以前の記事の続きです。
受験算数の定番問題で「犬が動ける範囲」というものがあります。
近年また出題例がふえてきている感があり、しかも犬の絵もリアルになってきているので今回取り上げました。
その1(桜美林2023帰国)
下の図のように、縦2m、横3mの長方形の形をした建物のかどに3mの長さのひもで犬がつながれています。この犬が動くことのできる範囲の面積は何㎡ですか。
次のように❶半径3mの四分の三円と❷半径1mの四分円とからなる図形だから
(3×3×¾+1×1×¼)×3.14=7×3.14=21.98㎡
その2(昭和女子大附属昭和2023C)
犬が3mのひもでつながれており、犬がつながれていない方の端を次の条件にあてはめるとき、犬が動くことのできる範囲の面積をそれぞれ求めなさい。ただし、犬の大きさとひもの太さは考えないこととし、柵の中に犬は入れないこととします。
⑴【図1】のように、1か所に固定する場合。
半径3mの円だから 3×3×3.14=28.26㎡
受験生正答率は小問⑴ 88.5%、小問⑵ 39.7%、小問⑶ 9.6%となっています(学校発表)
⑵【図2】のように、たて4m、横1mの長方形ABCDの形をした土地を柵で囲い、辺ABを2等分する点に固定する場合。
次のように❶半径3mの半円と❷半径1mの四分円×2とからなる図形だから
(3×3÷2+1×1÷4×2)×3.14=5×3.14=15.7㎡
⑶【図3】のように、たて4m、横1mの長方形ABCDの形をした土地を柵で囲い、辺AB上を自由に動けるようにする場合。
次のように❶半径3mの半円×2、❷半径2mの四分円×2、❸タテ4m×横3mの長方形からなる図形だから
(3×3÷2×2+2×2÷4×2)×3.14+4×3=11×3.14+12=46.54㎡
その3(普連土2023第2日)
広場に1辺3mの正三角形ABCの柵があり、1m間隔で杭が打たれています。杭に4mの長さのひもでイヌがつながれており、イヌは柵の内側には入れませんが、柵の外を自由に動き回ることができます。ただし、ひもの太さやイヌの大きさは考えないものとし、円周率は3.14とします。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ ひもが頂点Aの位置にある杭につながれているとき、イヌが動くことのできる範囲を解答欄の図にかきこみ、斜線をひきなさい。また、その範囲の面積を求めなさい。
次のように❶半径4mの円の300°分と❷半径1mの円の120°分×2とからなる図形だから
(4×4׳⁰⁰⁄₃₆₀+1×1×¹²⁰⁄₃₆₀×2)×3.14=14×3.14=43.96㎡
⑵ ひもが辺ABを3等分する点のうち、Aに近い点Pの位置にある杭につながれているとき、イヌが動くことのできる範囲を解答欄の図にかきこみ、斜線をひきなさい。また、その範囲の面積を求めなさい。ただし、答えは四捨五入して、小数第2位まで求めなさい。
次のように❶半径4mの半円、❷半径3mの円の120°分、❸半径2mの円の120°分からなる図形だから
(4×4÷2+3×3×⅓+2×2×⅓)×3.14=12⅓×3.14=38.7266…
より 38.73㎡