前回の記事の続きです。
整数の個数を求める問題のなかにも、N進法の考え方を使うことですっきりと正解できるものがあります。
たとえば次の問題。
整数の個数①(清風南海中2022)
どこかの位に少なくとも1つ3がある整数を考えます。
① 1から100までの中に、このような整数は何個ありますか。
② 1から1000までの中に、このような整数は何個ありますか。
① 3を使わない9進法の100を考える。これは十進法に直すと、一番左が9×9=81の位なので、81×1=81。これと十進法100との差19個が3を使った整数の個数。
② 3を使わない9進法の1000を考える。これは十進法に直すと、一番左が9×9×9=729の位なので、729×1=729。これと十進法1000との差271個が3を使った整数の個数。
整数の個数②(高槻中2022)
0⃣から9⃣の整数が書かれたカードがたくさんあります。このカードを使ってできる1⃣0⃣0⃣0⃣~9⃣9⃣9⃣9⃣の4けたの整数があります。次の問いに答えなさい。
⑴ 1⃣が使われていない整数は何個あるか求めなさい。
まず❶1~1000に「1⃣が使われていない整数は何個あるか」を求め、つぎに❷1~10000に何個あるかを求めて、❷から❶を引く(なお、これだと1000が重なるが、いずれにせよ1000は「1⃣が使われていない整数」ではないので影響はない)。
❶1~1000に「1⃣が使われていない整数」は、1を使わない9進法1000を考えて、前の問題と同じく729コある。
❷1~10000については、1を使わない9進法10000を考えて、一番左が9×9×9×9=6561の位なので、6561×1=6561コある。
❷から❶を引くと 6561-729=5832個
⑵ 1⃣がちょうど2枚使われている整数は何個あるか求めなさい。
誘導にのる形で、❶1⃣を1枚使う整数、❷1⃣を3枚使う整数、❸1⃣を4枚使う整数、❹1⃣を使わない整数(小問⑴で求めた)の個数をそれぞれ求め、全体から引く。
❶1⃣が1枚使われている整数は次のとおり2673コ。
1⃣が千の位にあるとき…残りのケタは1以外ならOKなので 9×9×9=729コ。
1⃣が百、十、一の位にあるとき…千の位に0は入らないので 8×9×9×3=1944コ。
❷1⃣が3枚使われている整数は9×4-1=35コ。1⃣が入らない位は0~9が使えるが、千の位だけは0も使えないので1引く。
❸1⃣が4枚使われている整数は1コだけ。
❹1⃣が使われない整数は小問⑴で求めた5832コ。
全体から❶❷❸❹を引いたものが「1⃣がちょうど2枚使われている整数」だから
9000-(2673+35+1)-5832=459個
⑶ 1⃣と2⃣の片方または両方が使われている整数は何個あるか求めなさい。ただし、1⃣と2⃣は何枚使ってもかまいません。
「1⃣も2⃣も使わない整数」をまず求め、これを全体から引くことで「1⃣と2⃣の片方または両方が使われている整数」が出せる。
❶1~1000にある「1⃣も2⃣も使わない整数」について、1と2を使わない8進法1000を考える。これは十進法に直すと、一番左が8×8×8=512の位なので、512×1=512コある。
❷1~10000についても、8進法10000を考えて、一番左が8×8×8×8=4096の位なので、4096×1=4096コ。
❷から❶を引く(十進法だと1000が重なるが8進法だと重ならないこと小問⑴と同じ)と3584コ。これを全体から引くと
9000-3584=5416個