【整体コラム】
整体治療で皮膚疾患が治せるのか ? !
整体治療による上皮細胞と真皮組織の再生について…
前頭部の傷跡、指のアカギレ、外陰部と膣の乾燥/違和感の整体治療を通じて
◆ 皮膚科医も不思議がる「2年も前に打撲した顔の傷跡が未だに治癒しない」患者=Kさん
以前に「2年も前に打撲した皮膚の傷跡が未だに治癒しない」といった患者さん(Kさん・23才・女性・学生)を整体治療した事があります。具体的に言うとその傷跡の部位はこめかみに近い右の前頭部で、横2cm、縦7cmほどの細長い楕円形の腫脹部(一部ケロイド化?)が、そこにはありました。
「まだ23才と若いのに、なぜ2年も傷跡が治癒しないのか」、、、不思議に思いました。
実はKさんが通院している皮膚科の先生も「本当に治りが遅いですね~」と不思議がっているほどでした。
◆ 健康状態(?!)なのに「なぜ、2年間も傷跡が治癒しないのか…」
当院におけるKさんの本来の主訴は別でしたが、”ついでに”と言っては何ですが、なかなか治癒しない皮膚の傷跡の整体治療も並行して施術する事になりました。そこで「なぜ、2年間も顔の傷跡が治癒しないのか???」について考える事にしました。
ちなみにKさんが通っていた皮膚科医も、その治癒が遅れている理由については「よく分からない」との事だそうです。ただこの事を言い換えれば、傷跡の修復を妨げる様な基礎疾患が様々な検査をしても発見できない、つまり「一応は健康状態≒病的な原因は無い(原因不明)」と医学的に見なされている、と言う事を意味すると思います。
◆「原因不明」の患者さんほど基礎医学に回帰する !!
ところで当院では、Kさんの様に不思議な病態(原因不明≒病的な原因は無い)の患者さんに対しては、出来るだけ単純明快に考える事にしています。何となれば、我々の様な整体師は現代の最先端の科学的知識や技術に接する事は無縁ですから、その様なものに依存する事が出来ないからです。
とは言え、医学的なセオリーを全く無視して「エイッ! ヤッー」と、呪術的な事もできません。ですからこの様なケースでは、医学の一丁目一番地的な基礎医学(☚最先端の現代医学の根本)を”ネタ”として考えるようにしています。つまりそれは最も基礎的な解剖学や生理学を元にして、整体的に考えるようにしている、と言う事です
皮下に密集している血管網と線維芽細胞と頭顔面に向かう動脈網
◆「血流不足」・・・それは材木や釘が現場に届いていない大工さんと同じ状況 !!
Kさんの症例の場合、それは「血流不足」でした。つまり打撲による皮膚損傷の修復に際して、上皮細胞の再生や真皮のコラーゲン等の生成に必要な物資(各種タンパク質などの栄養素、O2、他)などが、損傷部(Kさんの場合右の前頭部)に供給されにくい状況(血流不全)が続いているのでは、との考え方です。
ですから皮膚の損傷部で上皮細胞や線維芽細胞等の労働者が仕事をしようにも、血流不足によりその材料が不足しているのですから、未だに皮膚が再生しにくいのも一応の”医学的なスジ”が通るのでは、と思います。
皮下に密集している血管網と線維芽細胞(皮下でコラーゲン等を生成する細胞)
言い方を変えれば、古家のリフォーム工事をしようにも、資材置き場から現場までの道路が渋滞していて材木や釘などの材料が現場に届いていなければ、現場にいくら腕のいい大工さんがいても手持ち無沙汰で、リフォーム工事は一向に進まないのと同じ理屈だと思います。
材料が不足していれば現場に大工さんがいても工事が進まない・・・
◆ 40年以上前、、、駆け出しの整体師の頃の「アカギレ」の整体治療例より…
ところでKさんの様に、皮膚損傷の治癒が遅れている患者さんは、実は当院でも少なからず診る事がありました。その中で、今でも印象的に記憶している症例は、今から40年ほど前、つまり私がまだまだ駆け出しの若き整体師であった頃に来院された患者さんのケースです。その患者さんはAさん(43才・女性・主婦)で、これも2年前から左中指の「アカギレ」がなかなか治癒しない、といった、今回のKさんとよく似た症状の方でした。
◆ 見るからに痛そうな縦1cm、深さ1~2mmの亀裂…しかし3診目でほぼ完治 !!
このAさんは2年ほど前から左の中指の先端部(指紋のある部位)に1cmほどの縦に割れる亀裂=アカギレが生じ(深さは1~2mm)、それがなかなか治癒しない患者さんでした。見るからに”痛そう”なアカギレでした。
その頃、まだ駆け出し整体師の私は「整体は腰痛や肩こり患者さんが大半」だと思っていたので、Aさんの様に「手指のアカギレ」を主訴とした患者さんが来院されるなど、全くの想定外でした。でもその時「アッ、これ治せるんとちゃうやろか…」と直感しました。実際Aさんにある整体治療を施術すると、そのアカギレは3診目にはほぼ完治状態になっていました。
左手の血流を回復する整体治療
Aさんの亀裂-アカギレ治療の種明かしをすると、ここまで本コラムを読まれてきた皆さんのご想像通り、このAさんに対して手指への血流を回復する様な整体治療を施術したのです。すると先述の様に3診目にはほぼ左手中指のアカギレ部分に新しい皮膚がかぶさり、ほぼ治癒状態に至っていたのです(Aさんの整体治療の詳細は下記を参照ください)。
【参考資料】
2年前から続く指のアカギレと整体治療
患者Aさん=43才・女性・主婦/パートの症例
◆3診目からKさんの傷跡に変化が…皮膚科医に「毛が生えかけていますよ!!」と言われました !!
その後も、このAさん以外にもなかなか治癒しない皮膚の傷跡の整体治療に携わる事が少なくなかったので、今回のKさんのケースも、意外に整体治療で治せるのでは・・・と思い、Kさんの顔の傷跡の整体治療をする事になった訳です。具体的には、右の浅側頭動脈の血流を妨げている原因(頸筋群の緊張)を解放する整体治療を中心に施術したのです。
浅側頭動脈が支配する皮膚領域
その結果、整体治療の3診目には、Kさんが受診している皮膚科医より「(右前頭部の傷跡が)少しマシになってきていますね。ずっと毛が生えていなかった部分が、少し生えかけていますよ」と言われるほど、2年間も修復しなかった前頭部の傷跡の修復が進み始めていたのです。
そして8診目には、当初は赤く発赤していた傷跡の皮膚色がかなり薄くなり、周辺の皮膚色とほぼ同一になっていました。また皮膚表面の斑状の凹凸も、よく見ないと分からないくらいに平滑になり、ケロイド的な部分も少なくなって、かなり改善されていたのです。
◆ Kさんの右浅側頭動脈の拍動が減弱 !! 「もし、右でなく左前頭部のケガだったら…」
Kさんの整体治療についてもう少し具体的に説明すると、前頭部(特にこめかみ付近)は「浅側頭動脈」という血管に支配されていますが、Kさんの場合、左の浅側頭動脈の拍動はシッカリと触診する事が出来たのに、右の浅側頭動脈の脈診ではほとんど触診する事が出来ないくらいその拍動は微弱だったのです。
浅側頭動脈の脈診(☚耳の孔の前方で脈診できます)
すなわちこの所見によって、左前頭部には充分血液が供給されているが、右前頭部にはその血液供給は不充分である事が推測されるのです。つまり先述の様に「材木や釘が届けられない現場の大工さん」状態に右前頭部は置かれていたと考えられるのです。
この仮説をKさんに説明した時、「もしケガをしたのが右でなく左前頭部であれば、すぐに治っていたかもしれませんね」と冗談を言って笑い合っていたのを思い出します。
(Kさんの整体治療の詳細は下記を参照ください)
【参考資料】
2年前から治癒しない顔面の傷跡(一部ケロイド化)の整体治療
患者Kさん=23才-女性・学生の症例
◆ 本コラムの主題(結語)=血流回復の整体治療で皮膚疾患の治癒/修復が期待できる ?!
とにかく、KさんやAさんの様に、ある種の皮膚疾患に対しては、整体治療によって相当の効果が期待できるのでは、つまり血流回復を図る整体手技によって、皮膚修復に必要な免疫細胞や各種ホルモンor栄養素、あるいはO2供給、そして老廃物の排泄を通じて、皮膚疾患の治癒に貢献できるのでは、が本コラムの主題です。
◆ 皮膚疾患の整体治療【総合案内】はこちら
◆ ヒマなので、もひとつ追加します…「外陰部の違和感と膣の乾燥」の症例より…
ここで本コラムを終わってもいいのですが、少々ヒマなので、追加でもう一つ紹介したい症例があります。それはMさん(58才・女性・主婦/パート)の症例で、その主訴は「外陰部の違和感と膣の乾燥」でした。
「外陰部の違和感と膣の乾燥」・・・それと皮膚の整体治療ってなんか関係あんの?? と思われるかもしれませんが実は大ありで、結論から言いますとこのケースでも外陰部付近の血流を回復する整体治療で大幅に改善した症例だったからです。
◆「膣剤」を止めるとすぐに再発するMさんの具体的な症状とは…
Mさんの具体的な症状ですが、Mさんは10年前に閉経していますが、数年前から外陰部に違和感が生じるようになり、さらに膣の乾燥感も生じてきたそうです。また、軽度の子宮下垂があるそうです。婦人科医より膣に挿入する錠剤の処方を受けていて、それを入れると違和感や乾燥感は軽減するそうです。しかし休薬すると外陰部の違和感と膣の乾燥感はすぐに再発するそうです。
◆ 閉経(ホルモン減少)以外にも原因は無いのか ?!
Mさんは現在58才で、すでに閉経も迎えておられるので、当然ホルモン的な原因で膣や外陰部に何らかの障害が生じても不思議ではありませんし、その影響も実際にあった事でしょう。ただ重要な事は、その閉経によるホルモン的な影響以外にも、他に悪影響を及ぼす要因が有るか否か、なのです。
すなわちMさんには、閉経によるホルモン的な影響以外の要因もあったのでは、、、と考えられたのです。そしてそれは、やはり膣や外陰部付近への血流不足だと考えられました。その事により膣や外陰部の上皮組織の潤いがさらに悪化し、「外陰部の乾燥と膣の違和感」といった愁訴に発展したのでは、と考えられました。
子宮や卵管-卵巣および膣を支配する血管網
◆ 外陰部-膣部の血流を回復する整体治療…7診目で休薬でき、11診目でほぼ完治 !!
そこでMさんに対しては、外陰部や膣周辺を支配する動静脈の血流を回復する整体治療(内/外腸骨動静脈解放テクニック・他)を施術する事にし、それが奏効したのです。
子宮や外陰部などを支配する内/外腸骨動脈と内/外腸骨動静脈解放テクニック
具体的な経過は、Mさんに整体治療を始めると最初の3診目までは無反応でしたが、4診目辺りから反応し始め「外陰部の違和感がマシになった気がします」と仰ったのです。その後若干の紆余曲折はありましたが、7診目以降は婦人科で処方された膣剤も使わずに済むくらいに外陰部の違和感と膣の乾燥感は軽減し、11診目にはほぼ完治に近い状態にまで改善したたのです。
(Mさんの整体治療の詳細は下記を参照ください)
【参考資料】
数年前から続く外陰部の違和感と膣の乾燥の整体治療
患者Mさん=58才-女性-主婦/パートの症例
◆ 改めて"結語"、血流回復の整体治療で皮膚疾患の治癒/修復が期待できる ?!
皮膚の代謝はは皮下に豊富に敷き詰められている血管床に支配されます
そして皮下の血管床は身体の深部を走行する動静脈に依存します
ここまで
・Kさんの「2年前から治癒しない前頭部の傷跡」の症例
・Aさんの「2年前から続く左中指のアカギレ」の症例
・Mさんの「数年前から続く外陰部の違和感と膣の乾燥」の症例
など、色々な部位の皮膚疾患の症例を見てきましたが、何れも患部への血流を回復する整体手技で改善したものです。
全ての皮膚疾患について上記の様な整体治療で改善する、と大言壮語は吐きません。しかし「血流を回復する」という整体治療は、皮膚修復に必要な免疫細胞や各種ホルモンor栄養素、あるいはO2供給、そして老廃物の排泄を通じて、上皮細胞と真皮組織の再生について重要な援護射撃になるのでは、ひいては胃潰瘍やリーキガット症候群等のような上皮組織損傷が関連する病態にも寄与するのでは、との考えから、これからもこの分野についての研究を続けていきたいと思います。
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