色のぬり分け④ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

立体を使った色のぬり分け問題として、次のような出題例もあります。

 

  ぬり分けに必要な色の数(桐蔭学園2018)

 

次の問いに答えなさい。
⑴ 【図1】のような立方体の6つの面に色をぬります。となり合った面は違う色でぬり分けるとき、最低何色必要ですか。

 

右矢印 サイコロ問題でよく使う図を使うとわかりやすい(底面をのぞく5面をまとめて考えることができる)。このように上から見た図で考えると、次のように3つの面が集まるところがあるのがよく分かる。

これを「となり合った面は違う色でぬり分ける」には(底面は上の面と同じ色でぬればいいので)最低3色が必要

 

⑵ 【図2】のように、立方体を2つつなげた立体の表面の10個の正方形を、となり合った面は違う色でぬり分けるとき、最低何色必要ですか。

 

右矢印 同じように上から見た図で考えると、3つの面が集まるところのぬり分けには3色が必要(黒丸)だが、4つの面が集まるところは2色でぬり分けられる(赤丸)。

底面は上の面と同じ色でぬればいいので、これも最低3色が必要

 

⑶ 【図3】のように、立方体を4つつなげた立体の表面の16個の正方形を、となり合った面は違う色でぬり分けるとき、最低何色必要ですか。また、ぬり分け方の例を、解答用紙の展開図に1つかきなさい。ただし、色の名前は1、2、3、…とします。


右矢印 これも最低3色。ぬり分け方の例として次のようなものがある。

 

 

  立方体の色のぬり分け(東京農大一中2020第2回)

 

図のような立方体のすべての表面に色を塗ります。ただし、隣り合う面は異なる色で塗り、回転させて同じになるものは1通りと数えます。

⑴ 赤、青、緑の3色すべてを使って塗る塗り方は、何通りありますか。

 

右矢印 3色だと向かい合う上下、前後、左右を同じ色で塗ることになる。これは1通りだけ

 

⑵ 赤、青、緑、黄の4色すべてを使って塗る塗り方は、何通りありますか。

 

右矢印 上下を同じ色アで塗るとする。

このとき残り3色しかないから、横(前後左右)の面は向かい合う面2組のうち1組だけを同じ色イで塗ることになる。

残った2色で残った2面を塗ることになるが、これは上下ひっくり返すと同じになる「じゅず順列」だから1通り。

 

よって、2面ずつ塗る色2色を選ぶ選び方(アとイの決め方)となるから

 4×3÷2=6通り

 

⑶ 赤、青、緑、黄、黒の5色すべてを使って塗る塗り方は、何通りありますか。

 

右矢印 前回記事で見たとおり、上下で5通り、横で3通りの塗り方があるから 5×3=15通り
 

 

  正六角柱の色のぬりわけ(大阪星光学院2019)

 

右の図の正六角柱の8つの面を、8色の絵の具のうちの何色かを使って塗ることを考えます。隣り合う面は異なる色を使い、また回転したりひっくり返したりして同じ塗り方になるものは同じとみなします。このとき、8色すべてを使って塗る方法は▢通りあり、8色から異なる3色を選んで塗る方法は▢通りあります。

 

❶8色すべてを使って塗る方法

  1. まず上下を塗るのに8色から2色を選ぶから 8×7÷2=28通り
  2. 横の面6面を残り6色でぬることになるが、ふつうの横一列だと6×5×4×3×2×1=720通りとなるところ、6色の円順列となっているから÷6して120通り

よって 28×120=3360通り

 

❷8色から異なる3色を選んで塗る方法

横の面を塗り分けるには最低2色が必要。なので3色を選んだとき、上下の面は残った1色に自動的に決まることを考えると

  1. 使う3色の選び方が8×7×6÷(3×2×1)=56通り
  2. ここから上下をぬる1色をどれにするかで3通りあり、横の面は残り2色が交互に並ぶ円順列で1通りに決まるから、3×1=3通り

 よって 56×3=168通り 完了