食塩水2023 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年も続々と食塩水の問題が出されています。

たとえば次のような問題。

 

  (淑徳与野2023)

 

濃度の異なる食塩水Aと食塩水Bがあります。食塩水Aを200g、食塩水Bを200g取り出し、よくまぜたところ、5%の食塩水が400gできました。そこに水100gを加えてよくまぜたら、食塩水Aと同じ濃度になりました。食塩水A、Bの濃度はそれぞれ何%ですか。

 

右矢印 「5%の食塩水が400g」できたところに「水100gを加えてよくまぜたら、食塩水Aと同じ濃度に」なった。このとき食塩の量は400×5%=20g、食塩水全体の量は400+100=500gだから、食塩水Aの濃度は20÷500=0.04 より 4%

 

この4%の食塩水A200gと食塩水B200gをまぜると「5%の食塩水が400g」できた。同じ量の食塩水AとBをまぜると濃度は足して2で割ったものになるから、食塩水Bの濃度は 6%

 

 

  (函館ラ・サール2023)

 

濃さがわからない食塩水Aと、濃さが7%の食塩水Bと、濃さが12%の食塩水Cがあります。食塩水Bと食塩水Cを、重さの比が3 : 2になるように混ぜてできる食塩水をDとします。
食塩水Aについて、次のことがわかっています。
 •食塩水Aを150g捨ててから、水を150g加えて混ぜると、濃さが10%の食塩水ができます。
 •食塩水Aと食塩水Dを、重さの比が1:5になるように混ぜると、濃さが10%の食塩水ができます。
はじめの食塩水Aの重さは何gですか。

 

右矢印  「食塩水Aと食塩水Dを、重さの比が1:5になるように混ぜると、濃さが10%の食塩水」ができること、食塩水Dは「食塩水Bと食塩水Cを、重さの比が3 : 2になるように混ぜてできる食塩水」であることから、AとBとCを重さの比1:3:2で混ぜると濃さ10%になることがまずわかる。

またBの濃さ7%Cの濃さ12%もわかっているから、これを天びん図にすると

 

この天びん図のつり合いから 3×3=2×2+□×1 より □=5 とわかり、Aの濃さ15%がまずわかる。

 

またこの食塩水Aについて「食塩水Aを150g捨ててから、水を150g加えて混ぜると、濃さが10%」になる。この150gの入れかえで濃さは15%→10%と⅔倍になっているから、もとの重さの⅓の食塩水を水と入れかえたことがわかる。

よって、はじめの食塩水Aの重さは 150g÷⅓= 450g

 

 

  (西大和学園2023)

 

容器Aに濃度が16%の食塩水が150g入っています。容器Aに水を[あ]g加えて薄める予定でしたが、[あ]gの5倍の量の水を加えてしまったため、食塩水の濃度は予定していた濃度の半分になりました。ただし、[あ]には同じ数が入ります。

 

右矢印 あ=①とすると、予定していた食塩水の量は (150+①)g、実際にできたのは (150+⑤)g。濃度の計算をするときこれらが分母となるが、水を加えただけなので、含まれている食塩の量(分子にくる)は予定していたものと実際のものとで違いはない。

 

となると分母だけ考えればよく「食塩水の濃度は予定していた濃度の半分に」なった=実際にできた食塩水の量が予定していた食塩水の量の2倍になったということ。

よって 150+⑤=(150+①)×2  150+⑤=300+➁ より ①=50

となり[あ]=50

 

 

  (聖光学院2023帰国)

 

濃度が4%の食塩水Aが容器に入っています。この容器に濃度のわからない食塩水Bを100g入れてよくかき混ぜたところ、濃度は7%になりました。この容器に、さらに食塩水Bを100g入れてよくかき混ぜたところ、濃度は8%になりました。このとき、食塩水Bの濃度は何%ですか。

 

右矢印 まず2つの状況をそれぞれ天びん図にする。

  • 天びん1:食塩水A(濃度4%)と食塩水B(濃度7+□%)100gをまぜたら濃度7%になった様子
  • 天びん2:食塩水Aと食塩水B200gをまぜたら濃度8%になった様子

天びん2の腕を両方とも¾倍する(天びん2’)。これで天びん1と左側のモーメントが同じになった(赤の部分)

これとつりあう右側のモーメント(青の部分)も同じになるから

 100×□=200×¾×(□-1)より 100×□=150×□-150

よって□=3とわかり、Bの濃度は7+3=10% 完了