女忍者のことを「くノ一」という。何のことはない、「く」と「ノ」と「一」を掛け合わせれば「女」という漢字が完成するという、考えてみればたわいのない語呂合わせに過ぎない(;^_^A
ところで「くノ一」といえば、「昭和」の時代劇映画の頃から登場しているが、どれも“妖艶さ”を売りにした“強くてクールで色っぽい”キャラクターを想像してしまいがちである。そんな「昭和」の「くノ一」に“強さ”と“爽やかさ”を求めようとしたら、どうしても「昭和」の東映特撮ドラマに求めざるを経ないだろう(;^_^A
まずは昭和51年(1976年)放映の、その名もズバリ『忍者キャプター』。まあ要は「戦隊シリーズ」のノリの“集団ヒーロー特撮”で、そうなると「紅一点」が不可欠で、それにあたるのが「花忍」。つまり本作における「くノ一」である。劇中「花忍」を演じたのは松葉夕子と野川愛の二人で、同じキャラを2人で演じたわけではなく、それぞれ「桜小路マリア」「天堂美樹」という別人格のキャラとして登場する。この松葉から野川へのチェンジや、番組自体いきなり打ち切りの憂き目に遭う等、何かと曰く付きの『忍者キャプター』だが、それから少ししてショー・コスギの活躍も相まってハリウッドで空前の「ニンジャブーム」が起きるから、ある意味“早すぎた忍者活劇”といえるかもしれない(同様に『ロボコップ』よりうんと前に東映で制作された『ロボット刑事』もしかり)。ちなみに「花忍」は「花」というキーワードや初代の役名の「桜」をモジってか、凡そ忍者としてはありえないピンクを基調としたコスチュームに変身して闘う。ただ、機能的ではないにしろ、ヒロイン独特の華やかさはあったなぁ。それにマスクの正面を開けて、変身状態のまま素顔を晒すってのもよかった(『女子ーズ』まで行けばギャグだが(;^_^A)
逆にハリウッドの「ニンジャブーム」の余波で制作されたと思われるのが、昭和63年(1988年)から制作放映された『世界忍者戦ジライヤ』である。本作には、主人公・ジライヤの妹でもある「姫忍」も登場するが、話題にしたいのは「柳生(貴忍)麗破」である。彼女は劇中、あたかも「峰不二子」の如く、主人公らとは別動隊で「敵か味方か」がわからない謎の存在として描かれる。「麗破」の出で立ちは白を基調としたもので、楔帷子のようなタイツを身に纏う点や、そもそも忍者でありながらユニフォームが目立つ「白」ってこと自体、「花忍」との共通点は多いが、「姫忍」がいかにも少女然としている分、大人の、そして謎の女キャラが際立っていた。
第9話「ワナワナ罠のパコ作戦」では、電話ボックス(時代ですな(;^_^A)に変身前の柳生レイの姿のまま緊縛監禁される、実にアダルティーな姿・展開を魅せてくれているヾ(- -;)
“強さ”と“爽やかさ”がこの「花忍」「麗破」の特徴と書いたが、それでも独特の忍者衣装に身を包んだ彼女らはが発するそこはかとない妖艶さは隠しようもなく、実際「昭和ヒロイン専科」(ただしヒロピン)の「GIGA」には双方ともしっかり‟完コピ”されている(;^_^A
そんな「昭和」の特撮における「くノ一」の両雄だが……おっと、『宇宙からのメッセージ銀河大戦』に登場する、藤山律子“姐御”演じる“悪の華”「クノーイ」のことを忘れていたよ(;^_^A(;^_^A