コラッツ予想⑤ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

こちらも今年出された「コラッツ予想」の出題例となります。

 

  その1(駒場東邦2023)

 

1より大きい整数Nについて以下の操作を考えます。
 • Nが偶数のときNを2でわる
 • Nが奇数のときNを3倍して1をたす
この操作を1ステップとし、整数が1になるまでこのステップをくり返します。例えば、5は
  5→16→8→4→2→1
となるので、5ステップで1になります。
7ステップで1になる整数をすべて答えなさい。

 

右矢印 逆から考える

 ①2倍する、②1を引いて3で割る

という逆の操作を1からしていくと

  • 1、2、4、8は①の操作しかできない
  • 16ではじめて①②ができるから枝分かれする
               

というようにしらべていくと次の図ができる。

よって 3、20、21、128

 

 

  その2(江戸川女子2023第3回)

 

整数Aに次の【ルール】をくり返し適用していきます。

【ルール】Aが偶数のときはA÷2,  Aが奇数のときは3×A+1

例えば、この【ルール】を12に2回適用すると、12→6→3、11に2回適用すると、11→34→17となります。このとき、8にこの【ルール】を100回適用すると▢になります。

 

右矢印 最初の6回を書いてみると

となり、適用する回数が

  • (1回、4回など)3で割ると1あまる回数なら4
  • (2回、5回など)3で割ると2あまる回数なら2
  • (3回、6回など)3で割り切れる回数なら1

と周期3でくり返すのがわかる。

よって100回適用すると

 100÷3=33あまり1 だから 4

 

 

  その3(立命館宇治2023)

 

2以上の整数について、次の「計算ルール」が定められているとします。この「計算ルール」にしたがって計算し、答えが1にならなければ、その答えの整数に対して、再びこの「計算ルール」にしたがって計算します。答えが1になれば計算をやめます。

              「計算ルール」
 • その整数が4で割り切れるときは、その整数を4で割ったときの商を答えとする。
 • その整数を4で割ったときの余りが2になるときは、その整数に2を加えたものを答えとする。
 • その整数を4で割ったときの余りが1または3になるときは、その整数に1を加えたものを答えとする。

たとえば、整数5をこの「計算ルール」にしたがって計算すると、その答えは、
   5→6→8→2→4→1
のように、5回の計算で1になります。このような計算をするとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 整数23は、何回の計算で答えが1になりますか。計算の回数を求めなさい。

 

右矢印 順にルールどおりやっていくと次のようになるから 6回

 

⑵ 3回の計算で答えが1になる整数をすべて求めなさい。

 

右矢印 逆の操作を1からしていく。
いまのルールをまとめると

なので、その逆となると

  • 原則として ①「×4」した数、②「-2」した数、③「-1」した数の3つを考える
  • ただしすでに出てきた数(や1以下)になるときはその逆操作はしない

ということをしていくと次のようになる。

よって 8,12,14,15,64

 

⑶ 4回の計算で答えが1になる整数はいくつあるか求めなさい。

 

右矢印 小問⑵の続きを同じようにしらべる。

  • 原則として ①「×4」した数、②「-2」した数、③「-1」した数の3つを考える
  • ただしすでに出てきた数になるときはその逆操作はしない

そうすると次の図になる。

 
よって6,7,10,11,13,32,48,56,60,62,63,256の12個 完了