6月9日、第499回島根県議会6月定例会が召集され、エネルギー価格・物価高騰対策やネクストハイスクール構想の事業費などを追加する「令和8年度島根県一般会計補正予算(第1号)」など知事提出議案17件と議員提出議案の「議会の議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当支給条例の一部を改正する条例」1件を上程しました。ネクストハイスクール構想は、国の高校無償化に併せた公立高校や専門高校等への支援の拡充方針をうけて都道府県が基金を造成して改革を先導する拠点のパイロットケースを創出するための予算を計上するもので、松江北高校と宍道高校および江津高校と江津工業高校の統合によって新設する高校を拠点校とするものです。丸山知事は、提案理由において国勢調査2025の速報値で5年間に6.2%の人口減少が生じた状況に言及し、「国に東京一極集中の是正を求めるとともに、若年層の流出と出生数の低下を食い止めるためにあらゆる施策を総動員する」と述べました。また、会派の申し合わせにより池田一議長(出雲選挙区;5期)と高橋雅彦副議長(雲南・飯石選挙区;3期)が辞任したため、正副議長選挙が行われ、自民党議員連盟に所属する山根成二議員(雲南・飯石選挙区;4期)と吉田雅紀議員(隠岐選挙区、3期)がともに32票を得て正副議長に選出されました。今期定例会の会期は7月2日までの24日間で、県政一般に関する質問と上程議案に対する質疑は6月16日から6月23日まで6日間の予定で、一般質問19人、一問一答質問7人の合計26人の議員が質疑予告届を提出しています。

 6月1日、宍道湖西岸地区国営緊急農地再編整備事業促進協議会(会長:飯塚俊之出雲市長)の役員が農林水産省に山下雄平副大臣をはじめ松本平農村振興局長、青山健治農村振興局次長、石川英一整備部長、登り俊也農地資源課長など、財務省では中山光輝主計局次長および宮下賢章主計官(農林水産係担当)に面会しました。意見交換では、飯塚出雲市長が令和8年度の予算配分に対する謝辞を述べ、多久和卓志宍道湖西岸土地改良区理事長が布﨑、論田の排水機場の進捗状況、坂本満JAしまね出雲地区本部長がブロッコリーや小豆、玉ねぎなどの高収益作物生産の現状について説明し、農地の大区画化と汎用化に欠かせないフォアス(地下灌漑システム)の整備促進を強く要望しました。財務省の中山次長は「コメ主体の日本農業の構造改善のモデルになるよう引き続き努力されたい」とコメントし、山下副大臣は「人口減少や高齢化が進行する地方の農業生産の安定には、生産性向上に結び付く圃場の大区画化や機械化による省力化が必須の要件と考えている」と述べました。政府は重点17分野に食料安全保障を実現する観点から国内での農林水産物の生産拡大を掲げており、農水省は令和7年から5年間を農業の構造転換を集中的に推し進める期間としていることから、今夏の骨太方針に農村整備および土地改良の必要性明記を期待するところです。

 5月31日、出雲市唐川町で恒例の新茶まつりが開催され、雲ひとつない五月晴れの下、香しい新茶と新緑を堪能しました。古刹の鰐渕寺に隣接する唐川地区では14世紀末にお茶の生産が始められたと伝えられ、江戸時代には「唐川番茶」が松江藩の特産品とされるなど、古くから「お茶の里」として知られており、集落の家並に点在する整然と手入れがされた茶畑の景観は、第17回しまね景観賞ではグランプリに選定された美しい風情が広がっています。今年は春先の霜の害もなく、主品種のヤブキタは上々の出来とのことで、唐川親交会(錦織憲一会長)が主催する35回目の新茶まつりは、唐川館広場に150kgの新茶や農産品、茶もち、茶そば、お茶ソフトクリームなどのテントが並び、普段は静かな山里は終日にぎわいの人波で溢れました。ところで、能登半島に位置する石川県羽咋市で、国の特別天然記念物トキ8羽が本州で初めて放鳥されたと報道されました。石川県は、トキの放鳥を能登半島地震からの復興のシンボルに位置付けており、澄み切った青空に放たれた8羽のTV映像は感慨深いものがあります。仄聞するところでは、来年には、現在、佐渡市の佐渡トキ保護センターで野生復帰の訓練をされているトキが出雲市でも放鳥されるとのことで、大空にはばたく勇姿を楽しみにしています。