学習教材に使わないのはもったいない入試問題(整数の個数) | 受験算数はきょうもおもしろい

昨日に続き「整数の個数」がテーマです。

 

考えさせる問題の出題が増える流れのなか、そのまま学習教材として使えそうな入試問題もあります。たとえば次の問題では、昨日の記事では9進法や8進法を使って対応した問題ほぼそのまま(ケタ数が違うだけ)を、場合の数として解く解き方について美しく解説されており、これを学習教材に使わないのはもったいなさすぎ(現役中学教師が模範解答として示した信頼できる解法なので)と考え、紹介させていただきます。

 

ちなみに3問すべて今年の出題であり、いま「旬」の問題の一つと考えられ、来年以降も狙われやすいテーマとして十分対策しておきたいところです。

3桁の整数について、次の各問いに答えなさい。(共立女子中2022)
①234や987などの「1が使われていない整数」は、
 百の位の数は2~9の8通り、
 十の位の数は0、2~9の9通り、
 一の位の数は0、2~9の9通り
が考えられます。1が使われていない整数は何個ありますか。

右矢印 これらは同時に起こるので、積の法則より 8×9×9=648個

 

②3桁の整数は全部で[あ]個あるので、123や311などの「1が使われている整数」は[い]個あります。

右矢印 3桁の整数は100から999までの900個。ここから小問①で求めた「1が使われていない整数」648個を引くと、「1が使われている整数」は252個

 

③345や987などの「1と2が使われていない整数」は、
 百の位の数は3~9の7通り、
 十の位の数は0、3~9の8通り、
 一の位の数は0、3~9の8通り
が考えられます。1と2が使われていない整数は[う]個あります。

右矢印 これらは同時に起こるので、積の法則より 7×8×8=448個

 

④1と2が使われていない整数は[う]個、「1が使われている整数」は[い]個、「2が使われている整数」は[え]個あるので、「1と2が使われている整数」は[お]個あります。

右矢印 以上をまとめると「1と2が使われていない整数」は448個、「1が使われている整数」は252個、「2が使われている整数」は252個あるので、ベン図をイメージしながら式にすると

 (252+252)-[お]+448=900  より[お]=52個

 

 

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