テトリス③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

テトリスの形が立体図形として問題に出されることもあります。平面図形のときとは少し違う空間認識力が問われることになります。

たとえば次の問題。

 

  その1(芝国際2023サンプル問題)

 

図1のように白と黒に色がぬり分けられた体積が1㎤の立方体がそれぞれいくつかあります。これらをつなぎ合わせて、図2、図3のような立体を作りました。

⑴ 図2と図3のうち、大きい方の表面積を答えると▢㎠です。

 

右矢印 前後、左右、上下から見た面積は図2、図3とも同じ。となると内側にかくれている(左右からは見えない)面が2面ある図3の方が表面積は大きい

 

あとはお決まりの表面積の求め方を使って

  1. 前後…1㎠×3×2=6㎠
  2. 左右…1㎠×2×2=4㎠
  3. 上下…1㎠×5×2=10㎠
  4. 内側にかくれた部分(2面)…2㎠
の合計で22㎠

 

⑵ 同じ色の立方体がとなり合わないように、図2と図3の立体を1つずつ組み合わせて図4のような立体を作りました。
この立体の表面積は▢㎠です。

 

右矢印 図4の立体は、図2の立体と図3の立体とがそれぞれ2面ずつくっついた形だから、その表面積は

 図2の表面積+図3の表面積-2㎠×2

で求められる。

ここで図2の表面積は小問⑴の1.~3.の和なので 6+4+10=20㎠

よって、図4の立体の表面積は 20+22-4=38㎠

 

⑶ ⑵と同じきまりで、表面積が最も小さくなるような別の立体を考えたとき、その立体の表面積は▢㎠です。

 

右矢印 「表面積が最も小さくなる」ようにするには重なる面の数をできるだけ多くする。

同じ5個の立方体を使った立体でも形が違うので5面以上が重なることがないのはすぐわかるから、4面ずつ重なるような立体ができないかを考える。

 

すると(そのままのせると黒どうし、白どうしが重なってしまうが)図2の立体を裏表ひっくり返して、立方体2コの面が手前にくるように図3の立体に重ねると4面ずつ重なり、しかも「同じ色の立方体がとなり合わない」条件もみたす。このとき表面積は最小になる。

この立体の表面積は(図2の立体と図3の立体がそれぞれ4面ずつくっついた形なので)

 図2の立体の表面積+図3の立体の表面積-4㎠×2

で求められるから 20+22-8=34㎠

 

 

  その2(三田国際2021第2回)

 

図のような25個の正方形でできたます目があります。

立方体が組み合わさってできた次の①から④のような白いブロックと、⑤から⑧のような色のついたブロックがそれぞれ1つずつあり、ます目に合わせて積み重ねます。

ただし、ブロックの一部が浮くように置いたり、積んだりすることはできません。

 

⑴ ブロックを積んで南側と東側から見ると、次のように見えました。このとき、どのブロックを使っていますか。①から⑧からすべて選び、番号で答えなさい。

右矢印 いろいろ頭のなかで組み合せてみると ③と⑤

 

⑵ ⑴の後、さらにブロックを2つ積んだところ、次のように見えました。これを上から見ると、どのように見えますか。解答らんにかきなさい。ただし、色がついているブロックはそれがわかるようにすること。

右矢印 上の図のようになるのは、小問⑴の立体に⑧と➁のブロックを置いたとき。これを上から見ると次のようになる。

 

⑶ ⑵の後、さらに色のついたブロックを1つ置いたところ、次のように見えました。この次に白いブロックを1つ置いて上から見たとき、色のついた正方形より白い正方形の数のほうが多く見えるようにするには、どのブロックを使えばよいですか。番号で答えなさい。また、そのとき見える白い正方形と色のついた正方形の数はそれぞれいくつですか。

右矢印 少し考えるとこれは小問⑵の立体の上に⑦のブロックを置いた立体だとわかる。これを上から見るといま黒7個、白3個となっている。

ここに上のようにブロックをのせると、上から見たとき(黒3個が白3個に入れかわるから)黒4個、白6個となる。

 

ちなみに➁をのせても同じく黒4個、白6個がつくれます。また①を左に倒して180度回転させた形で使うと黒3個、白7個もつくれます。