N進法をきわめる(メダル交換) | 受験算数はきょうもおもしろい

前回の記事の続きです。

 

ときには一つの問題のなかで2つ以上のN進法を一緒に扱うものが出されることもあります。次のような問題です。

 

赤、白、黄、青、銅、銀、金の7色のメダルがあります。AさんとBさんは赤色のメダルを取るゲームをします。取ったメダルは次の規則にしたがって、必ず交換します。ただし、2人が最初に持っているメダルの枚数はともに0枚とします。(四天王寺中2022)

① 1人の人が赤色のメダルを37枚取ったとき、交換した後に持っているメダルの枚数は全部で何枚ですか。

 

赤色のメダルがいちばん小さい単位であることがまず読み取れます。

そして赤→白→黄→青はそれぞれメダル2枚で1枚に交換できる=2集まるとケタが一つ上がるので2進法、青→銅→銀→金はそれぞれメダル3枚で1枚に交換できる=3集まるとケタが一つ上がるので3進法となっています。

 

右矢印 この「赤色のメダルを取るゲーム」では、赤を1の位、白を2の位、黄を4の位、青を8の位(ここまでが2進法、ここからが3進法)、銅を24の位、銀を72の位、金を216の位とする変則N進法が使われている。

そこで赤色のメダル37枚を十進法37として、すだれ算によりこの変則N進法に直すと11101となる(割る数が途中から2→3に変わることに注意)

この「1」が持っているメダル1枚にあたるので、銅、青、黄、赤のメダルを各1枚持っていることがわかり、全部で 4枚

 

 

② 1人の人が取ったメダルを金色のメダルに交換するには、赤色のメダルを何枚以上取ればいいですか。

 

右矢印 上記のとおり金は216の位(2×2×2×3×3×3)なので216枚以上

 

 

③ AさんはBさんよりも赤色のメダルを118枚多く取りました。AさんとBさんがそれぞれ交換した後に持っているメダルは3枚ずつで、6枚のメダルの色はすべて異なり、赤色のメダルはありませんでした。Aさんが持っている3枚のメダルの色は何色ですか。

 

右矢印 「6枚のメダルの色はすべて異なり、赤色のメダルはありませんでした」より、6枚のメダルは金、銀、銅、青、黄、白が各1枚とわかる。

それぞれのメダルは、赤メダルの枚数にすると、金が216枚、銀が72枚、銅が24枚、青が8枚、黄が4枚、白が2枚なので、ぜんぶで赤メダル326枚分。

 

ここで「AさんはBさんよりも赤色のメダルを118枚多く」取ったことから、Aさんが取った赤メダルは  (326-118)÷2+118=222枚。これを変則N進法にすると1000110

ここで1があるケタは216の位、4の位、2の位なので、これに対応するメダルは金、黄、白

 

が答えとなりますが、計算を使わない次の考え方の方がわかりやすく、計算ミスも起きにくいかもしれません。

別解

それぞれのメダルがA、Bどちらにあるかを大きいメダルから順に決めていく。

AさんはBさんよりも赤色のメダルを118枚多く」取ったことから、最大の金(赤で216枚)はAが、次に大きい銀(赤72枚)はBが持っていると決まる(この時点でAとBの差は144枚)

さらに144→118に向けて差を縮めるには、銅(赤24枚)はBが持っていることが必要(この時点で差は120枚)

118まであと2枚の差をうめるには、残った青(赤8枚)をBが、黄(赤4枚)と白(赤2枚)をAが取ればぴったり合う。「交換した後に持っているメダルは3枚ずつ」との条件にも合っている。

よって「Aさんが持っている3枚のメダルの色」は 金、黄、白 完了