以前の記事の続きです。
今年出された相当算の出題例の第8弾です。
旅行の費用(市邨中2023B)
太朗くんは旅行を計画し、旅行にかかる費用を考えました。旅行にかかる費用のうち⅔が交通費の予定でした。実際に旅行に行ったところ、交通費は予定していた費用の⅞ですみましたが、交通費以外で予定より1300円多くかかったので、旅行前に考えた費用と同じ金額で旅行をすることができました。旅行にかかった費用はいくらでしたか。
旅行前に考えた費用=旅行にかかった費用を㉔(分母の3と8の最小公倍数24より)とする。
- 「旅行にかかる費用のうち⅔が交通費の予定」だった→予定していた交通費は⑯(=㉔×⅔)
- 実際には「交通費は予定していた費用の⅞」ですんだ→実際の交通費は⑭(=⑯×⅞)
- 「交通費以外で予定より1300円多くかかったので、旅行前に考えた費用と同じ金額」になった→交通費が安くなった分②と交通費以外で高くなった分1300円が同じだから②=1300円
よって旅行にかかった費用㉔は
1300÷2×24=15600円
水の移しかえ(筑波大学付属2023)
直方体の形をした2つの容器A、Bにそれぞれ水が入っています。このとき、2つの容器A、Bに入っている水の高さの比は7:3でした。容器Aに入っている水の量の⅐を容器Bへ移したところ、容器Aの水の高さは、容器Bの水の高さより3.0cm高くなりました。次に、容器Aに入っている水の量の½を容器Bへ移したところ、容器Bの水の高さは、容器Aの水の高さより1.2cm高くなりました。はじめに容器Aに入っていた水の高さは何cmですか。
はじめに容器Aに⑦の水が入っていたとする。
- まず「容器Aに入っている水の量の⅐を容器Bへ」移すと容器Aの水の量は⑦→⑥になる。これにより「容器Aの水の高さは、容器Bの水の高さより3.0cm高く」なった。
- ここから「容器Aに入っている水の量の½を容器Bへ」移すと容器Aの水の量は⑥→③になりAからBに③の水が移る。これにより「容器Bの水の高さは、容器Aの水の高さより1.2cm高く」なった
- つまりAからBに③の水を移すと容器Bの水の高さは容器Aより4.2㎝高くなった(容器Aより3.0㎝下だったのが逆に容器Aより1.2㎝高くなったから)。これはAからBに①の水を移すと容器Bの水の高さは容器Aより1.4㎝高くなるということ
- ここで1にもどると、容器Aの水量を⑦→⑥にしたとき容器Aの水の高さは容器Bより3.0㎝高かったのだから、容器Aが水量⑦だった最初の状態では水の高さは容器Bより4.4㎝高かったとわかる
- そして「2つの容器A、Bに入っている水の高さの比は7:3」だったから、この差4が4.4㎝なので 1=1.1㎝。つまりはじめに容器A、Bに入っていた水の高さは7.7㎝と3.3㎝だった
よってはじめに容器Aに入っていた水の高さは 7.7㎝
4つの比(淑徳2023)
ある中学校の運動会では緑組、黄組、赤組、青組の4つの組に分かれます。各組の2年生の人数の比はこの順番に17:19: 20:16で、3年生の人数の比は6:5:6:7です。3年生全体の人数は2年生全体の人数よりも48人多いです。また、黄組の2年生と3年生は合わせて78人います。4つの組の人数が等しくなるように1年生180人を加えるとき、赤組に入る1年生は何人ですか。
「緑組、黄組、赤組、青組…の2年生の人数の比はこの順番に17:19: 20:16で、3年生の人数の比は6:5:6:7」より2年生の黄組の人数を(19×〇)人、3年生の黄組の人数を(5×▢)人とする。
このとき「黄組の2年生と3年生は合わせて78人」だから
19×〇+5×▢=78
となるがこれをみたす整数は (〇、▢)=(2、8) だけ。
したがって
- 2年生の人数は「17:19: 20:16」をすべて2倍したもの→ (緑、黄、赤、青)=(34,38,40,32) の合計144人
- 3年生の人数は「6:5:6:7」をすべて8倍したもの→ (緑、黄、赤、青)=(48、40、48、56) の合計192人
と決まる。
ここに「1年生180人」を加えると全校生徒は516人(=180+144+192)となるから「4つの組の人数が等しくなるように」すると赤組の人数は 516÷4=129人となる。
よって赤組に入る1年生は
129-40-48=41人