以前の記事の続きです。
今年の入試問題から平均算の第2弾です。
その1(慶應義塾中等部2023)
太郎君が今までに受けた□回のテストの平均点は77点でした。今回のテストで38点をとったので、平均点は3点下がりました。
天びん図を書く。
- 天びんの右は「太郎君が今までに受けた□回のテストの平均点は77点」より、腕のめもりが点数の77、おもりが回数の□
- 天びんの左は「今回のテストで38点」より、腕のめもりが点数の38、おもりが回数の1(今回1回だけの点数なので)
- 今回のテストで「平均点は3点下がり」74点となったからこれを支点に天びんはつり合う
腕の長さが36:3=12:1なのでおもりの重さはその逆比の1:12
よって77点というのはこれまで12回の平均点とわかり□=12
その2(大妻多摩2023)
ある商品を作るのに、下の表のように費用がかかります。例えば、この商品を12個作るときの1個あたりの平均の値段は (300×10+240×2)÷12=290 より290円となります。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ この商品を50個作るときの1個あたりの平均の値段を答えなさい。
表より合計の値段を出していくと
- 1個目から10個目までの10コは単価300円→300×10=3000円
- 11個目から20個目までの10コは単価240円→240×10=2400円
- 21個目から50個目までの30コは単価200円→200×30=6000円
よって (3000+2400+6000)÷50=228円
⑵ 1個あたりの平均の値段が234円以下となるには、何個以上作ればよいですか。
小問⑴より
- 最初の20コは3000+2400=5400円。このとき平均の値段は 5400÷20=270円
- 50コ作ると平均の単価は228円に下がるから「1個あたりの平均の値段が234円以下」となるのは21~49コの間のどこかにある
天びん図を書いて平均の値段がちょうど234円となるところを見つける。
- 天びんの右は最初の20コの平均の値段270円
- 天びんの左は21コめからの□コの単価200円
- このとき234円を支点としてつり合う
腕の長さが34:36=17:18なのでおもりの重さはその逆比の18:17
比例式をつくると 18:17=□:20 となり
□=18×20÷17=21.1…
よってあと22コ以上作れば天びんの左が重くなって支点は左にずれる(234円以下になる)から最初の20コと合わせて42個以上
その3(攻玉社2023)
0⃣、2⃣、4⃣、6⃣、8⃣の5枚のカードがあります。このカードを並べて3桁の数を作るとき、作ることができるすべての数の平均は□です。
ケタごとに合計と平均を計算していく。
百の位
- まず「2XX」となる数字を考えると(十の位が4通り、一の位が残り3通りあるから)4×3=12コある。同じように「4XX」「6XX」「8XX」もそれぞれ12コずつある
- とすると百の位の合計は24000(=200×12+400×12+600×12+800×12)
- 個数はぜんぶで48コ(=12×4)だから百の位の平均は500(=24000÷48)
十の位
- 「X2X」となる数字は(百の位が3通り、一の位が残り3通りあるから)3×3=9コある。同じように「X4X」「X6X」「X8X」もそれぞれ9コずつある。これと違って「X0X」だけは(百の位が4通り、一の位が3通りあるから)4×3=12コある
- とすると十の位の合計は1800(=20×9+40×9+60×9+80×9)
- 個数はぜんぶで48コ(=9×4+12)だから十の位の平均は37.5(=1800÷48)
一の位
- 「XX2」となる数字は(百の位が3通り、十の位が残り3通りあるから)3×3=9コある。同じように「XX4」「XX6」「XX8」もそれぞれ9コずつある。これと違って「XX0」だけは(百の位が4通り、一の位が3通りあるから)4×3=12コある
- とすると一の位の合計は180(=2×9+4×9+6×9+8×9)
- 個数はぜんぶで48コだから一の位の平均は3.75(=180÷48)
よってすべての数の平均は 500+37.5+3.75=541.25