図形の一行問題⑫ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年の入試問題より平面図形の一行問題の第12弾です。
 

  ❶三角形の周の長さ(昭和学院2023)

 

次の三角形ABCは辺BCと辺DEが平行であり、同じ記号の角がそれぞれ同じ大きさです。このとき、三角形ADEの周の長さを求めなさい。

 

右矢印 角Bを二等分する線と角Cを二等分する線(と辺DE)が交わる点をFとすると

  1. 角DFBは●(角CBFの錯角)だから△DBFは二等辺三角形なのでDF=DB
  2. 角EFCは×(角BCFの錯角)だから△EFCは二等辺三角形なのでEF=EC

よって三角形ADEの周の長さは

 AD+DF+FE+DE=AB+AC=5.7+4.6=10.3㎝ 

 

 

  ❷半円と角度(立命館守山2023B2)

 

次の図で、点Oを中心とする半円の円周上に、曲線ACを2等分する点Bと曲線CFを3等分する点D、Eがあります。このとき、角㋐の大きさは何度ですか。

 

右矢印 CとEから補助線COとEOを引くと

  • 角BOC=㋐で
  • 角COD=角DOE=角EOF=㋑とする

このとき ㋐×2+㋑×3=180°…①

また㋐+㋑=73°だからこれを2倍して

 ㋐×2+㋑×2=146°…②

よって①②より㋑=180-146=34°だから

 ㋐=73-34=39度

 

 

  ❸三角すいの表面積(跡見学園2023特待第2回)

 

下の図は1辺10cmの立方体で、AB=AC=5cmです。3点B、C、Dを通る平面で切ったときにできる三角すいA-BCDの表面積は何㎠ですか。

 

右矢印 バラバラに計算しようとすると△ABC、△ABD、△ACDの面積は簡単に出せるが最後の△BCDの面積がどうしても出せない。

 

そこで三角すいA-BCDは例の「特別な三角すい」だと気づけばAB、AC、ADを切って広げるとADの長さを1辺とする正方形になるのがわかる。

よってその表面積は 10×10=100㎠

 

 

  ❹正方形と面積(洗足学園2023第3回)

 

下の図の点線は正方形のそれぞれの辺の真ん中の点を結んでいます。このとき色のついた部分の面積は正方形全体の面積の何倍ですか。

 

右矢印 下図の赤の直角三角形に注目する。真ん中に補助線を1本引いて、3つにわかれた部分を上からア、イ、ウとする。

 

ここでアの面積を①とすると

  • イはアと底辺の長さ、高さとも同じ三角形だからイの面積も①
  • ウはイと合同な三角形なのでウの面積も①
  • とすると赤の直角三角形の面積は③。また正方形の面積はこの直角三角形4つ分だから

そして色のついている部分、色のついていない部分とも正方形の対角線を軸として線対称な図形だから

  • 色のついていない部分の面積は ア×4+イ×2+ウ×2=⑧
  • 色のついた部分の面積は⑫-⑧=④

よって色のついた部分の面積④は正方形の面積⑫の⅓倍 完了