何故選べと言うの二人の人を
何故同時に愛してはいけないのよ?
あぁ 愛をはかりにかけるのはいや
それは自然な生き方でしょう?

 

自然に愛して 太田裕美 1977年

初夏。この時期、昔からの太田裕美ファンは
アルバム「こけてぃっしゆ」を必ず聴きます。
というのは、もちろん言い過ぎだけど
それだけ愛されているアルバム。

フォーク系歌謡曲だった太田裕美が
シティポップに変わったとされるアルバムで、
"Coquettish"な女性(GIRL&LADY)をテーマにした
コンセプトアルバムのはしりでした。
(「九月の雨」だけちょっと外れてるけど)

シングルカットされた「恋愛遊戯」を始め
収録曲も粒ぞろいなんだけど、
今回は「自然に愛して」をセレクトしました。

なぜかって、、、それは後で話すことにして、

この曲は、
タイプが正反対の二人の男性("彼"と"あなた")
の間で心が揺れている乙女(GIRL)の曲。

(太田裕美の曲なので、かなり言葉を選んでいます)

乙女のわがままな心を歌った曲だけど、
太田裕美が歌うと
とても優しく美しく聞こえてしまう不思議。


この雰囲気は他の女性歌手では
なかなかだせません。

あぁ 愛をはかりにかけるのはいや

こんなの聞くと、男としては、
「二股かけられてもいいや、いやかけて!」
と思ってしまいます。
(おっと下品な言葉がでてしまいました)

この曲をセレクトした理由の1つはそれですね。

もう1つは、この曲は

僕にはシティポップに聞こえることです。

実は僕は「こけてぃっしゆ」自体は
よくレビューで言われている様な
シティポップアルバムだとは思っていないのです。
"シティポップ風"とは思いますが、
やっぱり歌謡曲アルバム。いい曲は多いです。

アルバム「こけてぃっしゆ」は、全曲

作詞 松本隆、作曲 筒美京平


そもそも松本/筒美の曲は
シティポップが少ないと思っていて、

「ELEGANCE」の「クリスタル・ムーン」や
「海が泣いている」の「スカーレットの毛布

なんかは彼らの

数少ないシティポップと思ってます。

この後、浜田金吾(濱田金吾)網倉一也
太田裕美の曲作りに加わってくると、
シティポップ度が少し増しますが
太田裕美はそっちの方向にも完全には
染まりませんでした。

今となっては、
それもよかったのかも知れません。

最後の理由、それは

この曲のSpotifyの再生回数が
異常に少なかったから
ですね(笑)。
皆さんにもっと聴いてほしいと思いました。

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「自然に愛して」は太田裕美の6thアルバム
「こけてぃっしゆ」のA面(GIRL SIDE)の4曲目。

作詞 松本隆、作曲 筒美京平、編曲 萩田光雄

「こけてぃっしゆ」(Coquettish) は
1977年7月1日リリース。
オリコン3位。

A面はGIRL SIDE、B面はLADY SIDE

との表記がある。

「こけてぃっしゆ」(6th) と
「ELEGANCE」(8th)、

「海が泣いている」(9th)は
全曲 松本隆/筒美京平の作詞作曲の

名作アルバムで3部作とも呼ばれる。

アルバムジャケットも美しく、
特に「こけてぃっしゆ」のジャケットは秀逸。
まさに"女神"


表ジャケット写真


裏ジャケット写真

このアルバムの正式名称が
「こけてぃっし」なのか「こけてぃっし
なのかは昔から度々話題になる。

発売されたアルバム(LP)の帯には
「こけてぃっしゆ」と書かれていたが、
カセットテープのジャケットには
「こけてぃっしゅ」と書かれていた。



現在の太田裕美オフィシャルサイト(SonyMusic)
では「こけてぃっしゅ」だが、
音楽データベースDiscogsでは今も
「こけてぃっしゆ」である。

もうどっちでもいいかな。

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以下は過去記事です。
僕が思う太田裕美のシティポップの数々。

浜田金吾の夏の曲


浜田金吾の(冬の)曲


松本隆/筒美京平の夏の曲


松本隆/筒美京平の(冬の)曲