以前の記事の続きです。
今年の入試問題で出された仕事算を今回取り上げます。
その1(北嶺2023)
ある仕事を仕上げるのにA一人では12日間、B一人では18日間、C一人では24日間かかります。この仕事をAとBの二人で6日間したあとで、残りをC一人で仕上げました。C一人で仕事をしたのは何日間ですか。
ここでは最小公倍数を使う方法で統一します。
仕事の全体量を72とすると、Aの1日当たり仕事量は6、Bは4、Cは3。
はじめに「仕事をAとBの二人で6日間した」ので (6+4)×6=60 より、残りの仕事量は 72-60=12
これをC一人で仕上げると 12÷3=4日間 かかる
その2(愛光2023)
A君、B君、C君がある仕事をします。A君がこの仕事を1人で仕上げるとちょうど36日かかります。この仕事を、最初11日間はA君1人でやり、残りをA君とB君の2人でやるとちょうど10日かかりました。この仕事をB君1人で仕上げると[①]日かかります。また、この仕事をA君、B君、C君の3人で仕上げるとちょうど8日かかります。この仕事をC君1人で仕上げると[②]日かかります。
A君の1日当たり仕事量を1とすると全体の仕事量は36
- 「この仕事を、最初11日間はA君1人で」やったので残りは 36-1×11=25
- 「残りをA君とB君の2人でやるとちょうど10日」かかるから(A君の10日分の仕事量は10なので)B君の10日分の仕事量は25-10=15がわかり、B君の1日当たり仕事量は1.5
[①]…この仕事をB君1人で仕上げると 36÷1.5=24日 かかる
[②]…「A君、B君、C君の3人で仕上げるとちょうど8日」かかるから、3人合わせた1日当たり仕事量は36÷8=4.5
このうちA君の1日当たり仕事量は1、B君が1.5だから、C君は 4.5-(1+1.5)=2
よってC君1人で仕上げると 36÷2=18日 かかる
その3(洛星2023)
Aさん、Bさん、Cさんが草刈りをします。AさんとBさんの2人で草刈りをすると、ちょうど8日で草刈りが終わります。Bさんがちょうど5日、Cさんがちょうど6日草刈りをすると草刈りが終わります。また、Cさんが1人で草刈りをすると、ちょうど8日で草刈りが終わります。Bさんが1人で草刈りをすると、ちょうど日で草刈りが終わり、Aさん、Bさん、Cさんの3人で草刈りをすると、ちょうど日で草刈りが終わります。
文章を論理的に読み解けば解けるというおもしろい問題です。
…「Bさんがちょうど5日、Cさんがちょうど6日草刈りをすると草刈りが終わり」「Cさんが1人で草刈りをすると、ちょうど8日」 で終わる。この2つを比べると(Cさんが草刈りをした日数に注目すると)Cさんの2日分の草刈り量とBさんの5日分の草刈り量が同じとわかる。
よって、Cさん1人で8日かかる全体量なので、Bさんが1人で草刈りをするとちょうど 5日×4=20日 で終わる
…「AさんとBさんの2人で草刈りをすると、ちょうど8日」「Cさんが1人で草刈りをすると、ちょうど8日」で終わるから(A+B=Cとなっているから)、Aさん、Bさん、Cさんの3人で草刈りをすると(Cさん1人でしたときの半分で終わるから)ちょうど 4日 で終わる
その4(甲陽学院2023)
ある仕事を毎日休みなく1人で行うとするとこの仕事を終えるのにAはちょうど90日かかり、Bはちょうど120日かかります。この仕事をAとBの2人で行いますが、Aは3日仕事を行って1日休むことをくり返し、Bは4日仕事を行って1日休むことをくり返します。1日目から3日目はAとBが2人とも仕事を行って、4日目はBだけが仕事を行いました。この仕事が終わるのは□日目です。
このタイプの問題では、まずはざっくりと何日目ぐらいに仕事が終わるか見当をつけ、そのあと正確に計算するのが早くて確実(検算も兼ねているため)です。
仕事全体を360とすると、Aの1日当たり仕事量は4、Bは3
ここで「Aは3日仕事を行って1日休む」「Bは4日仕事を行って1日休む」から、実際の仕事量は
A…4×¾=3 B…3×⅘=2.4
と考えることができる。ここから、この2人が一緒にこの仕事をすると
360÷(3+2.4)=66.66…
より、ざっと66日かかる。
ひとまずこの66日を基準に使って、実際この66日間でどれだけの仕事が終わっているか計算すると
- A…66÷4=16あまり2 より、Aは16日休むから、実際の仕事量は 4×50日=200
- B…66÷5=13あまり1 より、Bは13日休むから、実際の仕事量は 3×53日=159
ここから66日間で合計359の仕事が終わること(あと必要な仕事量は1)、67日目は2人とも仕事を行う日であることがわかるから、この仕事が終わるのは67日目