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ギリシャ悲劇
「王女メディアの物語」

ダンボールによる美術制作
メイキングレポ!

遂に第10弾に突入!!



今回はグラウケが出来るまでのメイキング。



主人公・王女メディアの夫イアソンが、新たに花嫁として迎えようとする女性。劇中の現在地であるコリントスの王クレオンの娘です。


メイキング序盤でもお話しましたが、原作戯曲にグラウケの登場シーンはございません。後半のグラウケの壮絶な運命については、メディアの家来によって語られることで構成されています。


私の舞台では、この原作の噂話部分を実際に描く構成としました。


2幕はグラウケの部屋での華やかな様子から始まります。



デザイン画はいつものようにざっくり…。


ドレスの様にも見えますが、古代ギリシャの衣服であるヒマティオンのイメージ。そのため、裾の広がりは最小限に。

主人公メディアは顔と腕のみの人形。爺や・侍女・子ども達は自立可能なフルボディタイプ。クレオン・アイゲウスは大きな仮面風の顔のみ。イアソン・乳母は私の身体で演じます。

今回、唯一、フルボディタイプでありながら自立不可能なスタイルがグラウケです。カーテンコールの時のみスタンドに固定はしますが、劇中は常時軽やかに全身が動きます。と言っても出演時間はとても短いですが…。


このタイプの人形はぜひともいつか作ってみたい!と思っていました。念願叶っての登場です。フォルムがあまりに気に入ってしまったので、子ども向け作品の「森の妖精パルーシュカの大冒険」でも、このグラウケとよく似たスタイルの人形美術を採用しています。





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顔のカットから…。
最初はこんな状態です。





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折り曲げるとこうなります。

人形劇の人形は、基本的に、前から見ても横から見ても人形の目が見えることが重要です。例外的な美術もございますが、基本的には前横両方からしっかり瞳が見えないと演技構成が難しくなってしまいます。





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鼻が付きます。
これにより、センターの切れ目も隠れ、同時にデザイン性も上がります。





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まぶた、まつげ、髪の毛が付けられてゆきます。

髪型苦労しました。
くるくるヘアーのため、付け方を間違えると美容室でカーラーを巻いてる人に見えてしまう…。なんだかサザエさん風にもなってしまう…。姫の雰囲気が出なくなってしまう…。あれこれ試しつつ、なんとかカタチになってきました!失敗例を写真に撮っておくんだった!!現場ではかなり大笑いでした。これじゃダメだよね…と。

ティアラ風の冠は劇中に頭から取る場面があるので、付け外し可能になっています。冠の下にクリップが仕込まれており、そのクリップによって頭に固定されます。



人間だとあたりまえに出来る…物を持ったり置いたりする動作…。人形劇の場合はそこも大変な作業…。工夫と練習が必要になります。人形の場合、人間に出来ないこと(高く飛ぶとか、カラダが伸びるとかとか…)が比較的容易に出来たりするありがたさもありますが、ごくあたりまえの歩く走る座る…持つ、置く…などが容易ではありません。そこが無理なく自然と見えないことには芝居も成立しません。

この所謂、普通の動き!ですが、私、かなり好きなんです。うまくいったときに、人間には出せない空気が生まれるんです。あの不思議な緊張感がたまりません。


話を戻します…。





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グラウケちゃんのボディも出来てきました!

Fちゃん大活躍でした。

Fちゃんは普段はウェデイング業界の衣裳さん。ですが、ダンボールの扱いもとてもお上手で、彼女のダンボールカットは早くて綺麗でした!!すっかりダンボールにハマったらしく、プロフィールに「特技:ダンボールを切ること」…と加えたらしいです。それどこで役に立つんだろう!w
はい、主にウチです!w


関節や衣裳部分などの繋ぎ帯
実はガムテープです。
ガムテープを三つ折りにした帯を大量に作り、この人形以外でもあちこちにそれが使われております。

このガムテープ帯作りも美しく作るためには、なかなかの集中力が必要な作業。そんな根気の要る作業、演出助手のKちゃんが率先して作業してくださいました!「私コレ系得意なんです。」と黙々と作業…。助かるー!!



関節についてはとても大事なこだわりがあるのですが、ここでは説明が難しい…。

とにかく、操演する私の手は2つ、と、指は10本まで!ですから、ひとりで操っても全身が生き生きとする様に色々と工夫を施しております。





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ポテトリング風の髪の毛も付き、女性らしくなってきました。

全身を繋ぎ、最終調整に入ります。


黙々と作業をしているSちゃん、アトリエの近所に住んでいたおかげで、他の美術チームの人の様に「終電で帰ります!」が出来ない!!汗w

そのため、今回Sちゃんには何度も深夜までお付き合いいただきました。恐縮です!!
強制労働ではないのでご安心を!!w

Sちゃん、少ない説明で瞬時にやりたいことを理解してくださる素晴らしい方です。



「王女メディアの物語」の美術制作では述べ10名以上の美術スタッフさんにお世話になりました!少しだけ作業を手伝ってくださった方も含めると20名超え!!

当初は3〜5名程で全てを作る予定でしたが、つくってもつくっても終わらず、どんどん増員!

美術業界数珠繋ぎ的な感じで皆さんに人材を紹介してもらいました。とにかく急なお願いなので、オファーをしたところで来れる人は中々居ません。猫の手も借りたい…のですが実際、猫の手じゃ進まない!汗w

なんだかんだで、本当に素晴らしい方々にお集まりいただき、作り終えることができました!!


あれ?…なんか「まとめ」みたいになってますが、メイキングレポはまだまだ続きます!w




さ、再び話を戻し…





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グラウケちゃん全身が繋がったーーー!!
産まれた瞬間です!!

大きな作品の仕込みのときには、作業専用のアトリエだけではスペースが足りず、シアター・ジョウも工房と化します。この期間は公演もできない!汗&泣。

どんどん物が増えていくので、毎日徹底的な整理整頓をしないと作業が出来ません。整理整頓術はこの後の「ハムレット」あたりでようやく身に付いてきました!w





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ちょっとブレてますが、稽古場での様子。

このグラウケ、動くとほんと素敵なんです!

東京文化会館初演の際も、昨年の新国立劇場での再演の際も、このグラウケが舞台に出てきた瞬間にお客様の気持ちもフワッと高揚し、ザワザワッと客席がどよめくのを感じました。


1幕後半が緊張感のある展開となっていくため、この2幕冒頭で少しほっこり出来るのも嬉しいところです。しかし…それからわずか数分で…グラウケの身に大変なことが巻き起こります。





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華やかで楽しげに始まる第2幕、そしてその後すぐにやってくるグラウケの惨劇、その父親クレオンに待ち受ける運命…じっくりと目撃してください。




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公演情報
詳しくは…
をご覧ください!




メイキングレポ

つづく!!



次回は本作冒頭の重要な演出
「乳母による草花人形劇」…そこに登場する様々な花達の制作メイキングを予定しております!



美術のアイテム数が多く、書いても書いても終わらない感じがします!!汗w



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