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ダンボールで花を作る…。


ギリシャ悲劇
「王女メディアの物語」

美術制作メイキングレポ!


第11弾は花、花、花…。



原作戯曲では、メディアの「乳母」の嘆きの台詞で始まり、その後比較的すぐに侍女達の会話、程なくして主人公メディアの登場となります。


ギリシャ神話のだいたいの流れを知っていてこそ楽しめる構成のため、ギリシャ神話に馴染みのない日本人にはメディアが何者なのかはあまりわからないもの…。

そもそもイアソンが何者で、どの様な経緯でメディアと結ばれたのか…。

ここが明確にわからないことには本編も楽しんでもらえない!!…と判断した私は、この「王女メディア」の前日談とも言うべく事の経緯を舞台上で描く必要があると判断しました。

と言っても、まともに描けば何時間かかってしまうかわかりません…。

実際、その前日談のひとつ「アルゴー船遠征」という物語はシリーズ化出来るほどに壮大なストーリー。西遊記のような紆余曲折が描かれています。そんな壮大な前日談をどうやってお客様に把握していただくか…。ここはとても悩みました。


あれこれと悩んだ末…、「王女メディア」の原作戯曲でも冒頭の台詞を担当するメディアの「乳母」に、この前日談を語らせようと思いました。それが一番自然な流れと判断できたからです。


そして更に悩んだのはその伝える手法です。


語りのみ?
フリップで説明?
ペープサート?
紙芝居?
アニメーション?
影絵?
小さな人形劇?


どれもこれもありきたりでつまらないと思い、色々と考えました。


ここはやはり人形劇でしょう…
しかしどんな人形劇にするか…



そこでヒントになったのは私のレパートリーである「シンデレラ!?」です。棒の先に玉が付いただけのマッチ棒の様な人形による見立て芝居。それがヒントになりました。


舞台上の床面を草花で埋め尽くすことは先にプランとしてありました。であれば!!…乳母がおもむろに草花を使って、観客に向かって経緯を説明するかの様に、見立て芝居で即興人形劇をやっている雰囲気…。それによって、乳母による「経緯説明パフォーマンス」が出来ないか!?…と考えました。


私の台本では、このパートを「草花人形劇」と名付けました。冒頭約20分間に渡って表現される草花人形劇は、この演目の見どころのひとつでもあります。

この「草花人形劇」だけでもひとつの公演が成立しそう!と言わんばかりに濃厚な仕上がりになりました。当初は30分以上あった草花人形劇のパートですが、最小限の情報に絞り込んで現在のカタチに至っています。



美術制作に於いては、まず、何の花にどの役を当てがうかで悩みました。

大多数の人が一度は目にしたことがあって美術的にも映える花…というスタンスで候補を絞り込んでゆきました。


写真は候補が出揃った花の写真をアトリエに貼り出したもの。ここからまたかなりの変更が成されます。当初、メディアの夫であるイアソンの象徴はパピルスでした。自由奔放な若い男の危なっかしいセクシーさを感じたからです。しかし、これをダンボールで作ったところで観客は何の植物だかわからないだろう…と思いました。例え、実物のパピルスを出したところで、あれ…何??…となると思いました。なるべく観客に馴染みや愛着のある花の方がそれぞれの花の認識も早くなるだろうと思い、パピルス落選!


イアソンの父をヒマワリ
イアソンの叔父をカラー
イアソンをパピルス

というプランでしたが、いっそのこと、イアソンの血筋の人々を全員ヒマワリにしよう!と思いました。異なる面持ちのヒマワリにすればそれぞれ個性も出ますし、ひとつの親族の男性達として、観客にもよりわかりやすくなる!と思いました。





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ヒマワリのデザイン画です。
いつもながらざっくりとした絵!!

細かな設計図は私の頭の中…。


ここから地道な作業が始まります。





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3つのヒマワリの作成には何人もの手が掛かっています。





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こちらの写真は終演後のフォトサービスでお客様が撮ってくださったもの。写真真ん中はイアソンの実の父親のヒマワリ。イアソンの父親は病弱で、切ない程に衰えてゆくため、その様子を表現する必要がありました。ダンボールの茎の中には自在に曲げられるワイヤーが仕込まれており、好きなカタチに固定出来るようになっています。





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メディアの象徴は、個人的に花の女王と思っているユリにしました。ユリの香りもメディアそのものと思ったからです。





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制作現場では、なんだかパラボラアンテナみたい….という声も。大き過ぎるのではないか…という意見もありましたが、全体のイメージを考えるとこの大きさで良い!!と判断しました。





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メディアの父親は、こちらも私が個人的に花の王様…と感じているダリヤにしました。





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つくり始めは不安でしたが、花びらが集まると実にダリヤらしくなりました。こちらも美術チームによる地道な作業でした。





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舞台上に置かれた3つのボックスは、この「草花人形劇」の場面で、突然、船を表現したりもします。


船に乗り込むメディアとイアソンの様子が表現出来るかどうか、アトリエ前の廊下で試しているところです。





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メディアの夫イアソンが、新たな婚姻を結ぼうとする相手・グラウケの象徴は、最終的にバラになりました。元々は、メディアの母親の花にしようかと思っていました。


しかし、30分以上あった草花人形劇を約半分の長さに縮めたことにより、配役から漏れた花も多数…。そこで!!配役から漏れた王妃の象徴のバラをグラウケにもってきました!これが見事ハマった!!

イアソンとグラウケの禁断の接吻…。
この生々しい場面は、ヒマワリとバラの接吻という表現になることにより、なんとも滑稽な場面となり、劇全体への導入に相応しいものとなりました。





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お客様が終演後のフォトサービスで撮ってくださった写真をもうひとつ!


グラウケのバラの大写しです。後方にイアソンのヒマワリ、その奥に、ズル賢くしたたかなイアソンの叔父のヒマワリ。




このレポに登場していない、メディアの実の弟の象徴であるマーガレットも魅力的な仕上がりとなりました。メディアの弟は、なんとメディアの手によってそのカラダを船上でバラバラにされてしまいます。その物語上の経緯は舞台でご覧いただくとして…、その様子を、マーガレットの花びらを1枚ずつ取っていくことで表現しました。マーガレット占いでお馴染みの「好き…嫌い…」の、あのイメージ。と言ってもスピーディーな「草花人形劇」ですので、その場面もあっという間ですが…。そのマーガレットはとても手が込んだ作りで、花びら1枚1枚にクリップが仕込まれており、雄しべ部分に脱着出来るようになっています。





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「草花人形劇」で登場する「金の羊の毛ごろも」にはカエデの葉を象徴にすることにしました!ダンボールで作ったカエデの葉は劇場で見てもらいましょう!!


このカエデの葉の写真は今回のカエデの葉づくりのモデル…





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このカエデの葉の写真…何を隠そう!「王女メディアの物語」の制作直前にパリへ行った際…





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セーヌ川のほとりで出会ったカエデの葉です。

「王女メディアの物語」の音楽監修を務めてくださったセバスティアン・マルクさんとの打ち合わせの直前に出会ったカエデ。

このときはメディアとこのカエデの葉がリンクするとは思わずにただただ撮っただけの写真でしたが、この数ヶ月後に役に立ちました!




一度のブログ投稿での写真掲載は15枚までだそうです!今回知りました!!

少し前までは確か4〜5枚までしか載せられませんでしたから、飛躍的に改良されたのですね!!

今回はこれまでのブログ投稿で最大の写真掲載量となりました!!




とにかく、この「草花人形劇」のことだけでも何日もブログ更新ができる程ですが、このくらいにしておきます!まだまだ載せたい写真が山程…。


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公演情報
詳しくは…
をご覧ください!!



「王女メディアの物語」のことを中心に、何日にも渡ってお届けしておりますが、今回の「女」三部作 一挙上演!で、このメディアが上演されるのは初日のみ!!お見逃しのございませんように!!



昨日はこの王女メディアに関わる黒衣(くろこ)チームと照明さん舞台監督さんとのミーティングでした!皆さん本当に素晴らしい方々…。打ち合わせ中も私は皆さんの細やかな感性に感動しっぱなしでした。

メディアのこと、おりんのこと、マリーのこと、日々同時進行で準備中です。それと同時に年末年始の公演のことや、2019年に初演を迎えるの作品のこと(そちらはもう台本が出来上がった!)などなど、只今頭の中には数え切れない程のキャラクターが同居しており賑やかです!




そんなこんなで、今日の更新分はギリギリ今日の日付を過ぎてしまった!!汗&泣。

ま、気分はギリギリ今日!!ということで!!




「王女メディアの物語」

美術制作メイキングレポ



つづく!!


次回はこの花たちを生ける重要な壺達の話をお届けする予定です!



明日以降もどうかお付き合いくださいませ!!

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ギリシャ悲劇
「王女メディアの物語」

ダンボールによる美術制作
メイキングレポ!

遂に第10弾に突入!!



今回はグラウケが出来るまでのメイキング。



主人公・王女メディアの夫イアソンが、新たに花嫁として迎えようとする女性。劇中の現在地であるコリントスの王クレオンの娘です。


メイキング序盤でもお話しましたが、原作戯曲にグラウケの登場シーンはございません。後半のグラウケの壮絶な運命については、メディアの家来によって語られることで構成されています。


私の舞台では、この原作の噂話部分を実際に描く構成としました。


2幕はグラウケの部屋での華やかな様子から始まります。



デザイン画はいつものようにざっくり…。


ドレスの様にも見えますが、古代ギリシャの衣服であるヒマティオンのイメージ。そのため、裾の広がりは最小限に。

主人公メディアは顔と腕のみの人形。爺や・侍女・子ども達は自立可能なフルボディタイプ。クレオン・アイゲウスは大きな仮面風の顔のみ。イアソン・乳母は私の身体で演じます。

今回、唯一、フルボディタイプでありながら自立不可能なスタイルがグラウケです。カーテンコールの時のみスタンドに固定はしますが、劇中は常時軽やかに全身が動きます。と言っても出演時間はとても短いですが…。


このタイプの人形はぜひともいつか作ってみたい!と思っていました。念願叶っての登場です。フォルムがあまりに気に入ってしまったので、子ども向け作品の「森の妖精パルーシュカの大冒険」でも、このグラウケとよく似たスタイルの人形美術を採用しています。





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顔のカットから…。
最初はこんな状態です。





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折り曲げるとこうなります。

人形劇の人形は、基本的に、前から見ても横から見ても人形の目が見えることが重要です。例外的な美術もございますが、基本的には前横両方からしっかり瞳が見えないと演技構成が難しくなってしまいます。





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鼻が付きます。
これにより、センターの切れ目も隠れ、同時にデザイン性も上がります。





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まぶた、まつげ、髪の毛が付けられてゆきます。

髪型苦労しました。
くるくるヘアーのため、付け方を間違えると美容室でカーラーを巻いてる人に見えてしまう…。なんだかサザエさん風にもなってしまう…。姫の雰囲気が出なくなってしまう…。あれこれ試しつつ、なんとかカタチになってきました!失敗例を写真に撮っておくんだった!!現場ではかなり大笑いでした。これじゃダメだよね…と。

ティアラ風の冠は劇中に頭から取る場面があるので、付け外し可能になっています。冠の下にクリップが仕込まれており、そのクリップによって頭に固定されます。



人間だとあたりまえに出来る…物を持ったり置いたりする動作…。人形劇の場合はそこも大変な作業…。工夫と練習が必要になります。人形の場合、人間に出来ないこと(高く飛ぶとか、カラダが伸びるとかとか…)が比較的容易に出来たりするありがたさもありますが、ごくあたりまえの歩く走る座る…持つ、置く…などが容易ではありません。そこが無理なく自然と見えないことには芝居も成立しません。

この所謂、普通の動き!ですが、私、かなり好きなんです。うまくいったときに、人間には出せない空気が生まれるんです。あの不思議な緊張感がたまりません。


話を戻します…。





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グラウケちゃんのボディも出来てきました!

Fちゃん大活躍でした。

Fちゃんは普段はウェデイング業界の衣裳さん。ですが、ダンボールの扱いもとてもお上手で、彼女のダンボールカットは早くて綺麗でした!!すっかりダンボールにハマったらしく、プロフィールに「特技:ダンボールを切ること」…と加えたらしいです。それどこで役に立つんだろう!w
はい、主にウチです!w


関節や衣裳部分などの繋ぎ帯
実はガムテープです。
ガムテープを三つ折りにした帯を大量に作り、この人形以外でもあちこちにそれが使われております。

このガムテープ帯作りも美しく作るためには、なかなかの集中力が必要な作業。そんな根気の要る作業、演出助手のKちゃんが率先して作業してくださいました!「私コレ系得意なんです。」と黙々と作業…。助かるー!!



関節についてはとても大事なこだわりがあるのですが、ここでは説明が難しい…。

とにかく、操演する私の手は2つ、と、指は10本まで!ですから、ひとりで操っても全身が生き生きとする様に色々と工夫を施しております。





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ポテトリング風の髪の毛も付き、女性らしくなってきました。

全身を繋ぎ、最終調整に入ります。


黙々と作業をしているSちゃん、アトリエの近所に住んでいたおかげで、他の美術チームの人の様に「終電で帰ります!」が出来ない!!汗w

そのため、今回Sちゃんには何度も深夜までお付き合いいただきました。恐縮です!!
強制労働ではないのでご安心を!!w

Sちゃん、少ない説明で瞬時にやりたいことを理解してくださる素晴らしい方です。



「王女メディアの物語」の美術制作では述べ10名以上の美術スタッフさんにお世話になりました!少しだけ作業を手伝ってくださった方も含めると20名超え!!

当初は3〜5名程で全てを作る予定でしたが、つくってもつくっても終わらず、どんどん増員!

美術業界数珠繋ぎ的な感じで皆さんに人材を紹介してもらいました。とにかく急なお願いなので、オファーをしたところで来れる人は中々居ません。猫の手も借りたい…のですが実際、猫の手じゃ進まない!汗w

なんだかんだで、本当に素晴らしい方々にお集まりいただき、作り終えることができました!!


あれ?…なんか「まとめ」みたいになってますが、メイキングレポはまだまだ続きます!w




さ、再び話を戻し…





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グラウケちゃん全身が繋がったーーー!!
産まれた瞬間です!!

大きな作品の仕込みのときには、作業専用のアトリエだけではスペースが足りず、シアター・ジョウも工房と化します。この期間は公演もできない!汗&泣。

どんどん物が増えていくので、毎日徹底的な整理整頓をしないと作業が出来ません。整理整頓術はこの後の「ハムレット」あたりでようやく身に付いてきました!w





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ちょっとブレてますが、稽古場での様子。

このグラウケ、動くとほんと素敵なんです!

東京文化会館初演の際も、昨年の新国立劇場での再演の際も、このグラウケが舞台に出てきた瞬間にお客様の気持ちもフワッと高揚し、ザワザワッと客席がどよめくのを感じました。


1幕後半が緊張感のある展開となっていくため、この2幕冒頭で少しほっこり出来るのも嬉しいところです。しかし…それからわずか数分で…グラウケの身に大変なことが巻き起こります。





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華やかで楽しげに始まる第2幕、そしてその後すぐにやってくるグラウケの惨劇、その父親クレオンに待ち受ける運命…じっくりと目撃してください。




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メイキングレポ

つづく!!



次回は本作冒頭の重要な演出
「乳母による草花人形劇」…そこに登場する様々な花達の制作メイキングを予定しております!



美術のアイテム数が多く、書いても書いても終わらない感じがします!!汗w



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ギリシャ悲劇
「王女メディアの物語」

ダンボールによる美術制作
メイキングレポ!

第9弾!!


今回は、舞台に華を添える動物達の制作レポ!


殺伐とした劇世界と対比するかのように表現される動物達の世界。

人間はこんなにもややこしく、そして時におぞましい…。しかし動物達はこの地球上で坦々と暮らしている。壮絶な劇中と対比により、劇世界をより際立たせる…。そんな思いから組み込まれた演出。この手法は「ハムレット」でも採用しました。私の定番となりつつあります。動物が違和感なく劇中に存在出来るのは人形劇ならでは!!人間が動物を演じる…という種類の演劇の面白さもありますが、動物の人形の説得力って確かなものがあると思います。


もちろん、原作には動物の登場の指定などはありません。



初演の際、東京文化会館さんより、古楽アンサンブルとのコラボレーションを…とのご依頼を受け、兼ねてから挑戦したかった「ダンボール人形劇を大人向け作品で」という思いと、そちらも兼ねてから挑戦したかった「メディア」の劇世界、その2つのイメージが一致して演目が決定。ダンボールで創るギリシャ彫刻の様な美術!の挑戦が始まりました。


この企画が持ち上がってすぐの頃、演出のために、様々なバロック音楽を聴き込みました。

中でも…
テレマン作曲による「協奏曲ホ短調TWV52:elよりII.アレグロ」には絶対なインパクトが!

この曲を聴いた瞬間、森の中を鹿が駆けていく様子が心に浮かびました。

音楽家さんは、この音楽から「森」とは想像だにしなかった…と。バロック音楽に先入観のない平さんだからこそ「森」になるんだ…と驚かれました。確かに鹿が駆けて蝶が舞う感じがしますね…と音楽家さんにもご納得いただけました。そこから壮大なる選曲作業が行われるわけですが、その話はまたの機会に…。



「王女メディアの物語」は、この森のシーンで始まり、森のシーンで終わる…。今作の構想のスタートはここからでした!


そんな鹿さん。
今作で最初に登場する人形でもあります。

デザイン画はいつもの如くざっくり…。





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鹿さん、つくりたて(産まれたて!)の様子!

子鹿のイメージでしたが、これだけツノが立派ですと3〜4歳??青年の鹿という感じでしょうか。

操るのがとても難しい人形になってしまいました!汗。

私の片方の手の…親指・人差し指・中指で子鹿の首(かしら)を、薬指と小指で子鹿の前足を。指がとんでもないカタチになります。

もう片方の手で、鹿のお尻と後ろ足を操ります。


音楽と同調する様に軽やかに舞台を駆け抜けます。鹿操演の際は指がおかしくなりそうな私です…汗。





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鹿の次に舞台に登場する蝶々さん。
蝶々は全部で4頭用意しました。

2頭が1幕冒頭と2幕ラストで登場。もう1頭は1幕のラストで登場。そしてもう1頭は出演予定でしたが、そんなにたくさん出る必要がないと判断し、心強い控えとして劇場には同席しています。 



1幕ラストに登場する蝶は何を思って操演するか…。稽古場ではかなりの議論になりました。音楽的イメージから蝶々が出ることはプランにあったのですが、冒頭部分と違って、そこに蝶々が出る必然性を感じませんでした。とは言え、1幕ラストで蝶々が出るべき…というイメージは強くありました。最初は4頭全部出る…という演出で進めていました。しかしどこか違和感が…。次に2頭にしてメディアの2人の息子の象徴として操る…、しかしそれも何だかくどくて違和感が…。そして、1頭にしてみたところ、これがハマりました!そこで、今作の演出補で事務所社長でもあるWさんが素晴らしい意見を!「わかった…このときの蝶々はイアソンだ!…花から花へ移る蝶…と…女から女を渡り歩くイアソン、それが重なる!ここで登場する蝶はイアソンの象徴だ!」と。稽古場内に居た全員がどよめき、それだーーー!!となりました。


蝶々の存在はこの作品になくてはならないものになりました!




美術制作の話に戻します…

蝶々の型紙を私がひとつ制作したらそこからは美術チームの出番!模様をくり抜き終わると理想と違うものもあり、何頭かがボツになりながら…汗、無事、4頭の蝶々が出来ました!





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舞台を舞う2頭の蝶々。





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うさぎ、リス…
そして鳥!

鳥は当初2羽を予定しておりましたがら作っていくうちにサイズが大きくなってゆき、これは1羽で充分だなと判断。つがいであることにも意味を持たせていたのですが、その意味は蝶々に投影すれば良いと判断。





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くちばしは収納型にしました。
操作棒も取り外し可能。
公演の度にセッティングをするスタイルです。





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後ろ姿もおつなものです。





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ウサギさん
お尻が可愛い…。
物凄くシンプルな構造です。


今回、ウサギの動画を随分見ました。ウサギのジャンプって独特…。ピョンと前に進んで、後からボテッとお尻がついてくる感じ…。舞台には一瞬しか登場しませんが、ウサギさんのモフモフお尻が可愛いジャンプにもご注目を!





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リスさん。
尻尾が気に入っています。

操作棒などは無く、指を駆使して操ります。首(かしら=顔のこと)がクリクリッと動く感じも気に入っています。

リスって人形劇の舞台でとても映える魅力的な動物で、リスが出てくる人形劇、もっとつくりたいな…とよく思います。





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優雅に空を舞う鳥。

舞台から客席へと飛び出るかの勢い…。

コントロールの難しい人形ですが、うまく飛べたときの爽快感はたまりません。



いちどのレポートで何体も紹介したので、写真が大量になってしまいました!うまく表示されておりますでしょうか??

アメブロ、かつては写真が4〜5枚まで!とかでしたが、システムが改良され、今は多めにアップできるみたいですね!あとは皆さんの閲覧環境できちんと表示されているかどうか…。



動物レポでした!!



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メイキングレポ

まだまだ続く!!



次回はグラウケが出来るまでをお届けいたします!!


今日の更新分もなんとか今日に間に合ったー!!


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舞台上にワサワサと生えている草花…

写真は黒衣(くろこ)チームが草の裏に小道具を仕込みつつ、バミリ(立ち位置などを確認するための印)のテープの貼り付け作業をしているところ…。




ギリシャ悲劇
「王女メディアの物語」


メイキング第8弾は、この大量の草について!


今回の美術コンセプトは、素材でを全てダンボールで!!

ダンボールでギリシャ彫刻の様な世界を表現して、観る者の想像力を刺激できたら!と思いました。


人形だけでなく、舞台美術もダンボールです!

メイキングレポの序盤では、巨大な柱についてレポートしましたが、今回はこの大量の草達について。

舞台のキワの端から端を埋め尽くしたかったので、とにかく大量でした…。





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ひとつの土台の幅は90センチ…
そこに、三角にカットしたダンボールと、シンプルな花をランダムに飾り付け!





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土台は舞台監督さんに、木材で作ってもらいました。その土台にベースとなるダンボールを貼り、その上から、草を躍動的に貼りめぐらせてゆきます。

私がつくった草美術はここまで!
ここから、美術チームが総掛かりでこの草作りに入ります。





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まずは超大量の花から…。

この大量の花は、早い段階から作業に加わっていたNちゃんがほとんどひとりで手掛けました!!彼女ひとりで100本以上は作っています!!





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細切りしたダンボールをリボンの様にくるくると交差させて、真ん中をこの様にとめます。

花の大きさは大中小…とあり、細切りダンボール帯の太さは…1センチ・1.5センチ・2センチと3種類です。

述べ100本以上の花が出来たところで次はベースとなる草作業…。




三角の草カットの形に関しては完全フリーハンド。そしてその草のランダムな貼り方には私の頭の中での法則はあるのですが、全くもって説明が難しい…。





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右が私がカットしてランダム貼りした草、左は別な方がカットして貼った草。





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こちらも別な方がカット&貼り付けをした草。



人それぞれ、草を切る人によって…貼る人によって…あまりにも個性が出る…なかなか私のイメージと合致しない…汗w


お行儀良く綺麗に貼り過ぎてしまうと、躍動感が出ない…。大胆になり過ぎると草の柔らかさが出ない…。可憐にやり過ぎると枯れて見える…。生き生きとした動きのある感じを出したいのです…。シュールでありながらあくまでポップに!


三角のカタチも、型があるわけではないので、いっそのこと何種類かの型を作ることも考えましたが、この草に関しては型をつくってしまうと躍動感がどうも出ない。自然に生息する草の予想もつかないうごめきみたいなものを出したかった…。フリーハンドで色々なカタチになる方が草の生命感が出るのです。


色々悩んで試行錯誤をしていると、美術チームの皆さんが、徐々に私のイメージ、やりたいことを掴んでくれた!!





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そうそう!!コレ!!この感じ!!

ここからは安心してこの作業を美術チームに任せ、主にKちゃんがこの作業に入りました。Kちゃん、ひたすら草作業…。美術チームの皆さんの根気の強さに感動でした!





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地道な作業の末…全12台が完成!!

これはぜひとも並べて見てみたい…。並べて確認したい!!


しかしアトリエが狭い…。





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ならば!…と、大家さんに許可を取り、廊下に並べてみました!上のフロアへの通り道でもあります。他の入居者さん、スミマセン…。


遠目には見れませんでしたが…


うん!コレで納得!!





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この日の深夜、我々はしばし作業の手を止め、差し入れのワインを飲みながら、まるでお花見の様にこの草を眺めました。





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草花の上を蝶が舞います。


次回メイキングはこれらの蝶や動物達のことをお届けしましょう!



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詳しくは…
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メイキングレポ!


まだまだ続く!!


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ギリシャ悲劇
「王女メディアの物語」

美術制作メイキングレポ!

その7!


メディアの2人の息子編!!


台本上には台詞の無いこの2人。

登場時のアドリブ的な声が唯一の台詞。

しかしながら、とても魅力的な存在感。


とっても可愛い坊や達ですが、終盤はあまりにも残忍な運命がこの2人を待ち受けています。





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さてデザイン画。
相変わらず、申し訳ない程にシンプルなデザイン画です。

細かな設計図は全て私の頭の中…。

とは言え、これらのデザイン画はホント重要で、制作中は何度も何度もコレを見ます。

パーツによっては手分け作業になるので、制作現場では「デザイン画どこ!?」という声がしょっちゅう…。

物も増えてくるとデザイン画のコピーもよく隠れてしまいます。





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帰りは必ずデザイン画をここに戻すように!というルールになっています。

ひよこのクリップがまだ未完成組。
まだひよこちゃんなのでこれから成長です…という意味で。

そして、普通のクリップが完成組です。



余談ですが、このクリップ…

本当は

青リンゴと赤リンゴにしたいんです。

未完成組は青リンゴのクリップ…
完成組は赤リンゴのクリップ…という感じにしたいのです。

ここ何年も探してます。ありそうなのにない…。

どなたから見つけたら教えてください!w

作業には全く関係ないんですが、こういうトキメキ感って大事で…www





さて、話を戻します。

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メディアの息子達
兄弟の子ども…ベースが完成!

実はベースはほんと良く似てる!
大きさは違いますが、ほぼ同じビジュアル!

とはいえ、顔は微妙に違います。


弟くんにより幼さを出すため、目の位置を兄より若干低くしています。弟くんの方が目が口の高さに近いのがわかりますでしょうか?





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地道な髪の毛作り…

こんな二等辺三角形をくるくる…


子ども向け作品のダンボール人形劇「お花のハナックの物語」の羊の毛も同じ手法です。



くるくる巻くときには鉛筆が大活躍!ちょうど良い太さ!

巻いたところを両面テープで固定後、細切りした医療テープで上から更に固定します。





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髪の毛が付けられ、個性が出てきました!





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弟くんにも髪の毛が…

この髪の毛によって、兄弟それぞれの個性も際立ちます。





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どんどん制作物が増えてゆき…
狭いアトリエは大変なことになってきます。

細かな道具類もすぐに見当たらなくなってしまいます。それぞれの決まった置き場所に戻して帰らないと次の日大変です…。





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こちらも大事!ケイタリング!!w

血糖値が下がっては作業に支障が出ます!ケイタリング!ほんと大事!!w

色々な現場でお仕事をしている美術チームの皆さん…ここのアトリエはケイタリングが充実してる…と、いつも喜んでくれます。

このほかに、小腹が空いたとき用のオートミール、スープ、春雨ヌードルなど…常に絶やさない様に心がけています。


お客様からの差し入れやプレゼントでいただくお菓子達も、このケイタリングでいつも大活躍しています!いつも本当にありがとうございます!!



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公演情報
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メイキングレポ

まだまだつづく!!