以前の記事の続きです。
「タイル並べ」や「タイル敷き詰め」などとよばれる問題があり、そのなかでテトリスのような形のタイルを使ったものが出てくることがあります。
たとえば次の問題。小問⑶はこれ単独で出されるとかなりの難問なので小問⑴⑵の誘導がついていますが、誘導がなくてもこの発想ができるようになっておきたいところです。
右の図のような2種類の形のタイルAとBが沢山あります。それぞれのタイルは、1辺の長さが2㎝の正方形が3枚または4枚つながったものです。
タイルをすきまのないように、またタイル同士が重ならないように並べるとき、次の問いに答えなさい。ただし、タイルの向きは、どの向きでもかまいません。(青陵中2019第2回)
⑴ たて80㎝、横1.2mの長方形の床に、タイルAを1種類だけ並べていきます。タイルAは何枚必要になりますか。
タイルAをつぎのように2枚くっつけると、この2枚1組でたて4㎝、横6㎝の長方形になる。
これをたてに20組、横に20組並べればよいので
2×20×20=800枚
⑵ タイルBの1種類だけを並べて、一辺が1m以上の正方形を作ります。このとき、タイルBは最低でも何枚必要になりますか。
タイルBをつぎのように4枚くっつけると、この4枚1組でたて8㎝、横8㎝の正方形になる。
100÷8=12あまり4より、これをたてに13組、横に13組並べたときはじめて100㎝を超えるから
4×13×13=676枚
⑶ たて1.2m、横1mの長方形の床に、タイルAとBの2種類を並べていきます。タイルの枚数をできるだけ少なくするには、タイルAとBはそれぞれ何枚ずつ必要になりますか。
「タイルの枚数をできるだけ少なくする」ためには、1枚が大きいタイルBの方をできるだけ多く使うこととなる。
そしてタイルBは小問⑵で求めたように4枚1組にすると8㎝×8㎝の正方形として使えるから、この正方形を最初にできるだけ多く使うことを考える。
正方形が使えるところ
「たて1.2m」なので、120㎝÷8㎝=15(あまり0)より、たて方向にこの正方形をちょうど15組並べることができる。また「横1m」なので、100÷8=12あまり4より、横方向にはこの正方形を最高12組並べることができる。このようにまずタイルBを720枚(=4枚×15×12)使うことになる。
正方形が使えないところ
こうして720枚のタイルBを左から並べていったとき、右端にはたて1.2m×横4㎝の細長いすきまが残る。これをタイルAとBで(できるだけタイルBを多く使って)うめることを考える。
- まず横が4㎝なので、タイルBはタテにして使う必要がある。
- またタイルBには凸部分があるため、これをタテに互い違いにつなげていくときでも、全体を長方形にするには必ずその最初と最後はタイルAをくっつけて使う必要がある。
この①か②のどちらか一方で120㎝ちょうどにすることはできない(タイルAを2枚使った並べ方はない)が、①と②を組み合わせると120㎝ちょうどにできる(たとえば①114㎝と②6㎝、①10㎝と②110㎝など)。このときタイルAを4枚、タイルBを27枚使うこととなる。
以上より、タイルAを4枚、タイルBを747枚使う