『学園特捜☆伍代聖羅』にまつわるダークな“IF”の物語。一日空けて、いよいよ今回は大逆転の回です。
目の前で学園特捜の“魂”とも言える証明書の全てを焼き払われた伍代聖羅。
「これで全部じゃ……とうとうお前の“学園特捜”は灰になってしもうたのぉ。さあ、もう吐けや! パスワードの番号は?」
無言の聖羅。だがこれは抵抗と言うより放心だった。
「ちいと“壊し”過ぎたかのう……さあ、立てや、伍代!」
そう言って仲本は聖羅の腕を掴んで、強引に引き上げしょうとした。その時、
「お~お、なんて華奢な腕なんじゃ」
仲本が何気なく口にしたその言葉に、聖羅の死にかけた瞳の奥で何かが光を発した。
「……今、何て言った……」
消え入りそうな小声で、しかししっかりした意志を持って呟く聖羅。
「はぁ?」
「……今、何て言ったか、って聞いてんだ!」
そこで仲本は、彼女をあざ笑うかのように、
「ああ、こんなに華奢で、まるでお嬢ちゃんみたいじゃって言ったんよ」
多少誇張しながら、面白がって嘯く仲本。しかしこれは彼にとって、そして大蔵組にとって大きな誤算だった。その言葉を聞いた途端、消えかかっていた伍代聖羅の魂に、いきなり怒りの炎が燃えさかった。
「何だとぉ!」
今まで抵抗できないくらい痛めつけられ疲弊していたのが嘘のように、仲本の手を振りほどく聖羅。驚愕する仲本、そして周りの部下たち。
「…………?!」
そこで聖羅はさっと立ち上がる。抵抗できないほど体力を削いだと高をくくって、彼女を拘束していなかった大蔵組の、これも誤算だった。

「馬鹿にするなぁ!」
そう言うなり、信じられない力で大蔵組の組員たちを蹴散らしていく聖羅。全く無防備だった組員たちは次から次へと伸されていく。この三日間の暴行の間、彼女はそれでも必死に破壊された利き腕をかばってきた。それで何とか回復までこぎ着けていたのだ。

組員たちは瞬く間に殲滅され、一人残った仲本。
「わ、わりゃぁ、何ナラ!?」
そう叫んで挑みかかる仲本は、巧みに聖羅の腕を狙って前回の戦闘の時のように腕の破壊を目論むが、“究極のNGワード”で怒りも戦闘力もマックスとなった聖羅にその策も通じず、逆に聖羅の激しいパンチと蹴りを喰らって、あっという間に組み伏されてしまった。
「おい! あのUSBメモリはどこだ! 言え!」
にやりと笑って無言の仲本。その顔面に何発ものパンチをぶち込む聖羅。そのパンチは“NGワード”と共に三日三晩の暴行に対する復讐の思いもあって、常軌を逸した、言うなれば“殺しに掛かる”打撃だった。その殺気を感じた仲本はさすがに観念して、自分のスーツの胸ポケットを顎でしゃくった。聖羅がまさぐると、そこに秘密のUSBメモリが。即座に抜き取り懐に入れる聖羅。
「最後に聞こう。木暮は本当にお前らの“S”なのか?」
そこで顔面が血だらけになった仲本はふっと笑みを浮かべて、
「そうじゃ……言いたいとこじゃが、あれは嘘よ」
「何?」
「あんなドジな奴、とても“S”は務まらん。お前の心を折ろう思うて一芝居打っただけじゃ。あいつが肝心の現場におらんのはいつものことじゃろう……まんまと騙されよってから……助けに来んのは、おおかた見当違いの床でも探しとるんじゃろうよ。ドジなやつじゃけぇ……」
「そんなに“ドジ”“ドジ”言うなぁ!」
とどめの一発を仲本の顔面にぶち込む聖羅。伸されてその場に倒れた仲本を尻目に、立ち上がる聖羅。
「木暮…………さん、良かった……」
大蔵組の狡猾な罠にはまって、危うく文科省教育改善課及び広島県警の大切なデータを奪われ、且つ自らも死の危機にさらされた学園特捜☆伍代聖羅だったが、最後の最後の大逆転で、逆に指定暴力団・大蔵組を壊滅にまで追いやった。戻ったら、自分を探しきれなかった木暮技官に、いっぱいお灸を据えればいい……命がけの戦いを制した伍代聖羅は、また新たな事件の解決のため、青少年の健全な育成を見守るため、これからも戦い続けるのであった。

お餅は焼く派?煮る派?
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