マラッカ市街の中心部、てっぺんにフランシスコ・ザビエルゆかりのセントポール教会跡のある丘を反対側に下っていきます。ちなみに、ここまで単に丘、丘と申したですが、通称として(教会跡があるからでしょう)「セントポールの丘」とも呼ばれているようで。

 

 

さりながら、かように大きな看板が出ているとなれば、「BUKIT MELAKA」が正式名称なのかも。「bukit」はマレー語で「丘」の意ですので「マラッカの丘」と。周囲を見回す限り(例えばマラッカタワーから見下ろしても思うところですが)ほかに丘のように盛り上がった地形は近くにありませんので、マラッカの丘を宣言しても、なんの差しさわりも無いでしょう、きっと。

 

余談ながら、クアラルンプールの街中でもBukit Bintang(星の丘のこと、星が丘と呼ばれたりも)やらBukit Nanas(パイナップルの丘)やらの地名を見かけますので、Bukitは誰でも覚えてしまうマレー語のひとつかもしれませんですね。

 

 

ともあれ坂道を下りきりますと、またまた古びた建物の遺構に出くわして、周囲には昔の大砲が並んでいたり。サンチャゴ砦跡もしくはファモサ要塞跡と呼ばれておりますな。

1511年、ポルトガルが上陸した際に作った要塞の跡。当時はここが海岸線で、背後の丘を取り囲むように築かれていました。防壁は19世紀にイギリスによって壊され、現在は石造りの門と大砲のみが残っています。(マレーシア政観HP)

 

「ポルトガルが上陸した際に造った要塞」であって、後ろに丘が控えていることからすると、およそ砦の目の前はもはや海岸線であったかと想像するところですが、今の海岸線はかなり後退したといいますか。先に大規模開発の埋め立て事業に触れたりもしたですが、砦の前から海に至るエリアも長い年月のうちに埋め立てが進んだ結果でもありましょうかね。

 

 

今ではサンチャゴ砦の前は広場となって、ま向かいには大規模ショッピングモールがあったりもしますので、かなりにぎわう場所なわけですが、観光客目当ての輪タク(トライショーというのでしたか)のたまり場にもなっておりますな。上の写真の左下隅に車輪だけが写っていますけれど、実物の車体を目にしますと「え?!」と驚くほどの飾りつけなのでして。

 

 

デコデコしいのは見てのとおりで、これがそれぞれに音楽を大きく鳴らしながら、何台も何台も通り過ぎていくのですな。輪タクと申したものの、実際にはサンチャゴ砦前とオランダ広場とを行き来するだけのルートで走っているようでありましたよ。ちなみに、下は夜の客待ち風景@オランダ広場、派手ですねえ。

 

 

それにしても、飾りつけのキャラクターに採用されているのは、ピカチュウ、ドラえもん、キティちゃんなどなど日本由来のものがてんこ盛り状態。ですが、おそらく著作権などの権利関係には一切お構いなしでいるのでしょう。二つ上に見えるピカチュウも微妙な印象で、なにかどこかが違うような…。ま、このあたり、なんだか「おお、東南アジアは健在だ!」みたいな気がしたものでもありました。