ダンボールで花を作る…。
ギリシャ悲劇
「王女メディアの物語」
美術制作メイキングレポ!
第11弾は花、花、花…。
原作戯曲では、メディアの「乳母」の嘆きの台詞で始まり、その後比較的すぐに侍女達の会話、程なくして主人公メディアの登場となります。
ギリシャ神話のだいたいの流れを知っていてこそ楽しめる構成のため、ギリシャ神話に馴染みのない日本人にはメディアが何者なのかはあまりわからないもの…。
そもそもイアソンが何者で、どの様な経緯でメディアと結ばれたのか…。
ここが明確にわからないことには本編も楽しんでもらえない!!…と判断した私は、この「王女メディア」の前日談とも言うべく事の経緯を舞台上で描く必要があると判断しました。
と言っても、まともに描けば何時間かかってしまうかわかりません…。
実際、その前日談のひとつ「アルゴー船遠征」という物語はシリーズ化出来るほどに壮大なストーリー。西遊記のような紆余曲折が描かれています。そんな壮大な前日談をどうやってお客様に把握していただくか…。ここはとても悩みました。
あれこれと悩んだ末…、「王女メディア」の原作戯曲でも冒頭の台詞を担当するメディアの「乳母」に、この前日談を語らせようと思いました。それが一番自然な流れと判断できたからです。
そして更に悩んだのはその伝える手法です。
語りのみ?
フリップで説明?
ペープサート?
紙芝居?
アニメーション?
影絵?
小さな人形劇?
どれもこれもありきたりでつまらないと思い、色々と考えました。
ここはやはり人形劇でしょう…
しかしどんな人形劇にするか…
そこでヒントになったのは私のレパートリーである「シンデレラ!?」です。棒の先に玉が付いただけのマッチ棒の様な人形による見立て芝居。それがヒントになりました。
舞台上の床面を草花で埋め尽くすことは先にプランとしてありました。であれば!!…乳母がおもむろに草花を使って、観客に向かって経緯を説明するかの様に、見立て芝居で即興人形劇をやっている雰囲気…。それによって、乳母による「経緯説明パフォーマンス」が出来ないか!?…と考えました。
私の台本では、このパートを「草花人形劇」と名付けました。冒頭約20分間に渡って表現される草花人形劇は、この演目の見どころのひとつでもあります。
この「草花人形劇」だけでもひとつの公演が成立しそう!と言わんばかりに濃厚な仕上がりになりました。当初は30分以上あった草花人形劇のパートですが、最小限の情報に絞り込んで現在のカタチに至っています。
美術制作に於いては、まず、何の花にどの役を当てがうかで悩みました。
大多数の人が一度は目にしたことがあって美術的にも映える花…というスタンスで候補を絞り込んでゆきました。
写真は候補が出揃った花の写真をアトリエに貼り出したもの。ここからまたかなりの変更が成されます。当初、メディアの夫であるイアソンの象徴はパピルスでした。自由奔放な若い男の危なっかしいセクシーさを感じたからです。しかし、これをダンボールで作ったところで観客は何の植物だかわからないだろう…と思いました。例え、実物のパピルスを出したところで、あれ…何??…となると思いました。なるべく観客に馴染みや愛着のある花の方がそれぞれの花の認識も早くなるだろうと思い、パピルス落選!
イアソンの父をヒマワリ
イアソンの叔父をカラー
イアソンをパピルス
というプランでしたが、いっそのこと、イアソンの血筋の人々を全員ヒマワリにしよう!と思いました。異なる面持ちのヒマワリにすればそれぞれ個性も出ますし、ひとつの親族の男性達として、観客にもよりわかりやすくなる!と思いました。
いつもながらざっくりとした絵!!
細かな設計図は私の頭の中…。
ここから地道な作業が始まります。
こちらの写真は終演後のフォトサービスでお客様が撮ってくださったもの。写真真ん中はイアソンの実の父親のヒマワリ。イアソンの父親は病弱で、切ない程に衰えてゆくため、その様子を表現する必要がありました。ダンボールの茎の中には自在に曲げられるワイヤーが仕込まれており、好きなカタチに固定出来るようになっています。
船に乗り込むメディアとイアソンの様子が表現出来るかどうか、アトリエ前の廊下で試しているところです。
しかし、30分以上あった草花人形劇を約半分の長さに縮めたことにより、配役から漏れた花も多数…。そこで!!配役から漏れた王妃の象徴のバラをグラウケにもってきました!これが見事ハマった!!
イアソンとグラウケの禁断の接吻…。
この生々しい場面は、ヒマワリとバラの接吻という表現になることにより、なんとも滑稽な場面となり、劇全体への導入に相応しいものとなりました。
グラウケのバラの大写しです。後方にイアソンのヒマワリ、その奥に、ズル賢くしたたかなイアソンの叔父のヒマワリ。
このレポに登場していない、メディアの実の弟の象徴であるマーガレットも魅力的な仕上がりとなりました。メディアの弟は、なんとメディアの手によってそのカラダを船上でバラバラにされてしまいます。その物語上の経緯は舞台でご覧いただくとして…、その様子を、マーガレットの花びらを1枚ずつ取っていくことで表現しました。マーガレット占いでお馴染みの「好き…嫌い…」の、あのイメージ。と言ってもスピーディーな「草花人形劇」ですので、その場面もあっという間ですが…。そのマーガレットはとても手が込んだ作りで、花びら1枚1枚にクリップが仕込まれており、雄しべ部分に脱着出来るようになっています。
このカエデの葉の写真は今回のカエデの葉づくりのモデル…
「王女メディアの物語」の音楽監修を務めてくださったセバスティアン・マルクさんとの打ち合わせの直前に出会ったカエデ。
このときはメディアとこのカエデの葉がリンクするとは思わずにただただ撮っただけの写真でしたが、この数ヶ月後に役に立ちました!
一度のブログ投稿での写真掲載は15枚までだそうです!今回知りました!!
少し前までは確か4〜5枚までしか載せられませんでしたから、飛躍的に改良されたのですね!!
今回はこれまでのブログ投稿で最大の写真掲載量となりました!!
とにかく、この「草花人形劇」のことだけでも何日もブログ更新ができる程ですが、このくらいにしておきます!まだまだ載せたい写真が山程…。
公演情報
詳しくは…
をご覧ください!!
「王女メディアの物語」のことを中心に、何日にも渡ってお届けしておりますが、今回の「女」三部作 一挙上演!で、このメディアが上演されるのは初日のみ!!お見逃しのございませんように!!
昨日はこの王女メディアに関わる黒衣(くろこ)チームと照明さん舞台監督さんとのミーティングでした!皆さん本当に素晴らしい方々…。打ち合わせ中も私は皆さんの細やかな感性に感動しっぱなしでした。
メディアのこと、おりんのこと、マリーのこと、日々同時進行で準備中です。それと同時に年末年始の公演のことや、2019年に初演を迎えるの作品のこと(そちらはもう台本が出来上がった!)などなど、只今頭の中には数え切れない程のキャラクターが同居しており賑やかです!
そんなこんなで、今日の更新分はギリギリ今日の日付を過ぎてしまった!!汗&泣。
ま、気分はギリギリ今日!!ということで!!
「王女メディアの物語」
美術制作メイキングレポ
つづく!!
次回はこの花たちを生ける重要な壺達の話をお届けする予定です!
明日以降もどうかお付き合いくださいませ!!































































