なんか癒される入試問題⑧(勇者の冒険) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

なんか癒される入試問題としてほかに次のようなものもあります。

 

  きよチュー(清心2019)

 

図1のようなアルファベットの表があります。きよチューは図2のようにMからスタートし、Aまで1秒ごとに1文字ずつ進んでいきます。Aまで進むと、1秒後にMにもどり、同じルートで再び1秒ごとに1文字ずつ進んでいきます。このとき、次の各問いに答えなさい。

⑴ 10秒後に、きよチューはどの文字にいますか。

 

右矢印 1秒後にL、2秒後にQ、…と数えていくと10秒後は K

 

⑵ 5回目にきよチューがSにくるのは何秒後ですか。

 

右矢印 きよチューは次の1と2の動きをくり返す

  1. MからSまで…5個のアルファベットがあるから①M→Sで4秒かかる
  2. SからMまで…まずSからAまで21個あるから、S→Aで20秒かかる。その後A→Mに1秒かかるから、あわせて②S→Mで21秒かかる
よって、5回めにSにくるまでに(植木算の考え方で)①が5回、②が4回あるから
 4×5+21×4=104秒
かかるから 104秒後

 

⑶ 2019秒後にきよチューはどの文字にいますか。

 

右矢印 1と2の動きであわせて25秒かかるから、きよチューは25秒ごとに同じ文字にくる

 2019÷25=80あまり19

より、2019秒後の場所は19秒後の場所と同じ

よって19秒後の場所を数えると J

 

 

  勇者の冒険(海城中2018)

 

これは、ある国のお城から魔王に連れ去られた姫を勇者が救いに行き、もとのお城まで連れて戻ってくる冒険の物語です。この国では格子状の道があり、行きは北か東のみ、帰りは南か西のみ動くことができます。
⑴ 第1の冒険
図のように街には川が流れており、橋を渡って通るしかありません。ただし、橋は1度通るとこわれてしまい、再び通ることができなくなります。このとき、勇者が姫を無事にお城まで連れて戻ってこられる方法は何通りありますか。

 

右矢印 勇者は必ず5つのどれかの橋を渡らないと姫のところには行けず、帰りもどれかの橋を渡らないと城に帰れない。とすると「橋は1度通るとこわれてしまい、再び通ることができなく」なるので行きと帰りで同じ橋を通らない行き方を考えることになる。これはぜんぶの行き方から行きも帰りも同じ橋を通る行き方を引くことで求められる。

 

❶まずぜんぶの行き方を考える。行きについて「→→→→↑↑↑」の並べ方を考えればよいから、7か所から↑をおく場所3か所を決める決め方で 7×6×5÷(3×2×1)=35通り。帰りも同じく35通り。これらは同時に起こるので 35×35=1225通り

❷橋5つに上のように番号をつけて考えると
  1. 行きも帰りも橋①を通る行き方…行きは橋まで行くのに4通り、橋から先が1通りなので、4×1=4通り → 行きも帰りも橋①を通る行き方は4×4=16通り
  2. 行きも帰りも橋②を通る行き方…行きに橋②を通る行き方は(橋までが3通り、橋から先が3通りで)3×3=9通り → 行きも帰りも橋②を通る行き方は9×9=81通り
  3. 行きも帰りも橋③を通る行き方…行きに橋③を通る行き方は3×3=9通り→行きも帰りも橋①を通る行き方は81通り
  4. 行きも帰りも橋④を通る行き方…行きに橋④を通る行き方は3×3=9通り→行きも帰りも橋①を通る行き方は81通り
  5. 行きも帰りも橋⑤を通る行き方…行きに橋⑤を通る行き方は1×4=4通り→行きも帰りも橋⑤を通る行き方は16通り

したがって、行き帰りとも同じ橋を通る行き方はぜんぶで275通り(上の1~5の合計)

 

よって、行きと帰りで違う橋を通る行き方は1225-275=950通り

 

⑵ 第2の冒険
第1の冒険を終えた後、姫は違う街に連れ去られてしまいました。この街で魔王は、勇者が道を1つ進むごとに、図のA、B、C地点を A→B→C→B→A→…の移動を繰り返しています。勇者がスタートするときには魔王はA地点にいます。したがって、勇者が道を5つ進んだときに、魔王はB地点にいることになります。 
勇者が魔王に出会わずに、姫を無事にお城まで連れて戻ってこられる方法は何通りありますか。

 

右矢印 魔王の動きを最初に確認しておくと(勇者が1つ進んだときを①、2つ進んだときを➁のように書くと)

 A→①B→➁C→③B→④A→⑤B→⑥C→⑦B→⑧A→⑨B→⑩C→⑪B→⑫A→…

 

となると勇者は行きは⑦Bと⑧Aをさけること、帰りは⑩Cと⑪Bをさけることが必要だから、行きの⑦→⑧→⑨では必ず青の道、帰りの⑨→⑩→⑪では必ず赤の道を通ることが必要となる。

 

  • 城から⑦の点までの行き方は「→→→→→↑↑」の並べ方で、7か所から↑をおく場所2か所を決める決め方なので 7×6÷2=21通り
  • ⑪の点から城までの行き方は「↓↓↓↓←←←」の並べ方で、7か所から←をおく場所3か所を決める決め方なので 7×6×5÷(3×2×1)=35通り
があるから、21×35=735通り 完了