以前の記事の続きです。
受験算数で使われる最強技なのにどうも名前がさえない代表例として「つけたし(付け足し)」を前回あげましたが、似たような例として「調べ上げ」があります。
「調べ上げ」とは地道に調べ上げること(そのまんま)。数学になるとなぜか「数え上げ」と名前が変わったりします。場合の数で使われるほか、数や図形の個数問題、規則性の問題などで使われることもあります。
「調べ上げ」で答えをだそうとするとどうしても時間がかかってしまうので、計算で解く解法をマスターしたらこれに切り替えていくことになるのですが、なかには「調べ上げ」で解くしかないような問題もあり(そういう問題を好んで出す学校もあり)、残念すぎる名前とは裏腹にやはり有用なテクニックと言えます。
たとえば次の問題。
1個のさいころをくり返し投げて、同じ目が2回続けて出たら投げるのをやめます。このとき、出た目の合計を得点とします。
① 得点が6点となる目の出方は何通りありますか。
② 得点が8点となる目の出方は何通りありますか。
(四天王寺中2022)
問題文も短めで、一見簡単そうですが、実はそうでもないという問題です。
「調べ上げ」で地道に、数え落としがないよう慎重に解いていくしかありません。
① 得点が6点となる目の出方
「同じ目が2回続けて出たら投げるのをやめます」=同じ目が2回続かないと終わらないので、最後の2回を基準に考える。
終わりが1と1、2と2、3と3となる3パターンが考えられるが、調べやすさの点から大きい方から考える。
❶3と3で終わる…これで合計6点。そのまま1通り。
❷2と2で終わる…あと2点必要だが、その組合せは1と1しかなく、これはなし。
❸1と1で終わる…あと4点必要。その組合せは4が1回出るか、1と3の順に出るか(逆はNG)の2通り。
以上の合計3通り
② 得点が8点となる目の出方
最後の2回として、❶4と4、❷3と3、❸2と2、❹1と1の4パターンが考えられる。
❶4と4…これで合計8点。そのまま1通り。
❷3と3…あと2点必要。それには2が1回出るしかなく1通り。
❸2と2…あと4点必要。その組合せは、㋐1回で4、㋑2回合計で4、㋒3回合計で4、㋓4回合計で4の4パターンが考えられる。
㋐1回で4…1通り。
㋑2回合計で4…1→3、3→1の2通り。
㋒3回合計で4…1→2→1の1通り。
㋓4回合計で4は(1が続くので)なし。
これらの合計で4通り
❹1と1…あと6点必要。
㋐1回で6…1通り。
㋑2回合計で6…1→5、2→4、4→2の3通り。
㋒3回合計で6…1→2→3、1→3→2、2→1→3、3→1→2の4通り。
㋓4回合計で6…1→2→1→2の1通り。
㋔5回か6回の合計で6は(1が続くので)なし。
これらの合計で9通り
以上の合計15通り