以前の記事の続きです。
今年の入試問題から平均算の第3弾です。
その1(清風中2023)
75人の生徒で算数のテストを実施したところ、点数の上位10人の平均点は96点で、残り65人の平均点は72点でした。このとき、75人の平均点を求めなさい。
75人全員の平均▢点を支点とする天びん図を書く。このとき
- 右はし…おもりは人数の10人、めもりはその平均点の96点
- 左はし…おもりは人数の65人、めもりはその平均点の72点
となる。すると
より平均点▢は
72+(96-72)ײ⁄₁₅=75.2点
その2(追手門2023)
男子16人、女子24人が算数のテストをしたところ、男子の平均点は▢点で、女子の平均点は男子の平均点より5点高く、クラス全体の平均点は56点でした。
「クラス全体の平均点は56点」だからこれを支点とする天びん図を書くと
- 右はし…おもりは女子の人数24人、その平均点は不明(▲点)
- 左はし…おもりは男子の人数16人、その平均点は不明(■点)
- 「女子の平均点は男子の平均点より5点高」いから天びんのうでの長さは5点
このとき天びんの支点からの距離の比は 左:右=3:2だから男子の平均点▢は
56点-5点×⅗=53点
その3(昭和女子大学附属2023)
30人のテストの平均点を計算するとき、ある1人の得点が60点であるのに、600点として計算してしまい、平均点が78点となりました。正しい平均点は▢点です。
「60点であるのに、600点として計算」したとき
- 合計点で考えると実際より 600-60=540点高くなっている
- これを平均点で考えると実際より 540÷30=8点高くなっているということ
よって正しい平均点は 78-8=70点
その4(共立女子第二2023午後)
ある会場の入場料は一人あたり400円です。1つの団体の人数が20名以上の場合、20名をこえた分については400円の1割引きで、100名をこえた分については400円の2割引きとなります。例えば、21名で入場した場合、20名までは一人あたり400円で、20名をこえた1名分が400円の1割引となります。このとき、次の各問いに答えなさい。
⑴ 100名の団体で入場したとき、入場料の合計金額はいくらですか。
入場者100名について、例にならって❶20名までと❷20名をこえた80名にわけて計算すると
- 「20名までは一人あたり400円」だから 400×20=8000円
- 「20名をこえた分については400円の1割引き」だから 400×0.9×80=28800円
よって 8000+28800=36800円
⑵ ある団体の入場料の合計金額をその団体の人数分で割ったところ、一人あたりの金額が350円になりました。このとき、何名の団体で入場したか答えなさい。また、どのように求めたのかを説明しなさい。
入場者数100名のとき合計36800円(小問⑴)だから一人あたり368円。「一人あたりの金額が350円」だったから100名をこえる団体だったとまずわかる。
そこで100名をこえた人数が▢人だったとして「一人あたりの金額が350円」を支点とする天びん図を書くと
- 右はし…おもりは入場者100人、その一人あたり金額は368円
- 左はし…おもりは100人をこえた人数▢人、その一人あたり金額は「100名をこえた分については400円の2割引き」だから一人あたり320円(=400×0.8)
この天びんがつり合うのは ▢=100÷5×3=60のとき。
よってこの団体の人数は
100+60=160人