害が報告されており、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに早期の復旧・復興をお祈り申し上げます。ただ、ほとんどの地域での被害は軽微に止まっており、社会経済活動への支障が少ないことに安堵しています。ただ、松江地方気象台からは、1週間程度は揺れの強い地震が発生する可能性があり、週末は積雪も予想され ていることから、一定の注意が必要とされていますが、地震発生後から繰り返されるマスコミ報道は『風評被害』を想起させるに十分で、島根県内の観光地からは急速に人影が消失した観があります。コメ報道や12月の高市首相の国会答弁以降の中国報道も然りで、1つのことを煽り立てるマスコミの有り様は異常としか言いようがありません。
ジャネーの法則は、「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢に反比例する」とする心理学的な観念で、例えば、齢70歳となる小生にとって1年の長さは人生の70分の1ですが、2歳の子どもにとっては人生の半分にあたりますから、主観的に感じる年月の長さは歳をとるほど短くなるという意識をフランスの哲学者であるポール・ジャネが理論づけたものだそうです。
1年がアッと言う間に過ぎ去るという小生の時間的感覚はまさにその通りであり、与えられている1日1日の時間を無為に過ごすのではなく、目標を掲げ、成すべき1日の目的を持って行動することを心掛けたいと思います。
元日、アメリカ・ニューヨーク市長に就任した34歳のゾーラン・マムダニ氏が就任演説で、家賃の値上げ凍結や無料バスの運行、保育の無償化など生活費の負担軽減といった困難な政策課題に対し、「できない理由ではなく、できる方法を見つけるのが私たちの仕事だ」と述べたと報道されましたが、少子高齢化で人口減少が続く地域社会の課題や私たちを取り巻く様々な問題について、皆がそうした意識、言い換えれば「可能思考」であたっていくことが肝要と思っています。
とりわけ、近年、多様性が叫ばれ、それを理由に「らしさ」を否定する風潮が目立ちますが、他者を惹きつけるには、地域も人もアイデンティティの確立が不可欠で、「らしさ」を意識することは強みを生かすことであり、差別化や優位性の発現につながることは昨年の政権交代に顕著です。
『あおいくま』は亡き父からもらった言葉ですが、県民の皆さんの幸せという目標に向かって、焦らず、臆せず、威張らず、腐らず、負けずに「らしさ」を追求する令和8年にしたいものだと思います。