ご報告が遅くなってしまいましたが…

新国立劇場での
「女」三部作 一挙上演

無事、全公演を終えることができました!!

ご来場いただいたお客様!本当に本当に!ありがとうございました!

スタッフの皆様、黒衣チームの皆様、全ての関係者の皆様!お疲れ様でした!!

また、とっても素敵な差し入れ、お心遣い、メッセージ、感謝申し上げます!!

本当に濃厚な3日間…
限界に挑戦…という感じでした。

何より大変なのは、私よりもスタッフの皆さんでした。同じ会場に、全く異なる世界を短期間に連続で出現させるわけですから、それはそれは大変な作業工程でした。

そして!
2作品、3作品を通ってご覧いただいたお客様!!お仕事や家庭の都合をやりくりしていただき、遠方からお越しの方はホテルも手配して…、さぞ大変なことだったと思います。

3作品全てをご覧いただいてこそ感じていただけるものがある!と思っておりましたので、全作制覇された方が居ることは私にとっても物凄く嬉しく、とても励まされました。

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初日の演目は…過去2回しか上演されていない「王女メディアの物語」でした。物凄い物量のこの作品。今回は初めての当日仕込み当日本番!どうなることかと思いましたが、事前に入念な作戦を組み立てていた甲斐もあり、無事本番を迎えることが出来ました!それぞれの写真は、終演後のフォトサービスの様子です。ファンの皆様が撮ってくださった写真の数々、どれもとっても素敵です!!ありがとうございます!!

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今回の公演で新たに取り入れた照明の演出や、文学的解釈を深めたことによる新たな演技構成など…色々な挑戦がございましたが、それらこれらが全て相まって、劇世界をより高めることが出来ました。演じていても怖くなる程でした。




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2日目の演目は…これまで大きな劇場での上演を重ねてきた「はなれ瞽女おりん」を、過去最小の会場で上演…というものでした。

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小劇場ならではの臨場感でこの作品をご覧いただけたことがとっても嬉しかったです。小さな会場のため、演出上の新たな工夫が多数必要になりました。スタッフの皆さん、黒衣チームの皆さんもあの手この手の工夫をして上演に備えてくださいました。予期せぬハプニングも多数ございましたが…(汗!)、おりんの心が皆さんに寄り添い、温かな空気に包まれました。





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そして3日目!…「毛皮のマリー」。2年振りの上演、都内では実に3年振りとなる上演でした。2日目までの演目とは一転!黒衣さんの登場もなく、また、本編中は音楽もなく、休憩もない…極めてシンプルな舞台演出。役者としての何もかもが試される舞台。久々のフルバージョンの上演に私もドキドキでした。連日各作品のリハーサルを行なってからの夜の本番、この上演の際に自分の声は出ているのだろうかと不安もありましたが、3日間で最も良い声が出ていた様にも思えます。不思議なものです…。緊張感の高まりが、諸々の質を向上させてくれました。

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この作品は初演から14年が経ちますが、今になってこそ辿り着ける表現が多々ございます。初演当時、欣也の設定年齢に近かった私の実年齢は、いよいよマリーの設定年齢に近付こうとしています。あと4年で、マリーの設定年齢である40歳を迎えます。その頃には、何か違う…「毛皮のマリー人形劇版」が生まれているかもしれません。お楽しみに!!


書きたいことは山ほどございますが、とにかく!とにかく!感謝申し上げます!!


こんな公演をさせてくださった新国立劇場さんに感謝です!!

こんなとんでもない企画を決断してくださった主催関係者の皆様に感謝です!!

こんな大変過ぎる公演を乗り越えてくださったスタッフの皆様!黒衣チームの皆様に感謝です!!

公演を支えてくださった全ての皆様に感謝です!!

公演情報を広めてくださった皆様に感謝です!!

色々なかたちで応援してくださった皆様!公演の存在を口コミで広めてくださった皆様に感謝です!!


そしてそして…

何より…

何より!!!

ご覧いただくお客様が居ないと完成しない我々のお仕事…

お忙しい中、劇場までお越しくださった全ての皆様に!感謝!感謝!感謝です!!


こんなにも実り多き公演はありませんでした!!


アンケートも全て読ませていただきました!まるで詩人の様な素晴らしいコメントの数々…。熱いメッセージ!!ありがとうございます!!スタッフ一同とも感動しながら拝読させていただきました。





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皆様に、より深い感動をお届け出来るよう、今後も精一杯務めさせていただきます!!


今後とも、どうぞ、どうぞよろしくお願いいたします!!


またのご来場を、心より、お待ちいたしております!!




あぁ…


ブログでは伝えきれない…


この感謝の気持ち…



本当に!本当に!ありがとうございます!!



劇場…



どうしてこんなにも魅力的な場所なのでしょう…



この喜びを、ひとりでも多くの方に広めたい。どうか!お力添えを!!
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「女」三部作 一挙上演!開幕直前!

テーマ:
新国立劇場での
「女」三部作 一挙上演

開幕まで、1週間となりました!


昨日まで…

全18弾に渡る「王女メディアの物語」制作メイキングレポ。

「はなれ瞽女おりん」の魅力。

「毛皮のマリー 人形劇版」誕生の経緯。


と、お届けしてきました!


他にも、それぞれの作品のバックステージでのことや、様々なエピソード、準備での諸々のこと…、開幕まで毎日更新しようと思っていましたが…ごめんなさい!!

どうやら、余裕がなさそうです。しばしの間、ブログは放置させていただきます!!



今日はこれから黒衣(くろこ)チーム&舞台監督さんと「はなれ瞽女おりん」の打ち合わせ。

夜は「毛皮のマリー」の美術メンテナンス。

明日はシアター・ジョウにて「森の妖精パルーシュカの大冒険」と「ヘンゼルとグレーテルの物語」の上演。

それが終わると「王女メディアの物語」の台詞の稽古。

月曜、新作「燭/TOMOSHIBI」の美術制作の進行をしながら、年末〜来年以降のお仕事の原稿提出&打ち合わせ。

そこから、諸々のお仕事と同時進行で、怒涛の3作品同時稽古が始まります!!


ま、そんな同時進行が私には丁度良く、同時進行をしてこそ集中力も高まるため、この状況は自分の性にも合っているのですが…ブログの投稿を始めるとついつい凝った内容にしてしまい、予想外に時間をかけてしまう!なので!!こちらのブログ、泣く泣く、しばし放ったらかしにさせていただきます!!


Twitter、Facebook、Instagram…は、それぞれ可能な限りアップしていこうと思っています!お伝えしたいことは日々色々ございますので!!



ブログはTwitterとFacebookにも連動させており、更新の度、Twitterのリプライやダイレクトメッセージ、Facebookのコメント欄に届く感想も、とっても嬉しく拝読しております!毎回、長い文章での投稿にも拘らず、くまなくお読みいただけて感謝です!!TwitterでのリツイートやFacebookのシェアも、いつもありがとうごさいます!!この様々な「思い」がひとりでも多くの方に届きますように!!




今回の「女」三部作 一挙上演!
技術面での乗り越えるべき壁も多々あり、テクニカルスタッフの皆さん、黒衣(くろこ)チームの皆さん、主催関係者の皆さん、それぞれのセクションで物凄い創意工夫をしてくださっています!!



そもそも…、1年以上前、今回の新国立劇場では何を上演するか??…という話に始まり、上演したい作品の候補が幾つも上がり、絞り切れず…

それなら、3日間で出来る限界をやりたい!!

3日連続で違う作品を上演しましょう!!

…と言ったのはどこの誰??



はい。



私です。




とは言うものの…


私はこれまでも各地で異なる作品を連続で上演することはよくありました。その為、差ほど難しくは考えておりませんでした…



しかし!!やはり!!色々と大変です…。



「王女メディアの物語」は過去2回しか上演されていませんから、まだまだ構築しなくてはいけない演出的思想やテクニカル面での課題があります。「はなれ瞽女おりん」は過去最大に小さな空間での再演のため、新たな検討要素が多々…。「毛皮のマリー」は演技面で、歳を重ねただけの新たな探求が…。

全国巡回公演で、異なる作品の連日上演は度々あったものの…、今回の様に、3作どれもが2時間あるいは2時間超えの大作であることはかつてありませんでした。過去には、異なる現場で2チーム同時仕込み…というものもありましたが、今回はそれとも違います。同じ会場に異なる濃厚な3世界を短期間で出現させるわけですから。

とは言え…諸々の課題もひとつずつ見事に解決されつつあります!!



お客様の中には、この3日間全てを観劇してくださる方もいらっしゃるかと思います。

この3日間に渡るリレーが制覇されたとき、これまで決して得ることの出来なかった「何か」がそこに生まれることを確信しています。今回は1作品のみ、或いは2作品の鑑賞…というお客様も、それぞれの女の世界の壮大なるドラマを存分にお楽しみください。




少しの間、ブログをお休みしますが、もし、お時間の都合が付きましたら、これまでの投稿、通勤中のお伴にでも、じっくり読み返していただけると幸いです。

実は、後からちょこちょこと書き換えた箇所も…。読み返すとついつい気になり何度も修正してしまいます。


と、こんなことを言いながら、気まぐれにブログ更新をすることもあるかもしれませんが、ひとまずは「女」三部作一挙上演に向けて集中させていただきます!!



高めましょう。深めましょう。女の世界を。



3人の女に、会いに来てください。




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シェア拡散歓迎!




ご来場、お待ちしております!!

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「毛皮のマリー人形劇版」誕生の経緯。

テーマ:
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新国立劇場での
「女」三部作 一挙上演

開幕を来週末に控え、各作品のメイキングや見どころをお届けしております。

「王女メディアの物語」の美術制作メイキングは全18弾に渡ってお届けしました!沢山ございますが、ぜひご一読を!


昨日は「はなれ瞽女おりん」の魅力を。


そして今日は…

この「女」三部作 一挙上演の最終日を飾る…
「毛皮のマリー」の魅力と、誕生の経緯をお話いたします。


「女」三部作…と言いつつも、マリーさんの実際の性別は男性です。産まれたときは男の子でした。それが何故、女装をして生きるようになったのか…。その壮絶な過去については、物語の後半、マリーさんの口からじっくり語られます。





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今回の…「女」三部作 一挙上演

1日目は「王女メディアの物語」、

2日目は、「はなれ瞽女おりん」ですが…

3日目の「毛皮のマリー」、先に上演される2つの作品と大きく異なる演出がございます。


それが、「毛皮のマリー」の最大の特徴かもしれません。

その異なる点とは…


劇中、音楽を一切使用しません。
そして、休憩は一度も入りません。
黒衣(くろこ)さんも居ません。

使う人形や小道具は極めて簡素なものです。


私は舞台の袖に一度も引っ込むことなく、約2時間、出ずっぱりで演じ続けます。


「毛皮のマリー」は、舞台が始まると、もう全くもって逃げ場が無いのです。この緊張感がたまりません。



冒頭は、手を使って表現する蝶々の演出で始まった後…寺山修司さんの台本をおもむろに読み始めるところから始まります。


この舞台では、台本上に書かれた「ト書き」も全て台詞として舞台に組み込まれています。


本来は、舞台では声に出して読まれることのない部分…

寺山修司さんのト書きが、あまりにも詩的で、まるで音楽…。寺山修司さんの美しい文学世界にどっぷりと浸っていただける演出です。


劇を観たお客様の感想でよく耳にするのが…音楽が聞こえていた…言われなきゃ音楽がないことに気がつかなかった…という声。戯曲があまりにも素晴らしいため、まるで音楽が聴こえてくるようなのです。


劇中、いくつかのア・カペラの歌や、効果音的なものを口で出したりはしますが、所謂、SEと呼ばれるものは劇中は一切存在しません。ひとつひとつの宝石のような言葉をじっくりと拾い集めながら芝居を進める感じです。



原作戯曲は、寺山修司さんが美輪明宏さんに当てて書かれたもので、1967年に初演されました。新宿文化センターでの伝説の公演として、今も語り継がれています。近年でも、美輪明宏さんご自身の演出による上演が行われております。美輪明宏さん演出による「毛皮のマリー」は、美輪さん独自の解釈により、終幕部分が新たに書き変えられています。寺山さんご本人に、好きにやってもらって良いですよ…と言われていたそうです…。



今回の人形劇版はというと…

ほぼ一語一句、寺山修司さんの戯曲の言葉、そのままに演じています。ほんの一部だけ、観客に伝わりやすくするために言葉を付け加えている部分はありますが、基本的には原作のままです。


この台本の言葉が…

何度も言いますが…


素晴らしいのです。





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「毛皮のマリー」の主なテーマは、母と息子の愛憎です。

親子関係にまつわる永遠の問いかけが随所に散りばめられ、ラストシーンでは極めて考えさせられる展開となります。


劇の冒頭から登場する、美少年の「欣也(きんや)」18歳…

マリーは欣也を自宅の部屋に閉じ込め、監禁しながら育てています。

欣也を閉じ込めてまで育てることになった経緯は劇の後半で語られるのでここでは伏せておきましょう。


欣也の他にも、マリーに忠実な下男も冒頭から登場します。

マリーの外出中、夜な夜なこっそりと女装を始める下男のシーンはなんとも危険な香りがする不思議な場面です。





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欣也を誘惑する美少女の紋白も魅力的なキャラクターです。こちらは小さな人形で表現されています。単純な造りですが、とてもよく動く人形です。彼女の衝撃的な運命の末路は舞台でご覧いただきましょう。





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マリーが外から連れて来た男…水夫(マドロス)は、劇後半になくてはならない存在です。

トルソーで表現しました。
お顔は…、あなたの思う一番良い男をここに想像してください。


そのほか、マリーをひたすら賛美する2人の詩人、6人の美女の亡霊など、魅惑的なキャラクターが次々と登場します。



…と、ざっくり人物を紹介したところで…、この人形劇版の生まれた頃のお話を…、





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今から14年前のノートを発掘…

2003年の初め頃、私が21歳のときでした。

当時、寺山修司さんのお母様(寺山ハツさん)が住んでいたお宅に下宿をしていた私。そのお家は、寺山ハツさん亡き後、寺山修司さんの義弟である森崎偏陸(へんりく)さんが管理をされていました。



では、このお宅に下宿をすることになったきっかけに遡りましょう…



私が9歳のとき、当時小学4年生、もうすぐ10歳…という頃、私はある映画に子役として出演をしました。

パルコ配給の「プ」という映画です。

主演は佐藤浩市さん。(佐藤浩市さん、現場でもとても優しく、待ち時間はずっと、子どもの私の話し相手をしてくださっていました。忘れられない思い出です。)

ロケは主に北海道と伊豆でした。

山崎幹夫監督が、北海道在住の子どもを起用したい…と、子役オーディションが札幌で行われました。

演じることや人形劇こそ好きではありましたが、映像での演技経験など全くありません。しかしながら、とにかく演じることが大好きだった私は、緊張しながらも、希望に胸を膨らませながらオーディションを受けました。

待合室に居るのは事務所に所属しているような子ばかりで、自分に勝ち目はない?…と思いました。けれども、オーディションはとにかく真剣に臨みました。と言うよりも、見たことのない世界になんだかとにかくワクワクしていたのを覚えています。

鳥かイルカ、生まれ変わるならどっち?その理由は?…など、オーディションの面接中、大人の人達に聞かれる質問が面白く、またそのほかにも、これをやってみて、あれをやってみて…という指示も、何もかもが自分にとっては刺激的な体験でした。

3つのパイプ椅子の周りをこんな風に歩いてこっちに行ったら今度はこっちに行って…など、それを覚えてすぐにその場でやる。

それが終わると次はけん玉…。大きな大人達に囲まれながら、やったこともないけん玉をする。とても緊張しました。全くもってうまくできなかった私…

9歳の無知なジョウくんは帰宅後、…けん玉が一度も成功しなかったからオーディションは落ちた!…と母に言いました。すっかり落ち込んでいたのです。

母は言います。…けん玉の出来る出来ないじゃないのよ。あなたの集中力を見てたのよ。

それを聴いても不安だらけな9歳のジョウくん、…生まれ変わったらイルカか鳥どっちって聞かれて鳥って言っちゃったの。正解はイルカだったんじゃないかなあ?オーディション落ちたかなあ?

母は言います。…あなたがどれだけ素直なのかを確かめたかったのよ。答えはどっちでも良いの。答え方がどうだったかを見てたのよ。



母はよくぞ私の落ち込みに付き合ってくれたものです。



そして、オーディションにはおかげさまで合格。数ヶ月後、夕張での撮影が始まりました。


ここから先は箇条書きにして話を早く進めます!

・このときこの映画で助監督をされていたのが森崎偏陸さん
・色々あって映画はいったん撮影中止に
・2年後、撮影再開
・偏陸さんとも再会
・映画完成
・偏陸さんに今すぐの上京を進められる
    人形劇を本格的に始めていた私
    全国一人形劇が盛んな北海道
    人形劇をもう少し続けたい
    ひとまず、小6での上京を見送る
・中・高、北海道で人形劇に没頭する
・札幌の定時制高校を卒業
・19歳で上京→偏陸さんが下宿させてくれる。



はい、話が繋がり戻りました!

そういうわけなのです。



こうして、高校を卒業した私は偏陸さんのお家(寺山ハツさんのかつてのお家)に下宿をさせていただき、お世話になるのです。


小学生のとき、映画のアフレコ(声の吹き込み)の仕事などで東京に来た際、偏陸さんのお宅に伺うこともありました。その頃から、お宅にあった寺山ハツさんの遺影がとても好きでした。知らない人の遺影なんてむしろ怖がっていた小学生のジョウくんですが、何故か、寺山ハツさんの遺影は見ているとホッとするものがあり、その遺影のある部屋に行きたがる程でした。このお宅に下宿する様になった頃は、なんだか故郷に戻る様な不思議な安心感がありました。



そんな偏陸さんのお宅でお世話になりながら創作活動を2年程続けた後…、偏陸さんのお宅で、1冊の戯曲と出会います。


それが「毛皮のマリー」でした。


寺山修司さんの本に囲まれて生活をしていたのに、寺山さんの本に見向きもしなかった19歳,20歳の頃…。しかし、この「毛皮のマリー」には、何故か吸い寄せられました。「毛皮のマリー」というタイトルが発する不思議な匂いのようなものに惹かれる感じでした。


読み始めた私は大変なことになってしまいました。ジェットコースターに乗っているような感覚になりました。これを「ひとり人形劇」に演出してみたい!!

そしてすぐに大学ノートを開いて描き殴ったのがこのスケッチなのです。


早速、偏陸さんに相談すると…「うん、…面白いかもしれない…。」と返答。

当時、寺山さんの作品の版権を管理されていた九条今日子さんを偏陸さんにご紹介いただき、快く許諾をいただきました。そして、その年の年末、沢山の方々にお世話になりながら、ギャラリーで初演を迎えた…というわけです。


その年は、寺山修司没後20年の年でした。


年末年始の2ヶ月に渡る上演。
前半は観客が数名という日々が続きましたが、後半は口コミに助けられ、会場の外には行列も出来、立ち見も出る程でした。


「大人の人形劇」という活動に、しばし諦めの気持ちを抱いていた私に希望の光を見せてくれたのがこの「毛皮のマリー」なのです。


その後、この「毛皮のマリー人形劇版」は各地で上演され、2011年からは新国立劇場でも度々上演させていただいております。

長く上演をしていると、昔では到底見えなかったものが色々と見えてきます。時にそれは、恐ろしい波の様に押し寄せてきたり、そっと忍び寄ってきたり…。


自分の成長が如実に反映される舞台…

それが…

「毛皮のマリー」なのです。




初演の頃、欣也の設定年齢と差ほど変わらなかった私の実年齢は、現在、マリーの設定年齢に近付こうとしています。今になってようやくお見せ出来る表現があります。生きてて良かった…。





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こちらは当時描いた毛皮のマリーのデザイン画です。自分の生き様を全うする彼女の人間性を表すべく、最初の殴り書きのスケッチからこの様に変化しました。

水夫は当初は顔ありのプランでした。そこから無駄が削ぎ落とされ、マネキンプランから、トルソーのみとなりました。


原作にある下男の蝋燭の演出も、当初は実際の蝋燭を使う予定でした。しかし、監修を務めてくださった偏陸さんに…蝋燭使わなくていいよ、ジョウくんの手で蝋燭表現出来るでしょ…と言われ、小道具の類いは極力減らされてゆきました。


ことき偏陸さんに言われた言葉は今も私の表現スタイルの肝となっています…


「ひとり芝居は引き算の芸術なんだよ。引き算すればするほど、観客の想像力が入り込んで足し算が生まれるんだよ。余計なものは何も要らない。必要なのは表現力。それが演劇。それが役者。」





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「毛皮のマリー」後半の壮絶な場面は劇場でお楽しみいただくことにしましょう。





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ご来場、お待ちしております。




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公演情報
詳しくは…
をご覧ください。




人形劇俳優 たいらじょうの世界
「女」三部作 一挙上演
於:新国立劇場 小劇場

開幕まであと…8日!


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「はなれ瞽女おりん」の魅力。

テーマ:
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新国立劇場での
「女」三部作 一挙上演

いよいよ来週末に開幕が迫って参りました。

今回は2日目の演目である、「はなれ瞽女おりん」の魅力についてお話いたします。





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昨日まで、「王女メディアの物語」のメイキングレポをお届けしておりましたが…、あちらがダンボールなら、こちらは新聞紙!!

舞台美術は大量に敷き詰められた新聞紙です。


この新聞紙が、動きや光の当て方によって、様々な情景を表現します。


北陸の四季の情景…
しんしんと降る雪、吹雪、日本海の荒波、桜、茂み、紅葉、川…
人々の有象無象感…、人々の魂…、

場面ごとに印象を変えてゆきます。



音楽は全てオリジナル曲です。
私が口三味線で歌ったフレーズを、滝川弥絵さんがピアノに起こし演奏してくださいました。

そうなんです…
私、作曲はするんですけど楽譜も書けない、ピアノも弾けない…なんです。
少し歌っては弥絵さんがピアノで弾く、私の頭の中のメロディと一致したらそのフレーズを楽譜に書く…という実に地道な作業だったのです。



おりんの前日に上演する「王女メディアの物語」の音楽は全て既存のバロック音楽です。それはそれで素晴らしい選曲です!!音楽監修のセバスティアン・マルクさんの類い稀なセンスで選曲された楽曲は、劇世界にあまりにもハマっています。
 


一方おりんは全てがオリジナル曲で、主人公おりんが粛々と旅を続ける様子に想いを馳せながら作曲しました。私自身、この曲が流れた瞬間に、情景反射的におりんの世界へトリップしてしまいます。



因みに…、3日目に上演される「毛皮のマリー」は音楽が一切なし!!出てくる曲といったら私が鼻歌程度に歌うアカペラのみ。おりんもメディアも休憩が入りますが、マリーは休憩もなく、また、私は一度も舞台の袖へ消えることなく2時間演じっぱなし…という作品です。


この3つの全く異なる世界観…、皆さんのスケジュール的にも難しいかとは思いますが…、ぜひとも!3作続けてじっくりと味わっていただきたいものです。





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盲目の女旅芸人・おりんはどのようにして育ったのか…。彼女の生い立ちから描かれます。


2歳の頃のおりんが登場し、そこから、物語は時系列で進んでゆきます。



この2歳のおりん
現場でも大人気…。ファンも多い人形です。
私の友人や家族も、この2歳のおりんが出てくるだけで涙が出る…と言います。

この2歳のおりん、登場は最初だけではありません。2幕ラストのある場面でほんの少しだけ再び登場します。あの瞬間にかける思いが色々とあるのですが…説明はあえて割愛しておきますね。



おりんの人形達…
デザイン画こそ、私が描きましたが、
人形の構造と彫りは、人形作家の川口新(あらた)さんに依頼しました。あらたさんの見事なセンスと技術が光ります!!この2歳のおりんの口元の愛らしさ…、大人のおりんの口元に漂う色気や悲壮感…。あらたさん、お見事です。

小道具や衣裳は、人形劇団プークさんにお世話になりました。どれもこれも丁寧に美しくつくられており、愛情がいっぱい注がれています。

おりんの髪の毛や衣裳に使われているベロア生地は、なんと…全て!染めています。配色カードで私が色指定をした後、全て手作業で染められました。市販のベロア生地では色が限られる…ということで、全パーツ、白のベロア生地から染めてゆく…という途方もない作業でした。





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これまで新国立劇場では「中劇場」で上演されていた「はなれ瞽女おりん」、今回、初めて「小劇場」で上演されます。2歳のおりんの姿もより近くに感じていただけることと思います。


何より、小劇場での上演によって、舞台全体の迫力を存分に味わっていただけることと思います。


全国公演でも比較的大きな会場で上演してきたため、今回、テクニカルスタッフや黒衣さんも、小劇場にどう納めようかと四苦八苦しております。舞台床面に付けられているバミリと呼ばれる印も、これまでの演出のままでは小劇場には納まらず、この度、全ての位置や導線を新たに検討しております。





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4歳の頃のおりん。
おりんの明るく前向きな声を聴ける瞬間です。目は見えませんが、日々の様々な音に耳を澄まし過ごすおりん。


6歳のときに瞽女としての修行が始まります。その細かな経緯は舞台でご覧いただくとして…



瞽女の世界には掟がありました。
男の人と交わると一座から落とされる。
仲間から外され、ひとりで旅を続けなくてはいけない。…という掟です。

一座から落とされた瞽女は「はなれ瞽女」、「落とし瞽女」…などと呼ばれる様になります。諸方各地の親切な瞽女宿に泊まることも許されず、村はずれの地蔵堂や阿弥陀堂を寝ぐらとして孤独な旅を続けるのです。



おりんが瞽女としての修行に入った頃はまだ子どもでした。そのような掟とは無縁でしたが、やがて、おりんも大人の女になってゆき、風貌も変化してゆきます。年頃になると、何とも言えぬ色気を出すようになり、村の若い男衆が次々と寄って来ます。





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おりんが初めて男を知る場面です。

二心二体の演技です…。
ここはきっと、2人の別々の存在を感じていただけることと思います。



おりんのナレーションは場面によっては録音が流れます。それはそれで、空気感の変わるメリハリが出て良いのですが、場面によっては生声の演技でナレーションが語られます。


この交わりの場面の後のナレーションは、おりんの人形を寝かせたまま、私は少し離れた位置から、おりんの気持ちを語ります。おりんのカラダが幽体離脱をして、自分で自分自身を俯瞰で見つめながらその役の台詞を言う感じ。この手法は「ジャンピングラビット!!」という作品で生まれ、その後「お花のハナックの物語」のハナックの衰弱の場面などでも用いられました。人間劇と人形劇を融合させた舞台ならではの演出です。


おりんの人生のターニングポイントとなるこの瞬間。静かなナレーションですが、心して語るようにしています。


おりんナレーションの一部「…おら、待っていたものがようやく来たかのような気持ちになって、悦びとも、不安ともつかぬ気持ちがうずまいて、朝まで眠れませんでした。闇の中で静かに抱かれたのだから誰も知らない。黙っていさえすればわかるまい。そう、信じていました…」



その後、このことが座元に知れて、おりんは一座を落とされることになります。





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いきなりバックステージ写真ですみません。

おりんの親方のテルヨなど、おりん以外のキャラクターはこれらの黒いパネルで影の様に表現されます。舞台写真ではわかりにくいので、バックステージのものを載せました。

おりんが男と関係を持ったという噂話をイソ子という瞽女がテルヨに告げ口する場面。なんともリアリティがあります。シンプルなパネル人形ではありますが、その様子がマジマジとそこにあるような気がして、妙な緊張感を舞台に与えてくれます。



因みに一番左は2幕に登場する30代のおりん。
その隣は1幕前半に登場する17歳のおりん。雪道で初潮を経験する重要な場面で遣われる人形です。ストーリーが前後しますが、おりんが初潮を経験した後、「月やく」についてテルヨがおりんに諭す様に語る台詞もぐっとくる名台詞です。





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はなれ瞽女となったおりんが孤独に村々を巡った後、とある阿弥陀堂で平太郎と出会います。




当初は平太郎も人形で演出しようと考えいました。デザイン画を何枚も描きましたがどうもまとまらず…。自分のカラダで演じることを決断しました。それによって、おりんと平太郎が寄り添い旅をする様子も際立つと判断したからです。


平太郎を演じつつ、私のカラダは、おりんと最初に交わる男「助太郎」や、2幕に登場する薬屋「彦三郎」なども演じます。彦三郎もまた、おりんに欲情する男。それらの役柄と平太郎を同じカラダで演じ分けることはどうかと思いましたが、演じ方を変えればそこは別人になるものです。この作品で培った人間芝居での演じ分けは、後の「オペラ座の怪人」のヒントとなりました。




それぞれの役柄を演じる度、不思議な客観視が自分に生まれます。この不思議な客観視が色濃くなってきたのもこの作品からの様な気がします。

たいらじょうではなくなる感じ…。それを冷静に別角度から見つめるもうひとりのたいらじょう。演じながらも、それぞれに役柄に色々な感想を抱いている感じ…。実に不思議なんです。人形こそ遣わないものの、その演じ方は実に人形劇的なのかもしれません。





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川での行水シーン。

この作品を勉強した際、この場面の美しさにまず惚れました。


平太郎「おりん、そこにじっと立ってみりゃ。仏さまのようじゃ。」



おりんは自分のことをここで抱いて欲しい…と平太郎に頼みます。



この2人には男女の関係はありません。平太郎はおりんのことを妹の様にしていたい。一方おりんは、一度で良いから平太郎に抱いてもらいたい。

この日、思わず平太郎はおりんを抱き締めます。しかし、それ以上のことは何もありません。





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この場面、原作では実に美しい情景描写が成されています。


《  平太郎が、じゃぶじゃぶと水を切って歩いてきて、おりんの前に立ち、大きく息をはきながら、ぬれたおりんを真正面から抱いてくれる。 》



この場面で私が演じる平太郎が深呼吸をしているのは、私の個人的な演技プランではなく、原作の中で豊かに描かれている描写が元になっているのです。





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平太郎は言います
「いとしげな、いとしげな、仏さんじゃ」



そしてここでも、原作では素晴らしい描写が…


《  おりんの腹が千切れるほどに平太郎は抱いた。》




この、腹が千切れるほどに…という表現、水上勉さんの言葉。しびれます。




岩下志麻さん主演の映画では、この場面では抱き締める描写がありません。色々な考えがあってのことなのだと思います。

私の舞台版では、ここは原作に忠実な描写にしました。


新聞紙を敷き詰めた演出が際立つワンシーンでもあります。





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2幕でも様々なドラマがありますが、劇場でお楽しみいただくことにしましょう。

3名の黒衣(くろこ)さんによる美しい動きも素晴らしいものがあります。作品に寄り添うかの様に、無駄のない洗練された動きで劇世界を支えます。しなやかにこなしておりますが、実は、かなりハードな動きです。歴代、様々な業界の方が黒衣さんを務めてくださっていますが、今回は、女優の牛頭奈織美さん、俳優の藤井悠平さん、ダンサーの新井彩冬実さんが、メディアとおりんの黒衣を務めてくださいます。彼らの細やかな気配りにどれだけ助けられていることか…。一方で、3日目の「毛皮のマリー」では黒衣さんは出ません。その劇世界、演出の違いの面白さを続けてご覧いただけるのも、今回の3部作の魅力です。





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おりんのラストメッセージ…
魂のメッセージです。
この瞬間は、劇場空間が不思議な空気に包まれます。じっくり堪能してください。




おりんが旅した地域…北陸
そんな北陸の出身者でもある照明家・松村剛(ごう)さんの照明もみどころのひとつです。

影があってこそ光が存在する…
そんな思いが伝わる美しい照明は身震いするほどに感動的です。


様々な色を多様した舞台照明ですが、おりんのラストメッセージの場面は、色味を最小限に抑えています。


北陸の「曇天(どんてん)」
ごうさんとの打ち合わせの折、この「曇天」が合言葉の様に何度も出てきました。おりんのラストメッセージでの曇天にはえも言われぬ不思議な美しさがあります。





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そして、新聞紙演技のラストシーン。
照明も実に神々しくなってゆきます。



冒頭は北陸の四季の描写で始まり、1曲の間にスピーディーに春夏秋冬が表現されます。

初演の際は、ラストシーンでもう一度、この四季の描写の演出が行われていました。



現在、ラストシーンは初演から進化を遂げ、人々の儚い命を賛美する場面となっています。1枚1枚の新聞紙に命を感じながらのラストシーンです。

この場面については演出補であり事務所社長の輪嶋東太郎さんと何度も話し合いを重ね、稽古を重ね、現在のかたちに深まりました。この場面で、皆さんの心に色々なものがよぎることと思います。



人は誰もが自分の人生を旅しています。


おりんの孤独な旅に思いを馳せながら、あなたの人生のドラマと向き合うひとときになることを願っています。



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公演情報
詳しくは…
をご覧ください。




「はなれ瞽女おりん」は、2011年、神奈川芸術劇場KAATのオープニングラインナップとして企画・制作され初演を迎えました。

その後、奈良県大和高田さざんかホールにてツアー初演を迎えた後、全国各地を巡回して参りました。

この作品の誕生にご尽力いただいた全ての皆様、また、本作の舞台化に温かなご理解をいただいた水上勉さんのご遺族・関係者の皆様、その後の各地での上演に携わってくださった全ての皆様、そして、この作品を愛し育んでくださったお客様に感謝申し上げます。

この度、「はなれ瞽女おりん」が、2年振りに上演されます。関係者の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。そしてご来場いただくお客様、日曜日の貴重なお時間を頂戴しますこと、感謝申し上げます。ごゆっくりと、お楽しみください。





人形劇俳優 たいらじょうの世界
「女」三部作 一挙上演
@新国立劇場

開幕まであと…9日!



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ギリシャ悲劇
「王女メディアの物語」

美術制作メイキングレポ!!


第18弾!最終回!


ラストは主人公メディアの制作メイキングです!



メディアの「顔」編…は、既に数年前にお届けしているのですが、今回はそれも含め改めてレポートいたします。


東京文化会館での初演の約1年前…
ポスター撮影のために、メディアの顔の部分のみ先行して創り上げる必要がありました。


全体的なイメージがあってこその主人公のデザインのため、その時点で、舞台美術を含むだいたい全てデザインを終えておきます。





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デザイン画はこんなにもザックリとしたものでした。シンプルです。

細かな設計図は全て私の頭の中…です。





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舞台美術、人形、小道具は全てダンボールで…
それが今回の作品の美術コンセプトでした。

ダンボール人形劇は、それまで子ども向け作品では実施していましたが、大人向け作品ではまだ取り組んでいませんでした。


ダンボールで、ギリシャ彫刻の様な世界をいつか創ってみたい…。大人向けのダンボール人形劇もつくってみたい…。そんな思いが満を持して実を結んだわけです。





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フリーハンドで下書き(カット線)を引きつつ…、ダンボールをカット。折り曲げてお面をつくっていくような感じです。





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装飾が増え、女性らしくなってきました…。





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更に飾りが足され、威厳が出てきます。





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茶色のスプレーでヨゴシメイク。

ダンボールの陰影を際立たせるための処置です。





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無事、お顔が完成!


この「顔」づくりの一連の流れ、全て一夜の出来事でした。もっと時間がかかると思っていたので、これは自分でも意外でした。あまり記憶がありません。集中しているとそんなものです。不思議な感覚です。





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その数日後、シアター・ジョウにてポスター撮影が行われました。その際の写真です。

(撮影=梶山かつみ/写真提供=東京文化会館)


衣裳は即席のため、そのまま舞台で着ることはできません。撮影用に、幾つかの布を重ねザックリと縫い合わせたものです。





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撮影後のオフショット。

美術品で遊んではいけません。

しかし我慢できなかった。

人形になったらこれは出来ない…。
今のうち。
メディアになりました。





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さ、ここからが未公開。

体幹部こそない人形ですが、後頭部、肩、両腕、両手が必要です。

袖の飾りはこの様なカタチに…。


子どものときに紙テープを折り重ねてバネの様なものを作って遊んだことはないでしょうか?…そうです!アレのダンボール版です!

そんな単純な作業工程ですが、ダンボールだと、どこか重々しく、そして派手に見えます。





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メディアの腕と手、袖の飾りが繋がり、…

ボンドの乾き待ちが終わり、接着剤固定用の洗濯バサミも全て外され…

手の操作棒の「差し金」が取り付けられ…

初めて操る瞬間です!



いざ!出産!!





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胸が高鳴りました。





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彼女は手をつくるのにとても苦労しました。

ダンボールの中にワイヤーを入れ、女性らしい手先のニュアンスを出すことにしました。

自分の手や指先をメディアの手をイメージしたカタチにして、それを何度も見ながら参考にしました。

この手の部分のダンボール、広げた展開図はとても複雑なカタチです。かなり計算が必要でした。





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光の当たり方ひとつ、動きひとつで、メディアの表情はみるみる変わります。





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劇中は、操る私自身も、彼女がダンボールであることを忘れてしまいます。





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1幕ラスト、メディアが我が子に向けて語りかけるシーン。グラウケへの贈り物を子どもらに預ける場面。

親子の濃密な時間であることを際立たせるため、新国立劇場バージョンから、このシーンで爺やは登場しておりません。こちらは爺やがこの場面に登場していた頃の貴重な写真です。





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舞台の中央の壺には…
メディアの象徴の花=ユリ
子どもらの象徴の花=2つのチューリップ

イアソンがメディアから去って行く切なさが表現されています。


言い表せない感情を音楽と動きで表現する
メディアの「心象風景のダンス」は、1幕で2回に分けて行われます。この場面でのメディアの動き、表情、息遣いにもご注目ください。





お送りしてきました…

「王女メディアの物語」美術制作メイキングレポ!


終盤戦は少々駆け足しでしたが…これにて終了です!!


全部読破した方が居ましたら、ぜひ!感想をお寄せください!!



そして…写真では伝え切れない迫力を、劇場で体験していただければ幸いです。




この素晴らしい舞台制作の機会を与えてくださった東京文化会館の皆様に改めて感謝申し上げます。

そして、今回の舞台を主催してくださるヴォイス・ファクトリイの皆様、どうぞ、よろしくお願いします!!

黒衣さん、テクニカルチームの皆様、がんばりましょう!!

関わる全てのスタッフの皆様、新国立劇場さん、お世話になります!

これまで応援してくださった全ての皆様!ありがとうございます!!ひきつづきのご声援をよろしくお願いします。

そしてそして、ご来場いただくお客様!
秋の週末、数あるお楽しみの中から、この公演のご観劇をお選びいただくこと、感謝申し上げます!

存分に楽しんでいただけるよう、精一杯演じさせていただきます!!



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公演情報
詳しくは…
をご覧ください。




今回の投稿の際、下書きに記事を保存すれば15枚以上の写真を投稿できる…というアメブロの裏技を発見しました!w



そのため、過去最高の写真数となってしまいましたが、この「メディアメイキング最終回」、全ての写真を無事皆様にご覧いただけておりますでしょうか?


明日以降は…「女」三部作、2日目の作品「はなれ瞽女おりん」、3日目の作品「毛皮のマリー」についてのコラムもお届け出来ればと思っております。ひきつづき、お楽しみください。



そして!


「女」三部作の公演の前に!




今週末9/24(日)には、
シアター・ジョウでのファミリー向け公演

ダンボール人形劇
「森の妖精パルーシュカの大冒険」

テーブルシアター
「ヘンゼルとグレーテルの物語」

の、2本立て公演もございます!


こちらの作品は今週末が今年最後の上演となります!お子さまはもちろん、大人の方にもお楽しみいただける作品です!こちらもぜひ!!



詳しくは…
をご覧ください。