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腸熱こもり症候群(?)の整体治療
全身の痒み、腹部の熱感、硬便、皮膚と喉の乾燥感、、、

一種のIBS(過敏性腸症候群)?!
患者Tさん=44才-女性-会社員/薬剤師/主婦の症例

自律神経失調症の整体治療 【総合案内】
整体コラム 自律神経失調症についての一考察…

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①  Tさんの病歴・・・「全身が痒く、お腹が熱いです!!」
患者Tさんは、3~4週間前から全身に痒みが生じるようになったそうです。特に発疹などの皮膚所見は無いそうですが、一日中背中やお腹を中心に、足や腕などに痒みが生じるそうです。特に背中とお腹については「腹巻き状」に熱感もあり、火照っている感じがあるそうです。今回の件で医療機関は受診されていませんでしたが、ネットで調べると「腸熱こもり症候群 (下段 注1参照)」」にそっくりでは、と思っているそうです。

 





②    Tさんの診察
・お腹と背中の火照り感は相当強く、体温計(腋窩温)で測ると37.2度くらいあるそうです。咳や鼻水、倦怠感など、風邪特有の症状は無く、どちらかというと元気な状態だそうです。ただ喉の渇き感は強いそうです。また全身の皮膚の乾燥感も強いそうです。
・食欲はむしろ旺盛だそうです。ただ熱感のせいか、便の性状は非常に硬く、排便に困難があり、切痔の状態になる事もあるそうです。
・Tさんがネットで腸熱こもり症候群を調べた結果、その治療法として「冷水を飲まない、炭水化物食を減らす、夜7時以降の飲食を止める」などがあり、それを今まで実行されてきたそうですが、症状はほとんど改善しなかったそうです。
・胃痛、腹痛などは無かったそうです。
・痒みは就寝後もあり、強い痒みで眼が覚める事も度々あるそうです。
・胸腹部聴診上、血管雑音は無く、またグル音も一部亢進している所があるくらいで、特段の所見はありませんでした。
・腹部触診上、下腹部全般に軽度の脆弱感がありました。また左下腹部(下腸間膜動脈神経叢付近)に著明な緊張と圧痛があり、同部の押圧でTさんは強い痛みを訴えていました。
・腹痛は無いそうですが、改めて左下腹部付近に腹痛が無かったのかの問診をすると、「そう言えば、たまにチクッとした痛みが左下腹部に何度かありました。」と仰っていました。

 





➂ 治療目標と整体治療

⑴    下腸間膜動脈神経叢の緊張(誤作動)を解放する
  ・下腸間膜動脈神経叢解放テクニック

 





④    経過と結果・・・
・初診治療中、

患部への施術は痛がっていましたが、やがて次第に痛みが軽減し、最終的には痛みはほぼ無くなったそうです。


・2診目来院時(約二週間後)、

「(施術の)次の日からうんちは正常の硬さになり、痒いのも暑いのも全部治り、喉がカラカラなのも治って、腸熱こもり症候群は完全に治りました! ありがとうございました。」と仰っていました。





⑤     今回の症例の概説、、、
◆ 腸熱こもり症候群、、、何、それ??

・「腸熱こもり症候群」という病名を、今回のTさんの件で初めて知りましたので、本症についての知見は、私には全くありませんでした。Tさん自身は自分の症状を腸熱こもり症候群とお考えのようですが、実際のところ今回のTさんの症例が、腸熱こもり症候群であるか否かも不明です。ですからここでは、私の考えに基づいてTさんの症例をみていきたいと思います。

 

 

 

◆ まずは除外診断から、、、とは言え、ただの自律神経失調では…
・当初Tさんから本件の症状をお聞きした時、最初は「何じゃらほぃ? 変てこりんな症状だな…」、と思いました。しかし取りあえずは、いつもの通り、想定される重大疾患の除外から考えていきました。最悪の場合、例えば肝疾患や悪性腫瘍等でも掻痒感や熱感(微熱)などが初期に生じる事があるからです。


・とは言え、当院はちっぽけな一整体院ですから、スクリーニング的で簡単な除外診察しかできませんので、その範囲で診ていっても、重大な疾患の徴候は見受けられませんでした。逆に、診ていけばいくほど「単純に考えて、ただの自律神経失調では?!」との思いが浮かんできました。つまり、背中から腹部にかけての腹回りの臓器で、何らかの理由(おそらくは自律神経失調で)代謝が亢進しているのか、あるいは血流が増加しているのか(どちらも体温が上昇する)、だと思いました。

 

全身に針廻る自律神経系

 

 

◆ 治療のヒント…左下腹部の緊張と圧痛 !!
・ただそれにつけても雲をつかむ様な症状なので、「如何にしようか?」と考えつつ、「何らかのヒントが無いモノか、、、」と腹部の診察を続けていくと「本症状の原因では・・・」、と推測される所見が一つ見つかりました。それは「左下腹部(下腸間膜動脈神経叢付近)に著明な緊張と圧痛があり、同部の押圧でTさんは強い痛みを訴えていました」という所見です。先述のごとく、「単純に考えて、ただの自律神経失調では?!」との印象があったので、この発見は朗報だと思いました。

 

  

下腸間膜動脈と同血管に纏わりつくようにして走行する下腸間膜動脈神経叢

 

 

◆ 大腸(後半1/3)の代謝を調節する自律神経=下腸間膜動脈神経叢の失調 ?!
・著明な圧痛部である左下腹部には、大腸の後半1/3の自律機能を最終的に支配する下腸間膜動脈神経叢があります。同神経叢は、その支配領域の大腸内の食物残渣の吸収量やそのスピードの調節、あるいは腸液の分泌の調節、または蠕動運動の調節などを最終的にコントロールする自律神経叢です。

 

・ですから同部に著明な緊張・圧痛がある、という事は、同神経叢に炎症や癒着、虚血、その他の病態がある可能性があり、それが大腸の自律神経失調の原因となっているのでは、そしてその具体的な所見が大腸の機能の亢進(吸収亢進による硬便/切痔、代謝の亢進による発熱↗と、それによる皮膚乾燥による掻痒感、喉の渇き)となって現れているのでは、と考えました。

 

 

◆ 自律神経失調状態が下腸間膜動脈神経叢から腸管全般に伝搬か ?!
・ところで下腸間膜動脈神経叢が支配する領域は大腸の後半1/3だけですが、しかし大腸を含む消化管は、その消化管壁内に二種の自律神経叢(アウエルバッハ神経叢、マイスネル神経叢)が10mに及ぶ消化管全域に広がっているので、下腸間膜動脈神経叢の自律神経失調であっても、この二種の壁内神経叢を通じて大腸の前半2/3、および小腸全域から胃にかけての消化管の自律神経をも誤情報が伝搬し、前出と同様の機能亢進状態に至っている可能性もあります。


・つまりこの事によって、大腸後半1/3部分だけでなく、腹部消化管全般の機能亢進状態が誘発され、その代謝亢進により背中や腹部の熱感(☚腸熱こもり)が生じたり、その結果(発熱)による喉の乾燥感や皮膚の乾燥感(掻痒感)、食欲亢進などが誘発されているのでは、と思いました。

 

  

腸管全般に張り廻る壁内神経叢(アウエルバッハ神経叢・マイスネル神経叢)
 

 

◆ 別の仮説…熱の放散促進が目的か ?!

・皮膚の掻痒感の原因については、別の考え方もあります。つまり掻痒感は、発熱による皮膚乾燥によって生じたのではなく、「掻痒感➡掻把による軸索反射(注2参照)➡皮膚血流増加➡熱の放散促進」といった、上昇しすぎた体温を調節する一種の防衛反応の為に掻痒感が生じているのでは、との仮説です(下記コラム参照)。

【参考整体コラム 】 痒みの意義は血流増加にある !

「痒みって、何のためにある感覚なの??」未だに解明されていない「痒み」の医学的意義についての一考察…

・掻痒感は、皮下に配置されているC線維と呼ばれる自由神経終末が感受する事になっています。痒み刺激にはいろいろありますが、今回の件についてはその機序はよく分かりません。腸熱の亢進によって余分に生じた熱を放散する為、一種の防御反応としてC線維が反応し、体熱放散に寄与しているのでは、との仮説です。(この仮説は少々突拍子も無いので、無視してください)

 

痒み刺激を脳に伝えるC線維

 

 

◆ 下腸間膜動脈神経叢への整体治療で翌日には寛解 !?!
・上記の熱放散仮説についてはともかく、三週間以上続いていた今回のTさんの一連の症状(全身の痒み、腹部を中心とした熱感、喉と皮膚の乾燥)が、下腸間膜動脈神経叢への施術で、翌日には全て寛解していたのですから、やはり状況証拠的には下腸間膜動脈神経叢の自律神経失調であったのでは、と思われます。


・尚、下腸間膜動脈神経叢と思われる、Tさんの左下腹部の著明な緊張と圧痛の原因が何であるのか、それはよく分かりません。ただ推測では、逆流した月経血か、あるいは排泄された卵胞液などが下腸間膜動脈神経叢付近にまで浸潤し、それが同神経叢を刺激していたのでは(☚Tさんは「そう言えば、たまにチクッとした痛みが左下腹部に何度かありました。」と仰っていた)、と思われます。

 

 

 

◆ 腸熱こもり症候群 ≒ 過敏性腸症候群(IBS) ?! 結局、なぜ寛解したのかよく分かりません
・以上が、今回のTさんの症状に対する考え方(仮説)です。ただTさんは自分自身の今回の症状を「腸熱こもり症候群」と考えておられるようですが、本件がいわゆる腸熱こもり症候群なのかどうか、それは私には分かりません。また、腸熱こもり症候群なるものが、本件と同様の仮説によるものかどうか、それも私には分かりません。全体的な印象としては、IBS(過敏性腸症候群)の亜型(サブタイプ)の様な気もします。ただ今後も、Tさんとよく似た腸熱こもり症候群的な患者さんが来院されても、今回と似た様な診察/治療になるかもしれません。

 

Ps : Tさんはその後別件でも来院されていますが、腸熱こもり症候群の再発は無いようです





注1)  腸熱こもり症候群
飽食時代による食べ過ぎ、飲み過ぎ等で、消化管がオーバーワークとなり、酷使され続ける事で、消化管の代謝が
亢進しすぎて熱産生過多(腸熱こもり)となった状態。腸熱がこもると、水分の代謝不全を起こし、熱が蒸発する事
で、皮膚や目などが乾燥状態になり、顔の火照り感が生じる。逆に腕や脚などは冷え症になるとも言われている。

 




注2)  軸索反射…皮膚を掻いた後に皮膚が充血する反射
皮膚を掻把すると、その皮膚刺激が知覚神経線維を通じて脳に伝わるが、その神経線維の一部が掻把部分の血管にも通じているので、その掻把刺激が血管を支配する神経への刺激となり、その血管拡張を起こさせて、掻把部分の血流が増加(発赤)する反射を軸索反射と言う。典型例は「みみずばれ」の状態。

 

    


【参考整体コラム 】 痒みの意義は血流増加にある !?

「痒みって、何のためにある感覚なの??」未だに解明されていない「痒み」の医学的意義についての一考察

 

 

 

 

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