★  元H専務の葬儀(SF)



★                 星 あゆむ


2002/12


★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


 


H専務の葬儀会場に向かうタクシーのなかで、


 


右近>


「長い南米赴任ご苦労さん。もう六年になるか。君が南米に行く時の部


長だったからな。」


 


左近>


「そうなんです、三年前に一度帰国した時にお会いしているのですが、、。なにせ私の仕事は洞窟の生物を探すことですから。生物と言っても土や石についているバクテリアや仮死状態の生命を探すことばかりだから、衛星通信もなかなかしにくい環境でしたから、本当に浦島太郎でした。」


 


右近>


「君の見つけてくれたバクテリアやカビであたらしいクスリをつくることが出来たので俺は部長になれたものな。君のは本来はやめてもらうための左遷だったそうだ」


 


左近>


「まあ、私のミスで会社のコンピュータを二時間止めてしまった。しょうがないす。H部長が「非常事態がおこり本社機能を移転させるというシ ミュレーション」をしている時にしている時に、コーヒーをひっくり返し、シミュレーションではなく本当に実行してしまった。あわててコマンドを止めようと おもっても、パニックになってしまった。いつも使っているパスワードを打ち間違うは、大変でした。私の一生分の50倍の収入よりも大きな穴を開けてしまっ たから、しょうがないすよ。」


 


右近>


「そうだったな、君が洞窟探検のエキスパートでテクニカル・ダイビングのエキスパートでなかったら首になっていたよ。何しろ、地底の湖をさら に百メートルも潜って先にある洞窟の中のバクテリア、つまり、今の大気にふれていない生物を見つけるなんて、君にしか出来なかったから。まあ、君の見つけ てくれたバクテリアのお陰で、会社は君の損失の千九百倍をもうけた。お陰でH部長が専務になり、私が部長になれたのは君のお陰だよ。だから君が南米で仕事 を年に2月しかしなくても、かまわないのさ。もし二十二世紀の発見賞でももらってくれれば会社は有名になるかもしれないので、そのままにしているのさ。」


 


左近>


「いや、あの、一度地下にはいると、体力や知力がしばらくはボロボロになるので」


 


右近>


「それは判っているさ。水深百メートルに三時間潜ると、三十メートルのところで八時間、十メートルのところで八時間、五メートルのところで十 二時間はじっとしていないと行けないから。そんなこと君しかできないさ。そのあとも、時々いいバクテリアを見つけてくれているので、遊んでいてくれても、 会社に貢献してくれている。十分さ。それがどうしたんだ、急に帰りたいなんて。」


 


左近>


「いやね、最近、私の故郷がどうなっているか、まったく考えてなかったことに気が付いた。思い出すと、一つのことしかしてこなかった。三年前 に帰った事以外は、なにも記憶には残っていない。ところで、もうすぐ、葬儀の会場だね。あそこに立っているひとが『ロボットにも生きる権利を』というプラ カードを持っているけどあれはなんだい?」


 


右近>


「まあ、そのうち解るさ。それからH専務は、子供がいなかったよ。だから火葬場までも、私と君が付いて行くことになっているよ。」


 


左近>


「奥さんがいたでしょ」


 


右近>「まあ、それも解るさ。お棺をのぞいて見ろ。」


 


左近>


「おい、なんか変だぞ。H部長のお棺が異状に大きいじゃないか。二人並んで入れるぐらいだ。ああ、奥さんが入っている。ひょっとして心中したのか。」


 


右近>


「おい、今は部長じゃない。俺が部長でH氏は専務だ。あそこのお棺には、H専務の遺体と奥さんのロボットが入っているのさ。」


 


左近>


「奥さんていつ亡くなったのだ?」


 


右近>


「五年前に亡くなった。その後再婚せずにパートナー・ロボットを手に入れたそうだ。最新の人工関節や人工皮膚などを備え付けたロボットさ、顔 はもちろん声も奥さんの声だし、昔の記憶など全部インプットされているから、『マイアミビーチに行った時は楽しかった』といえばその時の話をしてくれる し、写真も持ってきてくれる。本当の人間だったら年を取っていくと、ぼけて忘れていくよ。。GPSや医療プログラムも入っているから、専務は、すぐに病院 に連絡はついたのだが、脳がボロボロでどうしようもなかったみたい。みてごらん、それから面白いことに、パートナーロボットは本当の奥さんよりも、細くて かわいいだろ。実物の人間よりも、スマートなサイズさ。リカちゃん人形のプロポーションさ」


 


左近>


「そんな、三年前に一時帰った時に、Hさんに車で家まで送ってもらったことがある。その時、Hさんが、奥さんに『今どこを走っているか。次 どっちに曲がればいい?』と聞いていた。そうしたら『次の次の信号を左折』と答えていたよ。そうか、あれはGPS内蔵の奥さんのパートナーロボットだったのか。」


 


右近>


「おまえ、潜水で耳をやられて人口耳をしているから解らなかったのさ。最近はパートナー・ロボットを買う人が増えている。ちゃんと話ができる どころではなくカウンセリングのプログラムが入っていて、話を聞いてくれるし、励ましてくれるし、H もふくめ色々してくれる。医療プログラムや援助もしてくれる。人間より役に立つ」


 


左近>


「おれも、南米で独身用のロボットをつかった事があるけども、今はアニータという人間の奥さんがいる。実は、後悔しているのさ。おれはスペイン語がなかなか通じないし、アニータは融通が利かないし、寝てばかり、文句ばかり。おまけに、どんどん老けてきている。」


 


右近>


「おまえも老けてきているよ。人間はそういう運命だ。だからロボットが売れるのさ。死ぬ事もないから、悲しむこともない。嫌みもいわない。人間の良いとこ取りしたものがパートナーロボットさ。最近は、奥さんがいるのにパートナーロボットを手に入れる人もいる。」


 


左近>


「良いんじゃないの、奥さんも男のパートナーロボットを手に入れれば楽しいよ。」


 


右近>


「おれもそう思うけども。ただ人間が死んでしまった時に、残されたパートナーロボットをどうするかが社会問題になってきた。一緒に火葬して欲 しいという人が多いので二人用の棺桶ができたのさ。さっき、『ロボットにも生存権を、第二の人生を』というプラカードを見ただろう。買い主のエゴで、まだ まだ使えるロボットを燃やしてしまうなんて、資源の無駄だ、リサイクルしましょうと言う合理主義者が「ロボットの生存権運動」をしているのさ。」


 


左近>


「いや、個人のロボットではなくて、ロボット全体の為にと思っているのかも。南米に持っていったペットロボットはお父さんの代からだから、五 十年は生きているよ。あいつは、俺のこと全部見ていたからな。処分なんて出来ないよ。おれがパートナーロボットを手に入れたら、遺産もすべてロボットに残すさ」


 


右近>


「アニータには?」


 


左近>


「日本に残して隠しているお金以外、すべて、全部とられているさ。それで、最近は若い男が出来たみたいで、追い出された格好で日本に帰ってきたよ。」


 


<<火葬がすんで>>


 


右近>


「おい、左近。燃え残ったモノを見て見ろよ。」


 


左近>


「こちらは奥さんのロボットぶんで、おっ、H部長は人工の足をしていたのか。人工腎臓、人工心臓、人工鼓膜、どうやら、専務は半分はロボットだったのか」


 


右近>


「これを見ているとどこからが人間でどこからがロボットか解らなくなってきた。」


 



▼  http://石垣.okinawa.jp/

   http://www.psychosynthesis-japan.net
バナークリック宜しく 


にほんブログ村 

にほんブログ村

にほんブログ村


にほんブログ村 
にほんブログ村

にほんブログ村


■ SF. 「たった一人の非暴力テロ、宝石界を壊滅さす!


■      金融界も大混乱に! 苦渋の富豪婦人達」



■                   星 あゆむ 


■                            


■■■


 


今日の朝のインターネットニュースに、この度の事件、


たった一人で世界の宝石シンジケートを破壊し、金満家達の価値観を破壊した


元研究員の真相が流れてきたので、いつもの私のSFはお休み。このニュースの顛末


を@future weekly に流すことにします。   星 あゆむ


 


 


★世界の宝石市場を壊滅したこの非暴力テロは、再結晶宝石をつくるK社にいた一人の研究員によっておこされた。彼は、偶然の機械の故障で、天然と全 く見分けのつかない同じ成分(ごくわずかの不純物)と美しさの本物のルビー・サファィア・エメラルド・アレキサンドライトを大量に作ることに成功してし まった事から始まる。


★この破滅作戦は、周到に準備され、段階的に実行された。彼は、世界の天然ルビー・サファイア・エメラルド、アレキサンドライトの量の十倍もの天然 宝石同等品の生産をした後、世界中で密かに販売し、巨万の富を作った。そのお金で世界12ヶ国に会社を作り、さらなる製造装置を作ってしまっていた。最後 のテロとして、製造装置と余ったお金と宝石を、世界中の人類福祉の為に働くNPOに寄付してしまっていた。この宝石の製造方法の特許が日本で申請され認め られていた。そして無料に公開されていることに世界は驚いた。日本の特許情報は、外国語に翻訳されるのに時間がかかり、世界の人が気がつくのに時間がか かったのだ。★お金と宝石と製造装置を受け取ったNGOは、指定された通りに、目的のためにお金を使った後、つぎに、宝石を売り出し始めた。在庫がなくな ると、宝石を大量に作り始めた。財政難にあえぐ、某共和国も飛びつきかけたが、すぐにやめてしまった。なにせ野球のソフトボール大のスター・ルビーやサ ファィアなどが一万円ぐらいで売られるようになり、ビーズ玉でアクセサリーを作る変わりに、本物の宝石を使うようになってきた。当然、世界の宝石市場が壊 滅した。いままで、宝石を集めていたお金持ち富豪婦人達は、もっている宝石の財産性がなくなり、趣味の安物のジャンク骨董なってしまったのである。


 


★宝石業界は、この男を訴えたが、彼がつくった宝石は、すべて本物できわめて質の高いことがわかったので、詐欺罪は成立しなかった。売買の記録は全 部あり、税金・消費税もちゃんと払ってあった。宝石を売った国で、正式に会社を作り、製造装置を作るのに使ったので、大量のお金の違法な国外持ち出しにも 当てはまらない。人々の欲しがっていた宝石の量を突然に10000倍に増やしただけであった。心ある人達は、森や海の木や珊瑚礁の活性化や生物や魚の保護と増加の ためにお金をだして、それが繁栄することを願うようになった。


 


★このテロをした人は、「人間には宝石よりも大切なモノがある。人類が宝石やお金などのモノを大事にして、人間を大切にしないとう悪癖に気がついて欲しい」「実は、こうしてもうけたお金で研究した結果、ダイヤモンドと金つくる方法もほぼ開発済みである。人類が母なる地球の破壊をやめ調和の取れた生き方をしないとダイヤモンドと金の作り方を公開する」こういうメッセージを残し、この研究者はどこかに隠れてしまった。


 


以上は @future today からの 配信でした。  星 あゆむ


 


追伸 1.


 


とはいえ、人間は、宝石を集めるのをやめただけで、モノを集めることをやめはしなかった。相変わらず、テディベアーやドレスを集めたり、花の押し花 をつくったり、魚や動物の写真を集めたり、昆虫の抜け殻を集めたり、蝶の羽を集めたり、手回し蓄音機を集めたり、古い音楽CDを集めたり、けっして「集め ること」はやめない。ベットを買うことや魚や動物を飼うこともやめない。ただ、金額に値打ちをおくようなことはしなくなったのが人類の進化だろうか??


 


追伸 2.


インターネット上で、世界中のバードウォッチャーから、カラスの巣の下には、ルビー・サファィア・エメラルド・アレキサンドライトが落ちているという報告が続々集まっている。


 



▼  http://石垣.okinawa.jp/
 

  http://www.psychosynthesis-japan.net

バナークリックで応援宜しく

にほんブログ村  
 
にほんブログ村

にほんブログ村


にほんブログ村

にほんブログ村

 運動会なんて大嫌い (SF)



★                 星 あゆむ


★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


 


子供>


お母さん、もう運動会なんていやだよ。


これだけ毎日マラソンの練習しているのに絶対に入賞できないよ。他の友達も、「もうイヤだ。運動会なんていやだ」っていってるよ。


 


母>


そんなこと言わないで。練習すればかならず速くなるわよ。


 


子供>


そんなの絶対むりだよ。私がクラスでは一番走るのが速いけども、


義足をつけて走る障害児には追いつけないよ。あの人達は百メートル12秒で走れるしマラソンしてもかないっこない。走り終わった後も、あの人達は全然疲れていない。


 


母>


いつの間にか、人工の足や手の性能が良くなって、普通の人の能力を超えてしまっている。こんど校長先生に文句のメールを書いてやろう。


 


子供>


そんなの無駄だよ。先生の半分はアンドロイド(人間型コンピュータ)だから、機械の味方さ。


 


 


母>


そうだよね。障害者マラソンのスピードが人間を追い越してしまってる。


工補助関節を使うととても楽だからね。全員が車いすや補助関節でレースすればいいかも。


 


子供>


お母さん、最近の進歩について行ってないわね。 障害者マラソンでは


42.195キロを60分台で走るようになってきているよ。ほんとに面白くないわよ。目隠し鬼ごっこしても、視覚障害の人がつけているゴーグルなら東西南北がハッキリと解るし、暗闇でも物陰にかくれていても見えてしまう。私たち普通に産まれてきた人間ってなんなの。記憶量・運動能力・作業能力など全部機械に負けているよ。人間は何のためにいるの?「機械にはかなわない」のに機械をコントロール(支配)している。だから混乱して機械同士をつかって戦っている。そんなの非合理的だよ。全部機械に任せて、ペットの魚みたいに完全な空間をつくってその中で、楽しく安全に生きるべきよ。今どき、人間と人工義足と競争させるなんて時代遅れよ。競争しないで平和に楽しく生きないと。


 


母>


もう競争型や集団演目で一緒に合わせて動く運動会なんてやっぱり時代遅れなんだね。おじいちゃんに聞いたことだけど、昔、東アジアの北●●国では、集団で同じ動きをするダンスをしたり足をそろえて歩くなどを人間がやっていたんだって。機械のまねをしていたんだね。戦争したり、人さらいしたり、野蛮な国だったそうだよ。


 


 Gothic Pro'; color: #000100">       ★ 星 あゆむ ☆☆☆☆★



▼  http://石垣.okinawa.jp/
   http://www.psychosynthesis-japan.net
バナークリック宜しく 

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

 


 ● ☆ SF 日本釣り紀行 (12)  


  One day @future in  三重県伊勢志摩 伊勢エビ 死滅回遊魚 


 


          伊野 アーサー (Iknow Arther)


 


地球温暖化で、世界の海水面が五メートルから七メートル上昇し、


第二次南海大地震・第二次関東大地震で日本の都市部が大被害を


受けたかなり近い未来の釣り紀行です。


 


箕面


「この前の屋久島の釣りはおもしろなかったな」


 


鈴木


「そうとも、言える」


 


箕面


「ただ、釣れるだけやなんて、そんなん釣りやない」


 


鈴木「そしたら、なにも釣れない方がええんか?}


 


箕面


「いや、釣れないと困るけど、そやけど、あんなに釣れたらおもしろうな


い。作業しているだけや、疲れるだけや。高級魚は高級魚らしい釣れてくれんと」


 


鈴木


「じゃあ、今日は、もうやめて帰ろうか?」


 


箕面


「なんでや、せっかく伊勢志摩まで来てるのに。なんで気分わるうしてるんや分からんわ?」


 


鈴木


「今日は伊勢エビを素潜りで捕る予定や、あんた『いっぺん死ぬほど伊勢エビを食ってみたい』いうたから、さそったんやで。素潜りはアンタの方が上手やしな」


 


箕面


「なに、伊勢エビ、そうやった、そうやった? あんた、またワシが寝てる時に、話したやろ。悪い癖や。釣りやったら何でもええから、いくいく。伊勢エビは格別のおいしさやから、今からなんて絶対に、帰らへんで」


 


鈴木


「でも、さっき、あんなに釣れたら釣りやないい、高級魚は高級魚らしくなんて言ったしりから、『釣りやったら何でもええ』言うたな」


 


箕面


「あんた、『釣り人の心』ちゅうのがわからんか、こうして釣りに行く時


が、『今日はどんなんが釣れるやろ!』と一番楽しい時や。そやけども、伊勢エビなんて、そんなに捕れるものやないで、オヤジの里の和歌山でも、めったにとれへんで。日本がこんなになって(地球温暖化で、南海大地震・東南海大地震・第二次関東大地震の津波で、表日本の半分以上の漁師が死んでしもたから、漁業権なんかうるさくないけども、本来は伊勢エビはとったらあかんのやで。うちはお爺さんが漁師やったし、オヤジはその息子やから、捕っても大目にみてくれた。それでも、滅多にとれへんかったで。」


 


鈴木


「ところが、スポンサーの財団が、伊勢志摩の元道路て海に沈んでいるところに、トレーラー50台分の、伊勢エビの人工漁礁を作って、沈めたんや。五年前のことやけど。その作業をしたんやけど、その後どうなってるか調べてほしいという仕事がはいったんや。もともと、山が海まで迫っている地形やから、森が海を創る事の確認にもなるので、この伊勢エビプロジェクトがはじまったんや」


 


箕面


「ええなあ、伊勢エビ捕獲大作戦や。死ぬほど伊勢エビが食えるで」


 


==============伊勢エビ漁は大量でした================


 


箕面


「ああ、死ぬほど伊勢エビが食えるとおもって、いっぱい捕ったけども、伊勢エビを食べる前に死ぬととやった。」


 


鈴木


「当たり前やで、自分の身体が入るぐらいの大きな網袋をもって潜り、袋一杯に伊勢エビを捕まえるから、重くて、浮かんでこれへんのやで。上から、引っ張ったから助かったんやで。アンタが伊勢エビに喰われるとこやった。」


 


箕面


「伊勢エビって、人間を食べるんか?」


 


鈴木


「ほとんどの魚は、タンパク質をたべるからや、アンタの死体が、うみに沈んでたら、まあ、ふやけて、魚に食われて、7日で骨だけや」


 


箕面


「あっそう、なんや、あんたは、伊勢エビは一匹も捕らなかったんか?この箱の中に色の付いた小さい魚はいるけども、伊勢エビはゼロやんか、面倒な事は全部ワシに任せて、喰うだけ喰うつもりやったんか?」


 


鈴木


「そんな事あらへんで、伊勢エビは五匹は捕まえたで」


 


箕面


「友達やから、ウソつかんでもええで。アンタが伊勢エビを一匹も獲れなくても、ワシは怒らへんで」


 


鈴木


「うそやない、よく見てみたら」


 


箕面


「その箱の中には、小さなエビでもいるんか、そんなには見えないで。わかった、捕った伊勢エビがにげんたんやな」


 


鈴木


「アンタ、よくウエットスーツの上を見てみ」


 


箕面


「ほんまや、伊勢エビがアンタの身体の上にへばりついてるんや、伊勢エビはやっぱり人間を喰うんやな、あんた痛くないのか?」


 


鈴木


「ウエットスーツの上やから大丈夫。よく見て、ウエットスーツの上にセーターを着てるやろ。そこに伊勢エビがしがみついているんや」


 


箕面


「ほんまや、ちゃんと五匹しがみついているわ。アンタがウエットスーツの上から、セーターを着るから、『変わった事するなあ、寒いんやろか?アホちがうか?』と思っていたけど、アンタはエライ」


 


鈴木


「実は、北オーストラリアで、伊勢エビをとるダイバーが、セーターを着て、そこに伊勢エビをしがみつかせてたそうや。伊勢エビは、おどろくと、手足や身体をまげ、ますますしがみつくという習性があるんや、いっぺん、やってみたかったんや」


 


箕面


「なるほどなあ、それで、その箱の中のきれいな魚はなんや、伊勢エビ食べよう、そんな食えない魚なんか聞いても仕方ないけど」


 


鈴木


「ああ、この箱の中の魚やろ、もともとは沖縄などの南の海の魚やけども、黒潮に乗って、卵や幼魚が日本にたどりついてきて、住みついている魚や。クマノミファイティング・ミモの魚)やルリスズメやチョウチョウウオもいるし、カスミアジなどもいる。ハナビラウツボ、ハナゴイなんかもいる、たいていは冬になって海水温が下がって死んでしまうので、死滅回遊魚と呼ばれていた。ところが地球温暖化と言われるようになってから、冬に死なないで生き残るものが増えてきたんや。どんな死滅回遊魚が、生き残っているかが、調査の目的でもあったんや。もうこのあたりは、ソフト・コーラル(サンゴ)は昔からあったけども、テーブルサンゴはすくなかったんや、でも、人口魚礁の所に、小さなサンゴをつけ


て沈めたのが、どれぐらい大きくなったかというのも、調査のもう一つの目的やったんや。東京湾に、もうサンゴはいるみたいやし、イタリア料理のアムール貝がかなり増えている。これは外国船が落としていったんが始まりやけど、、


 


 


あれ、おいおい、一人で伊勢エビを十匹もさばいて、食べてしもうて、もう、昼寝しとる、また、聞いていない!まあ、箕面さんが死滅せんで良かった、でないと奥さんにどない言うたら良いかわからんなあ、あの奥さんは、こいつにはもったいないぐらい美人やしな、、」


 


                     伊勢志摩 編



                           おわり、



▼  http://石垣.okinawa.jp/
  

 http://www.psychosynthesis-japan.net
 バナークリック宜しく

  
にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

☆ 日本釣り紀行 (11)  


  One day @future in 屋久島 安房港の波止場釣り


              伊野 アーサー (Iknow Arther)


地球温暖化で、世界の海水面が五メートルから七メートル上昇し、


第二次南海大地震・第二次関東大地震で日本の都市部が大被害を


受けたかなり近い未来の釣り紀行です。


===============================================


 


鈴木


「本当にこの屋久島は魚の多いところだね。日本で一番、良く釣れる防波堤だろう。黒潮が屋久島にぶつかるから、魚が多い。日本の北の魚から、南の海の魚まで、あらゆる種類の魚がいる。」


 


箕面


「ほんとうにすごい、安房港の湾内は、魚だらけや。熱帯の蝶々魚や空の色をしたブダイが泳いでいる。あっ、また釣れた。これはシマアジや。こんな高級魚は関西では、つれないよ。シマアジが防波堤で釣れるなんて。ブリの子やマグロの子供もいるし、ロウニンアジの子供もいる。鯖もつれる。船なんかなくても、ここで食べる魚は簡単につれるで。これは日本の釣り天国かも知れない。」


 


鈴木


「たしかに、地球温暖化で海水面が高くなったとはいえ、もともと屋久島は崖の上に人や農地があったので、ほとんど被害をうけていない。」


 


箕面


「あっ、あれなんや。蛇みたいのが泳いでる。ウミヘビや、聞くところによとすごい毒らしいな」


 


鈴木


「心配せいでええ。ウミヘビの歯は、口の奥深くにあるので、素手でつかまえても、大丈夫や。道具をつかって口を開けてから、指でもつっこまない限りは、毒は心配ないで。ホラ、あそこにもいるで。」


 


箕面


「ウミガメが入ってきたで。外の海が荒れてきたので避難してきたみたいや。」


 


鈴木


「一年に一度、トビウオが湾内に入ってきて、網ですくうだけで取れる時もあるそうや。まだ1時間もたってないけども、もうクーラーが魚でいっぱいや。もう釣るのはやめよう。干物にしても持って帰れないよ。」


 


箕面


「ほんまや、釣りの面白さはないで。10分で食べる分は釣れるで。もう単純作業してるみたいやで。そやけども、これは贅沢な話や。ここやったら、食べ物を確保するために、働き回る必要がないで。水もいっぱいあるし、畑もできる。魚もいっぱいいる。天国やで。家族をここに呼んでここで生きていこと思うけども、どうやろ」


 


鈴木


「ほんまやなあ。今回の釣りは、つりの醍醐味はないなあ。ただ釣れるだけや。面白くないけど、こんな贅沢な釣り紀行はないで」


 


             つづく


                     伊野アーサー


 



  http://石垣.okinawa.jp/
   http://www.psychosynthesis-japan.net

バナークリック宜しく
にほんブログ村 

 


にほんブログ村

にほんブログ村


にほんブログ村

にほんブログ村

 


☆ 日本釣り紀行 (10)  One day @future in 富良野 北海道


              伊野 アーサー (Iknow Arther)


 人間には許されて、魚や動物では許され へんて。そんな


のおかしいよ。


地球温暖化で、世界の海水面が五メートルから七メートル上昇し、


第二次南海大地震・第二次関東大地震で日本の都市部が大被害を


受けたかなり近い未来の釣り紀行です。


今回は、予告どおり、北海道富良野の空知川です。ソチラ側ではありません。


===============================================================


 


箕面


「あんたは、ええなあ、ワシは、なんでこんなについてへんのやろ。もうチョットで、溺れて死ぬとこやったで。大きな魚が釣れたんで、なんとか取り込もうとしたら、深みにはまって流されてしまった。おまけに釣れた魚は、なんか見たことのない魚や。マスの種類だけど」


 


鈴木


「そうかなあ、そんなに必死やったんか、そうは見えなかったで。なんか映画のRiver runs through It のブラッド・ビットみたいで格好良かったで。川に流されても、決して釣り竿を話そうとしないなんて、さすが箕面さんやと関心してたんや。つれたは、 巨大なマスやで。まあ、ウエットスーツにライフベスト兼用の釣りベストやから死ぬことはない、大丈夫やと思ってたで。ついてへんてか。何言ってるの。アンタこそつきすぎてるで。波照間島では、巨大ロウニンアジ、カジキマグロ、礒マグロを釣るし、この北海道では、巨大なマスをつる。でも、あの魚は見たことな いなあ。まだまだ知らんことあるんやなあ。」


 


箕面


「それは勝手な思いこみや。水を飲むは意識を失うは、岩に頭を打って気がついたのや。釣れた魚の種類なんて私に は、なんでもええのや。こんな大きなマスがいることがうれしいのや。ここのラーメンを食べてやっと暖かくなってきた。なんか疲れがどっと出てきた。眠くなってきた。」


 


鈴木


「そうか、あんた気を失ってたんか。頭を岩に打ったのツキがあったからや。私も、疲れがでてきたで。」


 


偶然ラーメン屋にいた釣り人の会話


 


「富良野も本当に国際化してきたな。ラウンが来てから、富良野の姫たちが、混血の子供がいっぱい出来てき た。もともとの小柄な日本種の面影がなくなりつつある。ブラウンだけよりも、適応力があるし、外国から来たヤツなんて、なんとかならんのかね。なんとか排除でけんかね」


 


箕面


「あんた、なんて事言うんや。ブラウンが来てから混血の子供が一杯出来たなんて。人種差別やで。私の奥さんはハーフで、お父さんの名前はブラウンや。ブラウンの悪口いうたら承知せえへんで!」


 


鈴木


「ああそうやったんか! あんたの奥さんははブラウンさんとの混血やったんや!」


 


箕面


「おい、鈴木! おまえ承知せえへんで、友達やと思っていたけども、今のはゆるせんで。しばいたるで!」


 


鈴木


「居眠りしてたと思ったら、いきなりケンカ売り出すなんて。あの人達、関西弁でうなるから、逃げてしもたで。完全 に誤解や。富良野の川も、国際化してきたいうのは、ブラウン・トラウトが入ってきてから、ヒメマスとの交配が進んで、どんどん純粋なヒメマスがいなくなっ てきたという話やったんや。アンタの話やないで。アンタが今日つった魚は、ブラウン・トラウトとヒメマスの交配で出来た、姫ブラウンや。納得できたで。」


 


箕面


「なんや、ワシの奥さんの悪口やなくて、魚の話やったのか。でも、ワシにはわからん。人間は国際結婚してもええや ろ。そやけど、なんで外国の魚達や動物が、日本に入ってきて増えたり、国際結婚して、混血が進むことがいかんのや。人間には許されて、魚や動物では許され へんて。そんなのおかしいよ。植物の世界では、どんどんと国際結婚がすすんで、新しい種類のができているのに。食べ物の植物はトマトもジャガイモも米もはすべて人間の手の加わった改良種なんやで、「魚や動物の外来種にたいする差別は良くないよ。」、、、。」


 


鈴木


「なんでやろね。アンタのいうとおりや。」




 


つづく、


▼  http://石垣.okinawa.jp/


   http://www.psychosynthesis-japan.net



にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村



釣り紀行が沖縄編が増えてきたので、沖縄と海人(ウミンチュウ)の基礎知識を少しばかり、

今回は、  
沖縄と海人(ウミンチュウ)に付いての基礎知識




●船を取り上げられた沖縄の人達


●サバニ (小舟)


●水中メガネは沖縄の海人(ウミンチュウ)が発明した


●世界で活躍した海人(ウミンチュウ)


●海人(ウミンチュウ)の衰退


●地球に優しい海人(ウミンチュウ)の生き方??


●悲しい海人(ウミンチュウ)の歴史


●糸満の夫婦別会計


●糸満はイートマンという外人の末裔?


●明和の高さ85メートルの大津波


●現代の沖縄の人の生活と海


===================================


 船を取り上げられた沖縄の人達


●薩摩や琉球王朝の影響で、すこしでも農業をさせようと、船を取り上げて強制的に農業をさせるという政策があったようです。


●海人(ウミンチュウ)の発祥の地


沖縄の南部の糸満は耕作できる土地がすくなく、海で生きることが放任されていたのかもしれません。


 


   サバニ 


●サバニは、二枚の船板を合わせた、船先の高い小さな船です。太鼓に合わせ


て、数人でカイで漕げば五ノット、帆をはれば10ノットぐらいは出ました。明治の頃は蒸気船を追い抜いてゆくサバニの話が残っています。東京オリンピツクのヨット競技ではサバニからヒントを得たヨットを作ったそうす。これは分解できるので、船に乗せて海外の海に運ばれました。アフリカの三時張るからニュージーランドまで海人(ウミンチュウ)は貝取りダイバーとして進出していました。そのためか、インド洋の島にサバニに近い形船が残っていたりします。


 


  水中メガネは沖縄の海人(ウミンチュウ)が発明した


●明治の頃に、糸満の海人(ウミンチュウ)が、世界で初めて木の水中メガネを発明しました。これが水中の追い込み漁や、中華料理の食材のナマコ、真珠貝やボタンを作る貝取りのダイバーととして、ニホンでは福井県から千葉の方まで遠征していたようです。追い込み漁は、体力とチームワークのいる漁法でした。糸満のいくつかの門から派生した海人(ウミンチュウ)が、沖縄中に広がってゆきました。そして、世界中に


 


  世界で活躍した海人(ウミンチュウ)


●世界の海(アフリカ、インド洋、オーストラリア、インドネシア、ハワイ、パラオ、グアム、サイパン、フィリピンなど)には、サバニごと運んで遠征してゆきました。メインはボタンを作る貝と真珠貝です。プラスチックが発明される前は、ボタンは貝でできていました。そしてそこに住み着いたのですが、第二次世界大戦の時には沖縄も南洋諸島も戦場になり、大変な生き地獄を体験されることになりました。●沖縄本島でもっとも激戦地であった(ひめゆりの塔などもある)のも糸満で海人(ウミンチュウ)の発祥の土地でした。


 


  海人(ウミンチュウ)の衰退


●海人(ウミンチュウ)の漁はもともと近海漁で、プラスチックのボタンが作られるようになり、また、大型船の遠洋漁業になり、彼らの活躍の場は消えてゆきました。遠洋船に乗る人も多かった様です。


●サバニでの漁は、換金の為には経済効率が悪いようです。それで、いまではエンジン付きのサバニになり、カジキマグロや本マグロの一本釣りをする人も多い


ようです。追い込み漁は、アクアラングを使っているグループもあります。クエやハタなどを生きたまま捕まえ、都会に送ると大変な値段になります。


 


  地球に優しい海人(ウミンチュウ)の生き方??


昔からの、小さな規模の素潜りの追い込み漁は、自分たちの食べるものを取る手段として、楽しみとして、いまでも続いています。波照間島の家の庭に、追い込み漁の網が干してある家が結構あります。●失業率の高い沖縄ですが、島の人達は失業した時にも?時にこそ?時だからこそ?追い込み漁で食べ物を手ににしていたと書いている人が結構います。後は米さえあれば、沖縄では生きられる。


 


  悲しい海人(ウミンチュウ)の歴史


●古くから沖縄では、食べて行けない子供を人買いに売るということがありました。女子は紡績工場などの女工・水商売・色街など、男の子は、鉱山の人足になるか、糸満の海人(ウミンチュウ)に売られるか。なくなくかわいい子供を手放さなければならない時に、年期が明けたときに、海人(ウミンチュウ)としての生き方が身に付くということで、男の子を海人(ウミンチュウ)に売る親も多かったと書いてあります。


 


  糸満の夫婦別会計


●糸満の夫婦別家計。糸満でのお金のやり取りは、夫と妻が独立していたようです。夫が魚を取って港に帰ってくると、妻は、その捕れた魚を夫から買います。今度は夫から買った魚を、町(那覇などに)売りに行くのです。女性の方が商売上手になってくる。これは、夫婦が別に暮らさなければならないこともあるし、死別することもあるので必要から生まれた生活の知恵かも知れません。


 


 ●糸満はホイットマンという外人の末裔?


糸満の人達の体型は大きく顔の彫りも深いので、漂流した西洋人かアラブ人がルーツという説もあります。江戸時代から琉球の人は、外国の人達には親切に扱ってきました。難破した人達を保護したり。


外国の文献では、琉球は武器を持たない国として紹介されています。石垣島にイギリスの船が難破したときに、奴隷にされていた中国人が逃げ出したことがありました。石垣島の人は彼らを助けたのですが、後にイギリス人は、香港から武器をもった船で石垣島までやって来て、逃げた奴隷を捕まえて、殺してしまいました。なくなった中国人の魂を祭る、唐人墓が石垣市にあります。


 


明和の高さ85メートルの大津波


●江戸時代のはじめ、1771年の明和に高さ85メートルの大津波が八重山諸島を襲い、石垣島では人口の半分がなくなりました。宮良川からの津波は、川をさかのぼり、山を削り、反対側の湾まで達したそうです。沢山の女子がなくなり人口バランスがくずれ人口が津波の前に回復したのは明治だったそうです。


 


 現代の沖縄の人の生活と海


●沖縄は海というイメージがありますが、職業のとしている海人(ウミンチュウ)人をのぞいて、普通の沖縄人(ウチナンチュー)は本土の人(ヤマトンチュー)より、泳げない人がいっぱいいます。海に入るときは裸では海に入りません。太陽が強いので、服を着て入ります。泳ぎはしないですが、し夕方に海辺で遊ぶ人は多いようです。

実はもう一つブログをかいています。

Looking @ futre! いつも未来志向でいよう。毎日の「ライフ(いのち・生活・生き方・仕事・人生)」に身体と心が元気になる5秒で読めるメッセージを発信しています。この文字をクリックしてください。
バナークリックも宜しくです。



にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

 


☆ S.F 日本釣り紀行 (9)  One day @future in 波照間島               伊野 アーサー (Iknow Arther)


 


地球温暖化で、世界の海水面が五メートルから七メートル上昇し、第二次南海大地震・第二次関東大地震で日本の都市部が大被害を受けたかなり近い未来の釣り紀行です。今回も、台北よりも南に位置している日


本の最南端の有人島、波照間島での釣りです。


 


箕面


「あんたは、ええなあ、二十キロのロウニンアジを釣りあげるは、ワシはなんでついてへんのやろ。波照間島で大物釣りをするというので特大の新品の竿を二本もなくすは。」


 


鈴木


「何言ってるの。アンタこそつきすぎてるからやんか。本州最南端の碑の横で、最初の第一投をなげた瞬間に巨大なロウニンアジが釣れたんやから」


 


箕面


「そらそうやけども、なんで、仕掛けを海中に投げる前に、竿の一番下の穴にワイヤーをかけ、岩にハーケンを打ち込む事を教えてくれなかったのや。」


 


鈴木


「ちゃんと言うたよ。釣る前に、岩にハーケンを打ち込んで、それにワイヤーをつけて竿の穴にフックで止めてから釣 りの仕掛けをなげんとイカンというてたのに、箕面サン、あんたは、日本の最南端の海に来たのか、ロウニンアジを釣ろうとあせる余り、何言うても聞く耳持た なかったやないか。『わしは力ならだれにも負けへん』というて仕掛けを海になげた瞬間に釣れたんやから最高についてるのや。」


 


箕面


「そんなこと言うても、こんなに早く魚が釣れたことなかったし、、、。仕掛けを投げて、リールの空回りをストップさせた時には、もう魚は餌を喰って逃げかけていたから、力を入れる前に、竿ごと持って行かれた。一本の値段は一ヶ月の生活費ぐらいやで。」


 


鈴木


「それでもええやないか、すぐに次が釣れたやないか。」


 


箕面


「まあ、そらそうやけども、なんか実感がないのや。今度は、ちゃんとワイヤーを仕掛けて投げたら、こんども投げた瞬間につれてたんや。岩に引っかかったかなと思った瞬間に、こんどは、ハーケンごと引っこ抜かれていった。二本立て続けに、なくなってしもうた。自分 の手で持っていた時間は、二本合わせて、五分もなかったで。えらい損やで。」


 


鈴木


「たしかに、あれは大きかったよ。60キロはあったんちがうか。」


 


箕面


「そうかもしれん。逃げた魚はほんとうに巨大やったな。せめて十分ぐらいは、お魚さんとファイトしたかった。あとは、道具がないのでアンタが二十キロのロウニンアジを釣るのを見てるだけやった。つまらんかった。」


 


鈴木


「あそこの海底には、アンタみたいに、魚に持っていかれた竿やリールがいっぱい海に沈んでるんそうや。それでも、 その後も、アンタはついてたやないか。カツオのトローリングしてたら、あんたいきなりカジキマグロ釣ったやないか。つり上げてなかったけども、何年通っても連れない人が多いのに、あんたはいきなり釣ったんやで。」


 


箕面


「たしかに、カジキマグロやった、ジャンプしたのでこの眼で確かめたし、ビデオにも写ってる。しかしやで、つり上げようとファイトしはじめたら、いきなりサメがでてきて、カジキマグロの頭だけ残して、がぶりと食いちぎられてもた。アンタみたいにカツオでも良いから釣りたかったで。」


 


鈴木


「あんた、贅沢なこと言わんといて。カツオは本州でなんぼでも釣ったことはあるけど、カジキマグロは釣ったことな いんや。一瞬でも自分の竿にかかったのは幸せやで。今、サバニ(小舟)からのイソマグロ釣りしてるんやけど、昔からの漁のやり方を体験したいというので、 ハーリー競争(把龍船レース)のサバニを無理言うてたのんだんや。まだ、ツキは落ちてへんから、がんばりや。一本釣りやから気をつけや。本州とちがうで、 絶対に、糸を手に巻いたらあかんで、人間ごと海に引き込まれるか、糸で指だけちぎれてしまうで。アンタよりも大きな魚がおるで。」


 


箕面


「あっ、もう釣れた。これはなんや。重いから引っ張れへん。サバニが動いてるで。」


 


鈴木


「ほんまについてるな。マグロかツムブリか、たぶんマグロやで。サメかもしれんけど」


 


箕面


「こんなに大きな魚つり上げられへんで。」


 


鈴木「ガイドさんに任せとき」


 


箕面


「ガイドさんが水中銃を持って海に飛び込んでいったで。」


 


鈴木


「そうやで、糸が切られるおそれがあるので、ある程度弱ってきたら、水中銃で打った後、ナイフで息の根をとめるんや。釣り糸だけが頼りだと、逃げられることがあるので。海人(ウミンチュウ)の智恵やで。もともと潜水での追い込み漁が得意な人達やから。」


 


箕面


「ガイドさんが上がってきたで。ワイヤーの先では、ナイフで息の根をとめられたマグロがフワフワしてるで。」


 


ガイド


「生きたままだと暴れてあげられないからね。これから、船をひっくり返すから、あんたたち、海に飛び込んでね、なるべく手伝ってね。早くしないとサメがくる。」


 


箕面、鈴木 


「ざぶん」


 


ガイド


「みなさん、マグロを船にのせてから、自分たちも船にのってください。


そのあとサバニから海水をかい出すのを手伝ってくださいね。」


 


箕面


「こんな釣りはしたことがない。」


 


ガイド


「沖縄の海人(ウミンチュウ)は、昔から、こうして小さな船で大きな魚をとっていました。時に、嵐の時に は、こうして船をひっくり返して、船に掴まり嵐が通り過ぎるのを待っていました。沖縄の本島や薩摩や台湾に行くときも、時にはこうして、嵐をすごしたので す。いまでも、伝統的なハーリー競争では、サバニで競争するのですが、途中で二回船を転覆させて、それをもとに戻してからゴールに向かいます。そういう伝えなのさぁ。今回は鈴木さんが、昔のやり方をやりたいということで、こうしたのですが、、」


 


鈴木


「こんな釣りをした人は、もう私たちぐらいかも、でも、「小さな船は、嵐と戦わない」というのは大切なことのようですね。」


 


箕面


「こんな大きな釣りは二度とでけんやろな。」


 


ガイド


「このマグロなら100キロはあるので、良い値段で売れますよ。なかなかこんなのはこちらでもつれませんね。本当についていますよ。ただ、もうこんな伝統的な漁は、年寄りには辛いです。」


 


鈴木


「どうも、地球温暖化と津波などで、人間が減ってから、このあたりの魚は増えてきているようですね。それから地球温暖化の海水面上昇で、波照間島は被害はなかったのですか。」


 


ガイド


「この島では、大昔に津波があって以来、人間が住んでいるのは島の真ん中の高いところだけです。砂糖工場と、港の船着き場は、沈んだけども、他の被害はありませんでした。」


 


箕面


「最後に、釣れたのは良かったけども、なくした道具がくやしいよ」


 


鈴木


「アンタがつったマグロで、道具は十分に買えるよ。ほんまについてるな


あ。」



にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

 


■ ■ ■ 



■          寿命倍増計画 (SF)星 あゆむ


■                          


■ ■ ■


  


★人間の遺伝子と、我々の作業動物の交配は、思ったよりはるかに、うまくいっています。人間側は、ほとんど気がついていません。


 


☆「ほとんど」とはどういう意味だ?うまく行っていない部分があるのだな?


 


★いえ、あの。地球人のDNAを取り込むと、確かに作業動物の寿命を延ばすことが出来るようになったが、睡眠時間がながくなってしまう。知力障害も起こるようだ。合理的に行動もできなくなっています。もともと我々の作業動物の遺伝子のルーツは、地球の人間と同じなのですが、すんでいる星の影響か、同じ進化の道をたどらなかったようです。自転の関係か、我々パルス星の作業動物の寿命は二年で、妊娠期間が一ヶ月です。ニューロ・コンピュータを使った教育で三ヶ月たつと作業ができるようになる。増殖(生殖)も可能になる。人間との一度の交配で、寿命が倍になるので、教育期間の無駄が省けるというのが最初の目的でした。しかし、交配を繰り返し続けると、次第に人間の遺伝子の影響が強くなりつつあるのです。睡眠時間が以上に長くて、われわれパルス星人が作業してほしい時間帯に寝てしまっている。さらに、いつも発情状態にあるので、発情しないように脳を操作すると、新しい作業生物は、おとなしくはなるのですが、作業能力が落ち込んでしまいます。イライラしてミスばかりします。また、喧嘩などのトラブルが増えます。


 


☆これはこまった。確かに、パルス星の生物は、一生に一度の発情で交尾して、オスとメスの二組、四つの個体の子孫を残し合理的なのだが。地球の自転が遅い分、人間の寿命が長いから、われわれの思っていなかった不都合があるみたいだな。寝てばかりいるし、学習が異常にスローだ。われわれが三ヶ月で成人になり知的活動ができるのに、人間は同じ事ができるのに十五年はかかる。


 


★もう一つ発見できた特徴は、こちらの作業生物の遺伝です。メス型の交配種は、同じ遺伝子をもらいに同じ男の所へ行くという特徴を持ち、男型の交配種は、地球人のメスならだれとでも交配したがるという事です。確かに、種の保存に取っては合理的ですが。その関係で、外見上は良く似たメスの交配種ができるという事です。どうも、この部分で人間側にトラブルがおきているようです。春男という男の遺伝子をもらったばかりに


その子孫の作業生物の女は、春男にばかり交配してもらいにゆく。男は、地球人の女にはフェロモンガスをかけて、妊娠させている。地球人達は、われわれが持ち込んだ作業用動物の事に気がつきだしているようだよ。


 


☆それは、まずいな。宇宙連邦の規約に違反する。しかし、われわれ海にすむパルス星人は、地上での作業は、二本足で移動し・手の器用な作業用生物がいないと、やっていけないからな。このまま放置しておけばどうなる?


 


★はい、メス型の作業動物は、こちらの管理にあるのですが、オス型が地球人に産ませた第二世代以降の動物はわれわれの管理出来ないところにあります。その数は、多すぎて分かりません。でも、たいていは、人間よりは異常に早い成長をします。四ヶ月で完全に大人と同じ大きさになります。半年後には、性行動が可能です。しかし、埋め込み型のニューロコンピュータによる教育がないので、身体だけ成長しても知能はほとんど四ヶ月の人間のままです。おそらく、パルス星の寿命遺伝子情報のセイでしょう、地球人と一緒にいる第2世代の作業動物は多分四歳~六歳ぐらいで、死んで行くでしょう。地球人の医者は「遺伝子異常の病気」という判断をする事になると思います。


 問題は、作業動物と人間との混血の新世代型の作業動物同士と人間との新たな増殖が起こるかも知れません。


 


☆たしかに、困った。第二世代同士の作業生物どうしが増殖したり、複雑に人間と交配が進むと、困ったことになりそうだ。実験は中止だ。回収作業をはじめろ。


 


★はい、でもこちらで管理している実験動物は、男女それぞれ、二千を超えています。地球人の女が産んだ作業生物の数は不明です。多分、地球人は一度に一人しか産みませんから、二千人ぐらいです。一部しか宇宙船に収容できません。


 


☆そうか、父親のDNAを持つ春男とか呼ばれている地球人に、四千人から六千人の子孫が出来たことになるのか。人間のDNAを盗んで、パルス性の生き物の寿命を延ばそうと思ったのが失敗だった。この事はパルス星にかえっても誰にも話すなよ。


 春男という個体が失敗の原因なのか、地球人の星が原因なのか、帰って作業生物に研究させよう。


 


 


★from @future 2002/Oct/04より

▼ 編集・発行 岩崎正春 

きにいったらバナークリックしてください。

▼  http://石垣.okinawa.jp/

   http://www.psychosynthesis-japan.net


にほんブログ村 
にほんブログ村

にほんブログ村


にほんブログ村

にほんブログ村