☆ S.F 日本釣り紀行 (9) One day @future in 波照間島 伊野 アーサー (Iknow Arther)
地球温暖化で、世界の海水面が五メートルから七メートル上昇し、第二次南海大地震・第二次関東大地震で日本の都市部が大被害を受けたかなり近い未来の釣り紀行です。今回も、台北よりも南に位置している日
本の最南端の有人島、波照間島での釣りです。
箕面
「あんたは、ええなあ、二十キロのロウニンアジを釣りあげるは、ワシはなんでついてへんのやろ。波照間島で大物釣りをするというので特大の新品の竿を二本もなくすは。」
鈴木
「何言ってるの。アンタこそつきすぎてるからやんか。本州最南端の碑の横で、最初の第一投をなげた瞬間に巨大なロウニンアジが釣れたんやから」
箕面
「そらそうやけども、なんで、仕掛けを海中に投げる前に、竿の一番下の穴にワイヤーをかけ、岩にハーケンを打ち込む事を教えてくれなかったのや。」
鈴木
「ちゃんと言うたよ。釣る前に、岩にハーケンを打ち込んで、それにワイヤーをつけて竿の穴にフックで止めてから釣 りの仕掛けをなげんとイカンというてたのに、箕面サン、あんたは、日本の最南端の海に来たのか、ロウニンアジを釣ろうとあせる余り、何言うても聞く耳持た なかったやないか。『わしは力ならだれにも負けへん』というて仕掛けを海になげた瞬間に釣れたんやから最高についてるのや。」
箕面
「そんなこと言うても、こんなに早く魚が釣れたことなかったし、、、。仕掛けを投げて、リールの空回りをストップさせた時には、もう魚は餌を喰って逃げかけていたから、力を入れる前に、竿ごと持って行かれた。一本の値段は一ヶ月の生活費ぐらいやで。」
鈴木
「それでもええやないか、すぐに次が釣れたやないか。」
箕面
「まあ、そらそうやけども、なんか実感がないのや。今度は、ちゃんとワイヤーを仕掛けて投げたら、こんども投げた瞬間につれてたんや。岩に引っかかったかなと思った瞬間に、こんどは、ハーケンごと引っこ抜かれていった。二本立て続けに、なくなってしもうた。自分 の手で持っていた時間は、二本合わせて、五分もなかったで。えらい損やで。」
鈴木
「たしかに、あれは大きかったよ。60キロはあったんちがうか。」
箕面
「そうかもしれん。逃げた魚はほんとうに巨大やったな。せめて十分ぐらいは、お魚さんとファイトしたかった。あとは、道具がないのでアンタが二十キロのロウニンアジを釣るのを見てるだけやった。つまらんかった。」
鈴木
「あそこの海底には、アンタみたいに、魚に持っていかれた竿やリールがいっぱい海に沈んでるんそうや。それでも、 その後も、アンタはついてたやないか。カツオのトローリングしてたら、あんたいきなりカジキマグロ釣ったやないか。つり上げてなかったけども、何年通っても連れない人が多いのに、あんたはいきなり釣ったんやで。」
箕面
「たしかに、カジキマグロやった、ジャンプしたのでこの眼で確かめたし、ビデオにも写ってる。しかしやで、つり上げようとファイトしはじめたら、いきなりサメがでてきて、カジキマグロの頭だけ残して、がぶりと食いちぎられてもた。アンタみたいにカツオでも良いから釣りたかったで。」
鈴木
「あんた、贅沢なこと言わんといて。カツオは本州でなんぼでも釣ったことはあるけど、カジキマグロは釣ったことな いんや。一瞬でも自分の竿にかかったのは幸せやで。今、サバニ(小舟)からのイソマグロ釣りしてるんやけど、昔からの漁のやり方を体験したいというので、 ハーリー競争(把龍船レース)のサバニを無理言うてたのんだんや。まだ、ツキは落ちてへんから、がんばりや。一本釣りやから気をつけや。本州とちがうで、 絶対に、糸を手に巻いたらあかんで、人間ごと海に引き込まれるか、糸で指だけちぎれてしまうで。アンタよりも大きな魚がおるで。」
箕面
「あっ、もう釣れた。これはなんや。重いから引っ張れへん。サバニが動いてるで。」
鈴木
「ほんまについてるな。マグロかツムブリか、たぶんマグロやで。サメかもしれんけど」
箕面
「こんなに大きな魚つり上げられへんで。」
鈴木「ガイドさんに任せとき」
箕面
「ガイドさんが水中銃を持って海に飛び込んでいったで。」
鈴木
「そうやで、糸が切られるおそれがあるので、ある程度弱ってきたら、水中銃で打った後、ナイフで息の根をとめるんや。釣り糸だけが頼りだと、逃げられることがあるので。海人(ウミンチュウ)の智恵やで。もともと潜水での追い込み漁が得意な人達やから。」
箕面
「ガイドさんが上がってきたで。ワイヤーの先では、ナイフで息の根をとめられたマグロがフワフワしてるで。」
ガイド
「生きたままだと暴れてあげられないからね。これから、船をひっくり返すから、あんたたち、海に飛び込んでね、なるべく手伝ってね。早くしないとサメがくる。」
箕面、鈴木
「ざぶん」
ガイド
「みなさん、マグロを船にのせてから、自分たちも船にのってください。
そのあとサバニから海水をかい出すのを手伝ってくださいね。」
箕面
「こんな釣りはしたことがない。」
ガイド
「沖縄の海人(ウミンチュウ)は、昔から、こうして小さな船で大きな魚をとっていました。時に、嵐の時に は、こうして船をひっくり返して、船に掴まり嵐が通り過ぎるのを待っていました。沖縄の本島や薩摩や台湾に行くときも、時にはこうして、嵐をすごしたので す。いまでも、伝統的なハーリー競争では、サバニで競争するのですが、途中で二回船を転覆させて、それをもとに戻してからゴールに向かいます。そういう伝えなのさぁ。今回は鈴木さんが、昔のやり方をやりたいということで、こうしたのですが、、」
鈴木
「こんな釣りをした人は、もう私たちぐらいかも、でも、「小さな船は、嵐と戦わない」というのは大切なことのようですね。」
箕面
「こんな大きな釣りは二度とでけんやろな。」
ガイド
「このマグロなら100キロはあるので、良い値段で売れますよ。なかなかこんなのはこちらでもつれませんね。本当についていますよ。ただ、もうこんな伝統的な漁は、年寄りには辛いです。」
鈴木
「どうも、地球温暖化と津波などで、人間が減ってから、このあたりの魚は増えてきているようですね。それから地球温暖化の海水面上昇で、波照間島は被害はなかったのですか。」
ガイド
「この島では、大昔に津波があって以来、人間が住んでいるのは島の真ん中の高いところだけです。砂糖工場と、港の船着き場は、沈んだけども、他の被害はありませんでした。」
箕面
「最後に、釣れたのは良かったけども、なくした道具がくやしいよ」
鈴木
「アンタがつったマグロで、道具は十分に買えるよ。ほんまについてるな
あ。」
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