太田裕美の甘い歌声で

聞き逃しがちだけど
実は「一夜の過ち」?の曲。
だけど、

それが純愛になってしまうのが70年代。
僕の好きな歌だ。

「スカーレットの毛布」は
太田裕美の9thアルバム
「海が泣いている」の1曲目

作詞 松本隆、作曲 筒美京平、編曲 萩田光雄

松本隆、筒美京平は太田裕美のデビュー以来、
彼女の曲のほぼ全てを作詞/作曲してきた。


この二人が全曲、作詞作曲のアルバム

6th「こけてぃっしゆ」 (1977年)
8th「ELEGANCE」 (1978年)
9th「海が泣いている」 (1978年)

は、いずれも名作で3部作とも呼ばれる。

「スカーレットの毛布」は
「木綿のハンカチーフ」でおなじみの
男女の会話形式の曲。この曲も4番まである。

パブで出会ったばかりで、
まだ名前も聞いていない二人。
一夜を共にした翌朝、

二人は朝食のトーストに
手をつけずに見つめあう。
運命的な出会い。
きっと二人はうまくいく。

一夜の過ち?が純愛になり、
「指で「愛」としるしてくれ」ともなると
これはもう70年代フォークソングの世界。

その情景は美しく、愛であふれている。

 

スカーレットの毛布(作詞 松本隆)

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ところが6年後、松本隆は
松田聖子のアルバム

「Windy Shadow」(1984年) の1曲目

「マンハッタンでブレックファスト」で
次の様な詞を書く。
こちらは一人語りのモノローグ形式だ。

目覚めると横に見知らぬ寝顔が
あなたは誰? 覚えてない
ゆうべ バーボンで上機嫌
あとは記憶さえ消えてる

だめね アルコール控えなきゃ
かなり深刻におちこむわ
名前さえ聞いてない

マンハッタンの恋は偶然
よく見ると好みのタイプ
朝食を一緒にいかが
私たち仲良くなれそう

マンハッタンの恋は偶然
こんなことよくある話
朝食は熱いカフェ・オレ
トーストにためいきを乗せて

 

マンハッタンでブレックファスト(作詞 松本隆)

軽っ、軽いぞ。反省が足りてない。
というか反省してないだろ。
「よく見ると」って何だ。
そこに愛はあるんか?
お父さんは許しません。

80年代、こんなだったっけ?

「お酒での失敗」
「一夜の過ち」
「名前聞いてない」
「朝食のトースト」

ここまで材料が一緒でこの違い。

松本隆、振れ幅が大きすぎだぞ。