入試問題で好んで出される立体図形も時代によって変化しており、時代ごとのトレンドがあるように感じます。もしかしたらいま最もクールな立体図形は次のようなものかもしれません。
「図1のように、1辺の長さが1㎝の立方体を6個組み合わせて立体Aを、5個組み合わせて立体Bを、4個組み合わせて立体Cを作ります。さらに、作った立体をラップで包んでできる立体を考えます。ただし、ラップはへこみがなく体積が最も小さくなるように包むものとします。図2は立体Aを、図3は立体Bをそれぞれラップで包んだ立体です。
(1)図2の立体の体積は何㎤ですか。
(2)図3の立体の体積は何㎤ですか。
(3)立体Cをラップで包んだ立体の体積は何㎤ですか。」
(芝浦工大柏2022)
なんだか複雑そうな立体図形もあるが、じっくり見ているうちに気づくのは、積み木的に見ると、立方体、三角柱、三角すい、四角すいの4種類の積み木しか出てこない。
それぞれの体積を先に計算しておくと
立方体…1×1×1=1㎤
三角柱… (底面積)×(高さ) = (1×1÷2)×1= ½㎤
三角すい… (底面積)×(高さ)×⅓ = (1×1÷2)×1×⅓ = ⅙㎠
四角すい… (底面積)×(高さ)×⅓ = (1×1)×1×⅓ = ⅓㎠
(1)図2の立体の体積は何㎤ですか。
立方体が6コ、三角柱が2コあるので 7㎤
(2)図3の立体の体積は何㎤ですか。
立方体が5コ、三角柱が5コ(上段3+下段2)、三角すいが2コあるので
5 + 2½ + ⅓ = 7 ⅚㎠
(3)立体Cをラップで包んだ立体の体積は何㎤ですか。
立方体が4コ、三角柱が2コ(上段1+下段1)、四角すいが2コあるので
4 + 1 + ⅔ = 5 ⅔㎠
これと同じようなドーム型の立体図形は昨年も他校で出題されております。なるほど近未来的でちょっとイケてるし、問題集でもまだあまり見かけない形なので現場で考えさせる問題としても適してそうで(複雑な問題もいくらでも作れそうだし)、もしかしたら入試問題に少しずつ取り上げられるようになっていくのかもしれません。